狂った風水の精霊
『愚かな。商業神と獣神を助けたか。
奴らは不要な存在。私こそが世界を運行を司る。』
そう言って、迷いの森を眼下に見据え。
風の精霊と同化した水の精霊は、
スコールを起こすべく、水と風の力を使い、
雲を集め始めた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おいおい。こいつは。」
淀んだ力を感じ、急いで飛行船のデッキへと出る。
そして、上空に嫌な気配を感じ、見上げる。
「ちぃ。」
そして、みるみる内に、空中に現れた雨雲に信幸は嫌な予感を感じ、
銃を世界樹を取り囲むように乱射する。
すると、そこからにょきっと蓮の葉のような目が出たかと思うと、
休息に大きくなり、森と世界樹を包み込むように、葉を茂らす。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『無駄なことを。』
そういって、集めた雨雲を使って、大量の雨を降らす。
だが、それらはすべて、葉に受け止められ、茎を通って、地面へと流れていく。
地面へと流れる間に、幾重もの節に設置された浄化の魔法陣で浄化され、
きれいな水となって、大地へとしみていく。
そのため、思った影響がでなかったことに風水の精霊はいら立ちを覚える。
『くっ!生意気な!』
そう吐き捨てた精霊を雷の槍が突き抜ける。
『ぬぅ!なんだ誰が!』
投擲をした人物を探し見据えると、何かの建造物の上に立つ男が目に入った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ちっ!かすっただけか。」
そういうと信幸は二投目を放つ準備をする。
『させぬ!』
そういうと、精霊は嵐の槍を信幸に投擲する。
「無駄だ。」
『ぐはっ!な、に?』
エンデが空間をつなげ直し、反射をする。
『厄介な。空間使いか。なら。』
「こいつは厄介。」
「手を煩わせないで。」
細かい氷を勢いよく降らせるが、
紅葉が蓮の葉の上に溶岩の傘を構築する。
「むぅ。無理。」
「秋ちゃんてば。」
生徒たちが手伝って、どうにか防ぎきる。
そんな攻防を続けていると、不意に精霊がブレる。
『まだ、なじまぬか。まあいい。あそこにこもれば、
どうとでもできる。』
そういうと、ふいに消える。
消えてしばらくすると雨雲も消え、紅葉たちは息をついて、倒れる。
「厄介ね。」
「ああ、厄介だ。」
生徒たちは何が厄介になったのかわからぬまま。二人を支えながら、
ラウンジへと戻った。
「風を飲み込んだっか。これは本格的に介入しないと
世界が滅びるかもしれんな。」
(あれが、気づかなければ良し。気づいた時は・・・。
六花と流治の力をフルに使わねばならない、か。
それだけは避けたいな。下手を打つと、管理者の書き換えが起きる可能性も。
はー。めんどい。)
空を見上げていたエンデはため息を一つついて、ラウンジへと向かった。




