世界の裏側で
「秋ちゃんが皇帝だ、と。」
富士が驚愕の顏をしながら、そうつぶやく。
「まあ、私はそこまでではないけど、大丈夫なんです?」
宮城がそれでも渋い顔をしながら、そう尋ねる。
「まぁ、一応?統治の経験はあるから?」
「え?そうなんですか?」
大野が驚きの声を上げる。
「それは置いといて、とりあえず、しょっぱな武闘会を開くから、
全員参加で。あ、魔法は有よ。」
それを聞いた生徒は再び渋い顔になり、のろのろと練習を開始した。
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<六花からのアクセスを確認。>
<質問をどうぞ。>
「管理者セレスが担当する世界線について。」
<六花との縁がある管理者セレスの世界線を調査します。>
<この世界線は危機に瀕しています。>
<問題点は3つ。>
<一つ、管理システム及び監視システムに問題があります。>
<二つ、リソースが変質し、環境への影響が発生しています。>
<三つ、他世界線からの浸食を受けています。>
「解決策を提示して。」
そうシステムが答えるが六花は何も考えずに、解決策を求める。
<一つ目の解決策は精霊、神が不完全な動作をしていることに起因。>
<新たなる神獣、精霊、神を再配置することを推奨。>
<二つ目の解決策は三つ目の解決先と共通の部分があります。>
「ちょっとまって、二つ目はリソースの変質でしょ。それは商業神がばらまいた
魔薬のはず。三つ目って。浸食?私たちではないわ。」
<肯定。しかし、材料の一部は別世界の世界線のスキル・魔法によるもの。
一部のリソースが外部に流出及び流入しています。>
「認識したわ。解決策を続けて。」
<二つ目の解決策及び三つ目の解決策の共通解決策は、
世界線を結界で包みなおし、召喚陣の破壊を推奨します。>
<二つ目についてはその後、概念を削除・修正を行えば解決します。>
<削除する概念は召喚陣の破壊後、お知らせいたします。>
<以上です。>
「やっかいね。・・・・。どこの世界線にリソースが流れているの?」
<複数です。>
<特定は難しいと判断します。>
「エンデの空間を隔離する結界で包み込んだ場合、
リソースの流入・流出は防げる?」
<演算します。>
<可能と判断。>
<時間経過が初期値と異なるため、リソースの流れに影響が見られます。>
<空間の管理者であれば、可能と判断します。>
「そう。そうなの。」
下唇を右人差し指でたたきながら思案する。
「その影響を与えていた管理者がセレスの世界に怒鳴り込んだ場合、
処断は可能?」
<判定します。>
<可能です。>
<召喚陣の不正改造及び不正提供、リソースの不正搾取を確認。>
<乗り込んできた管理者はそれらの恩恵を十全に受けていたと判定。>
<よって、意識のデリートし、自動処理をする人形に変質することを
推奨します。>
「そうね。そうしないと管理権限が私たちに移ってしまう。
提案をありがとう。その方向で対処するわ。」
<了解、こちらも世界線を要監視対象に設定します。>




