表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
109/160

最終決戦

<小僧ども来たか。>


緑と水色の女性が社の屋根から見下ろしながらいう。


「生まれたての精霊に小僧呼ばわりされるほど、若くはないがね。」


信幸が真っすぐ睨み返していう。


<ほざけ。大気と水を操る我に何ぴたりとかてるものか!>


そういって、いくつものつむじ風と氷の礫をまき散らす。


(水がもとになっているからか、致死性の高い攻撃が少ない。)


流治が離れた場所から分析をして、信幸に伝える。


(攻めるなら、自分の力を理解できていない点か?)


(そうだね。秋姉の力はまだ有効かな。)


そんな会話の表で、苛烈な攻撃が繰り出されるが、

紅葉の炎と大野のガードでことごとく防いでいた。


(何なら、六花や流治も手伝っていいのよ。)


(何度もいうけど、これは私たちの案件ではないから。)


(ちぇ。)


そんな会話のさなか、名取と宮城が背後に回り、

痛烈な一撃を与える。


<ちぃ。忌々しい。>


そういって、精霊が手を振るうと、強烈な水が二人を突き飛ばす。

二人は剣で勢いを殺したが、それでも社の障子と襖を何枚か割り、

陰湿な部屋でやっと止まった。


「何だこの部屋。」


「見て。濁った宝玉がこんなに。それにこの魔法陣」


「もしかして、こいつが。」


その時、天井が大きくくずれ、精霊が姿を現した。


<我が聖域に誤って紛れてしまったか。ここから去ね。>


そういうと、二人の背後から氷のつぶての嵐を怒涛の勢いで打ち出す。

名取は光で、宮城は土で盾を作り出すが、勢いに押され、野外へと弾き出される。


「秋ちゃん。奥にこれが。」


精霊に見つかる寸前。二人は一つづつ宝玉を隠していた。

それを紅葉に見せると一緒にのぞき込んだ信幸は何も言わず、

杖を地面に突き刺す。


「大樹!」


そう叫ぶと、社を構成していた木材が木へと戻り、そして、一つの大きな木へと変わる。


<ちぃ!やってくれたな!しかし、これだけあれば!>


その変化から逃れた精霊が二つの宝玉をもって、現れる。


<今まで、耐えられないと思い。躊躇していたが、致し方なし。>


そして、それを体へと押し込んだ。


<ぐっ。なんだ。この程度か。ああそうか。風を取り込んだからか。

 ああそれに。なるほど。でも、それでも彼に会えない。

 私が会いたいのは今の彼だから。>


最後のほうは聞き取れなかったが、紅葉と信幸は体を強張らせる。

すると、生徒たちは影に落ちるように消えた。


(流?)


(そうだ。こいつはまずいぞ。さっきまでとはダンチだ。)


「流治さん?」


「お前らを守りながらでは厳しくなった。今からの戦いは神同士の戦いだ。」


そういう、流治の顔は今まで以上に険を帯びていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


精霊は周囲の水分と大気を吸収し、

その質量を増大させより大きくなろうとしてた。

それを見た、信幸は雷で紅葉は炎と土で、吸収を抑えようとするが、

力負けをしてしまい、うまくいかない。


<ふふふ。今まで以上に風をうまく操れる。そうこんなふうに、な。>


そういうと、一瞬で二人の背後へと移動する。


「はっ。やっとそのレベル?」


そう、煽りながら紅葉は飛燕<飛炎>を繰り出す。


<なっ。今のは人では捉えられるはずは。>


精霊は驚きながら、後ずさる。


「まぁ。こっからが本戦ってことよ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ