表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
108/160

最終決戦への道中

「む~。うざい。」


片手間に、飛んでくる飛行型の魑魅魍魎を屠りながら紅葉がいう。


「エンデ。入ってこれないようにできないの。」


「水分が結界に張り付いて前が見えなくなるからだめだ。」


「なら、流。」


「雨を入らないようにするのが精一杯です。

 これでも船の周りは結構な強風が吹いているんだぞ。」


「ふーん。飛炎。」


「ちょっ!秋ちゃん!」


炎を飛ばした紅葉の隣で敵を切っていた日野が驚いて、声を上げる。

飛んだ炎は見えない何かに流されるように掻き消えた。


「秋姉!何してんだ!」


「本当に風が吹いているか試しただけ。本当に風の結界があるのね。」


流治がどなるが、悪びれるようすもなく、そう答える。


「やるなら土にしてくれ!」


「ごめんね。流。私、土の攻撃系忘れちゃったの。」


「おい。」


「秋ちゃん・・・。」


けらけらと笑って答える紅葉に、流治はジト目でにらみ、

日野はあきれ顔でため息をついた。


「紅葉。頼むから、余計なことはするな。」


信幸が雷で結界の外にいる者を散らしつつ、

結界にも帯電させ、侵入しようとするものを阻害し撃ち落としていく。


「余計なことって。」


「そら、お前。風の結界に引火させるとかだよ。」


「あー。なるほど。」


「信兄!」


六花が余計なことを言った信幸をとがめる。

紅葉はその手があったかと、炎をつけようと剣先を向ける。


「はい。そこまで。」


フレイがそう言いながら、紅葉の肩をたたく。


「だめだよ。それは。動けなくなっちゃうし、危ない。」


「ちょっと。どうして。」


「私は時だよ。剣の周辺だけ流れを止めることくらいなら、

 理には違反しない。はい。下す。」


「くっ。相変わらず、流の分け御霊はチートね。」


「私たちからすると。あなたがたの方がチートですけどね。

 はい。頑張って下さい。」


そう言いながら、エンデは手をパンッと叩いてから、

見ているからなとハンドサインをして、

デッキの出入り口へと下がる。


それを苦々しく見ながら、ノールックで後ろから襲ってきた敵を突き刺す。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「やっと、やっと、山肌が下に見えてきた。」


富士が、そう言いながら、デッキのふちの手すりに寄りかかる。


「富士。安堵しているところ悪いが、

 このまま諸悪の根源の根城付近まで向かう。

 しばらく、戦闘が続くから、シャキッとしてくれ。」


信幸が疲労困憊の体の生徒たちを見回しながらいう。


「六花はサポートを。もう、水はいいだろう。」


「了解。まずは疲労をいやすは。」


そう言うと、ミストが生徒たちを包む。


「さ、第二ラウンドだ。頑張るぞ。」


言われた生徒たちは剣を杖にして、立ち上がり、さらに増えるであろう、

敵に備えて気合を入れる。


紅葉と信幸はラストに待つ精霊に対して、どう接敵するかを頭の中でめぐらせた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ