そのころの彼らは
「さて、ざっと昨日の時点で世界線の位置は特定できたわけなんだけど・・・。」
「相変わらずそのあたりはチートね。なら、私のカギで助けに行けるじゃない。」
「そうもいかないっぽいんだよね。時間が少しだけ向こうの方が加速している。」
「あら~。どうすんのよ。」
「六花。起き掛けで悪いが、こっちと向こうの時間の流れを等速にできるか。」
「う~ん。世界ごとで時間の流れは違うんだけど、その原因は~。
あっ、ナーガラインの速度の違いだ!
とするなら、無理やり、勾配を緩くするか。
もしくは流れを緩やかにするために直接流れに干渉するか。」
「それは一時的か?永久か?」
「永久の方が良くない。秋姉だし。」
「ああ。秋姉だしな。ならそのアイテムができしだい、
迎えに行けるようにするか。どれくらい?」
「2日。」
「なら俺は、会社に行きつつ。詳細な位置の把握に努めるか。」
「そだね。日常は大切だし。」
「そうだよ。日常は大切なのだよ。はあ~。分岐が少ないといいな~。」
「分岐があるといちいち戻っては探してをしないといけないしね。」
「そうなんだよ。だから、できるだけ、早くよろしく。
等速なら、追いやすいし。」
「了解。了解。任せなさい。フレイとエンデ借りるよ。」
「船にいるから、ご自由に。だが、フレイはともかく、
エンデは、今、例の計画で手いっぱいかも。」
「そしたら、連絡するわ。でも設計図は引き終わっているんでしょ?」
「まあ、一週間前に六花から借りた、創造<想像>で外観はできているから、
内部のリンク系の術式の構築ぐらいだから、本人は暇しているかも。」
「なら、大丈夫じゃない。あとは任せなさい。」
「<怠惰>持ちが張り切っている。不安しかない。」
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翌日
「流ごめん。私じゃ無理~。」
「はぁ~。」
「理論的にはできると思ったんだけど・・・。
他世界の根幹にかかわるものをいじるのは無理みたい。
最終手段は・・・。」
「六花がフレイとともに世界を渡って、時間の流れを緩やかにしつつ、
俺がつなぐことか。」
「う~ん。そうね。空間を引き延ばすにしても、
ナーガラインを引き延ばすにしても、
私が行くしかないか。」
「がんば。」
「じゃあ行くけど。タイミングは?」
「エンデが監督する。」
「う~。不安だけど仕方がない。」




