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女教師迎えを受け入れる

ーバタバター


「そこ、時間と座標、空間の位置把握をしっかり!」


「時間合わせが大変です!これではゲートが安定しません!」


「やはりこちらからでは無理なのか!?」


「時間をできるだけ速くします!安定したらすぐにでも

ゲートを開いてください!」


怒号が次空間航行艦ユグラドシアに響いていた。

この船は六花や流治が生まれ変わる以前、どの時代だったか定かでないが、

流治の前世が、空間の消滅や、次元の消滅から、

成功例の生物を守るために造った、所謂ノアの方舟である。

外見は大樹の幹のような構造をしているが、

根はありとあらゆる世界の『世界樹』と呼ばれるものに接続し、

葉はありとあらゆる可能性を写し、

実はありとあらゆる生物の元となるような、

神の御業と思われる構成をしている。

そんな幹の内部には居住区が存在し、死ぬ運命だった人物や固有種が、

各々の役割をもって生活をしていた。


そんな艦内の一角、転送部屋と言われる場所で、紅葉を迎えに行くために

空間のエンデ、時間のフレイ、そのほか技術職員が六花ともに四苦八苦していた。


「もう肝心な時に流はいないんだから!」


「いても役に立たちませんよ。」


「それは~、そうだけど。」


「お嬢様もうすぐで開けそうです。やることは覚えていますか。」


「え~と。世界全体を引き延ばして、秋姉と相談をして、

 生徒を帰還させる。で、O.K.?」


「O.K.です。サポートスタッフは必要ですか?」


「エンデを貸してほしいけど・・・。可能?」


「エンデを連れていきたいんですか?まぁ、いいですけど。エンデ~。」


近くで作業をしているエンデをフレイは呼んだ。


「どうした?」


「お嬢様が不安なので一緒に来てほしいそうです。」


「え~。やだ~。お嬢と一緒に行くの~。」


「エンデだいぶ流に似てきたわね。」


「違うんだな~。あいつが俺に似てきたんだな~。

 まあいいか。現状把握したいし、力の一部も借りてるから役に立つだろうし。」


「じゃあ。これに入って。」


そういって六花は木の人形をエンデの前にだす。


Oui(ウィ)。」


エンデはなれた感じで、人形に憑依をする。


「んじゃあ。行きますかね。」


「もう少しで、安定します!」


「さて、たまには頑張ろうかな。」


そういって、転送用の扉を六花は開いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーギィー


「お待ちしておりました。六花お嬢さま。そして・・・。」


「エンデだ。」


扉を開けた先にはアンが控えお辞儀をした。


「秋姉は?」


「現在、本王国の騎士団の要請をうけ、地下演習場なるものを作成するために、

 本土地の地下に、赴いております。」


「何それ。もう秋姉は自重をしないんだから。

 力技で何でもかんでも後先を考えずにやるから、脳筋なんて言われるのに。

 ふう。まあいいわ、いつ時間合わせをするかなんだけど、

 明日PM4時がちょうど、向こうと時間があう計算なの。

 その計画と一時帰還の連絡を行います。

 また、問題があれば先にまとめて報告するように。」


「承りました。では、食堂へご案内いたします。

 こちらの実情をまとめたレポートがございますので、

 後ほどお持ちいたします。」


そういって。アンは六花を連れて食堂へ連れていく。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーカチャンー


「六花あなたが来るとはね。流は?」


「時間の増加を調整するのは難しいということになったの。

 空間の成長の度合いを増やす方が簡単という結論になった。

 だから流では対応できない。なんせあれの力は権能の一部は消すだからね。」


「なるほどね。時間の増加率は因果にも影響を及ぼす。

 なら、空間の増加率を増やせば因果にも影響を及ぼさないか。」


「さすが教師になれただけあるね。」


「一応馬鹿ではないのよ。」


「知ってる。安請け合いをして、猪突猛進するから、

 脳筋なんて言われる所以よね。」


「もう、それはいいでしょ。」


六花の一言に苦笑しつつ再び食事に手を付ける。


「あの~。昨日までいなかったっと思うのですけど。」


宮崎の問にはっとした紅葉は、ナプキンで口を拭い

居ずまいを正し、説明をする。


「彼女は六花。私の妹の一人で、本当に優秀な術者の一人。

 今の職業は語学系とプログラミングの塾講師。」


紹介された六花はナイフを持ったまま手を振る。

それを後ろで見たレイが咳払いをする。

慌ててナイフとフォークを置き、


「紹介を受けました。風間六花です。以後お見知りおきを。」


と言って礼をした。


「紅葉。俺の紹介はないのか?」


部屋の隅で声がする。

突然の声にだれもが、息をのみ、

声の方を見ると中肉中背の男が

腕を組んで壁にもたれていた。


「そのしゃべり方はエンデ?」


「そう。」


そういうとエンデと呼ばれた男は六花の横に立つとひょいとパンを口に入れた。


「お行儀が悪い。」


「そうだな。後で、俺の分もお願いするよ。」


「承りました。」


アンはお辞儀をして応じる。


「今まで、どこにいたの?」


「管理空間。この世界は若いな。5つしか並行世界がなかった。

 そして、厄介だ。どの世界もすぐに滅びている。」


突然現れた男は爆弾を落とした。


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