旅の終わり
「で、こうなったか。」
信幸はいつの間にか戦場に向かっていた流治を見ながら
ため息を着いていった。
「六花。問題はないんだな。」
「問題がないか。あるかでいえば。
ある。」
「どんなだ。」
「この子が任期につくまで、細かいのが湧く。
あと、もしかすると秋姉か流が
この世界のシステムに組み込まれる恐れがある。」
「あっ。それは問題ない。」
六花が紅葉か流治がシステムに組み込まれる恐れがあるというと
流治が横から問題がないという。
「なぜだ。お前が手を出して、
しかも安定している武神は紅葉しかいないんだぞ。」
信幸は六花の言い分を細く説明するような形で意見をいう。
「確に通常ならそこが問題になるが。
今回は『破壊』の概念とそのコアの部分以外をうまく『無』で削ったからな。
六花の力でほぼ戻ってるはずだ。」
「完全に切ったわけじゃないのか?」
「そう。システムからの指示に従って切った。
だから、問題ナッスィ~ン。」
「だとすると、成長後が問題ね。再度力に溺れるようなことがあったら、
面倒だもの。」
そう六花がいう。
すると、エンデが空間に手を突っ込みごそごそとしだす。
「なにやってるのエンデ。」
「う~ん。確かこの中にその懸念を解決するものがー。っとあった。」
そう言って、エンデが取り出したのは、某お猿の神様がつけている輪っかだった。
「ネタアイテムね。それ。」
「そう。ネタアイテム。しかし、ジョークアイテムというなかれ、
しっかりと、罰ゲームのような効果があるぞ。」
そういって、赤ん坊の頭に輪っかをかぶせる。
「発動キーは。」
「力への渇望と負の感情。今回、問題となった点だな。」
「そう。じゃあ、問題は解決ね。」
そういって、信幸に向き直る。
「細かいのは国に帰ってから考えよう。
うちの兵を動かしてもいいし。
そうだな、小説でいう冒険者ギルドみたいなものを提案し、
運営してもいいな。
そこはすぐでなくても、ある程度考えればいい。
大人になるのにどれくらいだ。」
「1年?ぐらいかな。」
「そうか。微妙だな。帰りながら考えるよ。」
そう言って、飛行船に乗り込もうとすると、
壊れた社のあたりから大きな足音が聞こえ、
そちらを見ると一つ目の影のような鬼が社の残骸を踏みつぶしながら、
こちらに歩いてくるのが見えた。
「ああいうのが湧くわけか。」
「あの程度なら、この子達で倒せるわよ。」
「ですね。さっきはいいとこなかったので、頑張らせていただきます。」
そう名取が宣言すると、大野が土龍の力を身にまとって、
相手の足元に分厚い土壁を作る。
すると、突然現れた、障害物に躓き、倒れる。
それを日野と神戸、富士が一足飛びに相手の目とアキレス健に向かって突撃し、
目を潰し、健を断ち切る。
そして、立ち上がらなくなったところに神戸と宮城が雷で麻痺を入れる。
そして、名取が首の真横まで走り込み、剣を掲げ、
光の大剣にして、首を断ち切る。
だが、黒い粘性の物体が目や首、健を覆い、修復をしようとする。
「大月!すまん!」
「了解です!先輩!」
言われた大月は火龍を身にまとい、頭を燃やす。
その間に、残りの生徒で四肢を切り、体を半分に切る。
それを、切ったそばから、大月が燃やし、再生する前に、燃やしきる。
「お見事!戻ったらお休みよ!」
「「あざっす!」」
生徒たちは駆け足で戻って来て礼をして、嬉しそうに飛行船に乗った。
紅葉達もそれを見て、笑いながら、飛行船に乗り込んだ。




