予選
「今から、予選会を行う。人数が多かったことから、
生き残り戦とする。20人ほど残った段階で、試合終了とする。では開始!」
そう言って審判が下がる。
「俺らは固まっていくぞ。アンさん!レンさん!」
そう、名取がいうと、生徒たちは武具を装備して背中を合わせて、陣を組む。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「相変わらず名取は堅実ね。」
紅葉は椅子に深く座り、足を組んで試合を眺める。
その顔に笑みを浮かべて。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「けっ!ガキが。」
そう言って、大男が子飼いであろうひょろっとした男とともに、
せまってくる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あれらはいらないわ。それに・・・・。上がりもしないか。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
他の選手ははたからそれを眺めて、力量をはかるか
もしくは巻き込まれまいと見て見ぬふりをして、離れる。
「クリスさん!土龍!『城壁』」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あっ!バカ!」
そう叫ぶと紅葉は足をほどき足の裏から地の力を行使して、威力を減衰させる。
それでも、武具と土龍の相性により、強固な城壁が
十数メートルせりあがりそうになったのを、
発動を止めることができず、10メートル弱までしか抑えられなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
円形にせりあがった城壁のふちにより相手を吹き飛ばされるのを
せりあがった壁の上で生徒たちは唖然とした顔で眺めた。
それはほかの選手も同様で、自分の近くにせりあがった壁が
自分が戦っていた相手を吹き飛ばし、目の前を圧迫したことで、
フリーズしてしまった。
ーギギギギギッー
「大野?」
「ご、ごめん?いや、俺もびびった。」
「だ、だよね。でも、でも、これで上から一方的に、きゃっ!」
名取が大野の方をゆっくりと向き、問うと同じように、
大野も名取をみて、答える。
それをまとめようと宮城がまとめようとするが、空中から、雷が降ってくる。
「なっ!どこから!」
それを慌てて、それぞれの武具でいなしたり、よけたりしながら、
術者を探る。適格に当てにきていることから、目線より、上を探る。
「あ!あそこ!」
富士がさした方向に、いかにもなローブを羽織った、フードの人影が浮いていた。
「よ、く、も!」
宮城はそうさけぶと、扇から四属性の斬撃を飛ばす。
それを3回ほど躱すと、4回目はわざとあたって、地面に落ちたように見えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「あれは?でもエンデも流も今は島のはず。でも、あれは・・・。」
紅葉は今生徒が落とした相手が流治に見えた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ふー。どうにかなったわね。他は?あれ?」
「魔法と大野さんの巻き添えで、ほぼ残っていませんね。」
宮城と日野が周囲を覗きこみながら見るが、もう戦っているものはまばらだった。
「もう終りですね。」
大月が武器をしまいながら言う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「よく見れないうちに終わったわね。
あの子たちも、あの魔術師もかき回してくれる。
さて、どうしましょうかね。」
そういうが、会場に選手立った際にすでにめぼしはつけていたため、
退場したなかで、見どころがあるものを別室に集めるように指示をする。




