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技術の未来

「ああ、見えてきた見えてきた。」


流治の木の人格のエレインが王都の周辺の木に紛れて、

上空を監視していた。

今日飛行船で帰還する連絡を受けていたからである。


エレインは飛行船を確認すると

一足先にエンデの力で帰ってきていたフレイに知らせに、

王都の屋敷の木に憑依しなおした。


「定刻通りにつきそうだよ。フレイ。」


「了解した。城に行って報告と使者を要請してくる。」


そう言って、書類仕事の手を止めて、立ち上がると、

上着を羽織、城に先触れをかねて、登城するために屋敷を出た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「これはこれは、フレイ様。今日はどのようなご用件で?」


「もうしばらくしたら、紅葉が、信幸が帰ってくるから、

 その先触れだ。ちょっと特殊な帰り方だから、

 屋敷に来てほしい旨を伝えにな。」


「あっ。そうですか。しばらくお待ちください。お伝えしてきます。」


「頼むわ。」


城門の横の壁に寄りかかってしばらく待っていると、

フレイの影から忍の声が聞こえる。


「もう王都が見えてきました。どこに止めるかの確認を求められています。」


「屋敷の裏のバルコニーに横付けしてくれ。庭やロータリでは降りれないだろ。」


「了解です。」


そうフレイは返すと、遠くに点のような飛行船を睨んだ。


「オーバーテクノロジーだよな。バタフライエフェクトやシンギュラリティっか。

 まっ、一応監視はするかね。信幸がその辺を考えないはずがないしな。」


そんなことをつらつらと考えていると、

門扉の影からひょこっと軍務卿のマークスが顔をだした。


「そちらにいましたか。」


フレイを見つけると、後ろを振り返る。

それを見て、門の前に移動すると、宰相のシャークスも来ていた。

マークスはシャークに場を任せて、呼びに来た兵士とその同僚を集めて、

何かを話始めた。

交渉は宰相が行うようである。


「申し訳ございません。お待たせしました。詰所に案内もせず。」


「いや構わないさ。私自身が先触れだし。返事を貰えたらいいかな。

 程度だったしな。」


「そうですか。そう言っていただけると。で、あの方々が帰ってくると?」


「ああ、そうだ。以前空飛ぶ物体を一度見ただろう。あれで、帰ってくる。

 その説明もしたいから、屋敷に来てほしいんだ。」


「ああ。そういうことですか。では、何人か見繕って。

 そうですね。今から3刻ほど後に屋敷に伺います。」


「すまんね。物が物だけに、城の近くまで飛ばすわけにいかなくてね。」


「理解しております。では、用意をして、伺います。」


「こちらも用意しておく。」


そう言ってフレイは踵を返し、屋敷へと帰る。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「フレイ。あと、半国程度で、王都内に、その後数分で屋敷上空につきます。」


執務室に戻ってきたフレイにエレインが答える。


「了解だ。屋敷の裏に接舷予定だから、木や植物がぶつからないように、

 監視と移動をお願い。」


「了解です。」


そう、指示を出し、席に座り、呼び鈴を鳴らす。

すると、しばらくして、メイドが一人やってきた。


「お呼びでしょうか?」


「ああ、六花と紅葉がもう少ししたら、到着する。

 それに合わせて、国から使者も来るから、

 掃除と双方の迎え入れの用意をお願い。」


「承りました。」


そう言って、お辞儀をすると、さっと外にでて、静かにドアを閉める。

すると、ぱたぱたと駆け足で廊下を走る音が聞こえた。


「詰めが甘いな。まあ、いい。身内しかおらんしな。」


そう独り言をついて、深く呼吸をしながら背もたれに寄りかかり、

めんどくさい展開を考えて、憂鬱になった。

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