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女教師調査する。

紅葉は転移してから、1週間は王国の騎士団の教育と

生徒たちのメンタルケアに従事していた。

そんな紅葉であるが、自分たちが召喚された理由が

公爵の暴走であったものの、いくら親兄妹から、脳筋と言われても

女神との約束したリソースの回収を忘れたわけではなかった。

大地とその下をめぐるマグマは紅葉の領分であり、

異常があればどのような世界であっても感知することは可能であった。

しかし、現状、この世界の大地やその他において異変は感じられないため、

後回しにしていたが、一時帰還までには原因を探りたいと考えていた。

そこで、獲物を狩るといって、王都の外へと向かい、

自力で女神セレスのいる空間・神界への通路を切り開く。


「は~い。セレス。」


「あ!お姉さま!」


なぜにお姉さまと思ったが、呼びなれている紅葉としては、

それを顔に出さずにスルーをする。


「リソースの件だけど、大地や龍脈には異常が見られないわ。」


「そう、ですか。」


「そんな顔をしないで。一つ気になったことがあるの、

 四精教ってしっている?」


「すみません。管理に手いっぱいで、地上のことはわからないのです。」


「どうも、精霊信仰みたいなのだけど。おかしいのよね。」


「おかしいとは?」


「主神のセレスがいるのに、

 なぜ精霊信仰が主神の宗教より

 大きくなりつつあるのか。

 自然信仰なら、龍や人型の神の信仰になるはずなのに。

 調査を続けるけど、その前に、

 この世界で上位の存在になるためにはどうするの?」


「地上で知る人はいませんが、他者の魂、

 いわゆるリソースを食べることです。

 もしくは、修練による魂の研鑽。

 ですが、これはどの世界でも共通のはずですよね?」


「最近というか、成功した世界の管理者なら、

 前者は悪手だと知っているのよ。

 それをした生物を、食べられた存在事

 強制的にリソースを回収するか、

 力に還元されないようにシステムに組み込むべきらしいのよ。」


「随分お詳しいですね。」


「一応成功した世界って言われているからね。

 とすると、やはり、何等かの理由で世界を形作るために生まれた精霊が

 リソースを食べて暴走していると考えるべきかしらね。」


「そんな。それは、倒すことはおろか、リソースの回収は。」


「難しいかもしれない。力の大きさにもよるけど。下手したら長期戦かしら。

 ちなみに召喚はリソースの減衰が始まってから、何回実施されたの?」


「えーと。」


そういってセレスを指を折って数える。


「リソースの減衰が始まってからは、5回ぐらいかと。」


「6回は異世界のリソースが食べられていると考えるべきかしら。」


「いいえ。お姉さまの分をカウントしたので、5回でよろしいかと。」


「そう。それでも厄介ね。とりあえず。戻って、調査をするわ。

 何かあったら、また来るわ。」


「はい!」


そういって、セレスがいる空間から戻った紅葉は、

今度は大地に存在する気配のなかで、大きなものを探り始めた。

龍種と思われた気配を再度確かめるためである。


「は~。厄介な。」


そういってため息をついた紅葉は龍種とはことなる2つの気配を感じつつ。

別の一つの強力な力が空を飛んで向かってくるのを、その熱量から感じ、

そちらへと目を向けた。


それは、火をまとい空中を泳ぐように飛んできた、

大きなトカゲのような、存在だった。


「フハハハハ。強いリソースの気配を感じたからやってきてみたら、

 このような小娘とは笑わせてくれる。

 どうやら、あの小物も存外良い働きをしたようだな。」


「四精教なる、宗教をつかって、あの小物に召喚をさせたのはあなたなの?」


「ほーう。召喚された小娘にしては良い勘をしている。

 そうだな。どうせ、死ぬるのだから、答えてやろう。

 そうさ、我が一番弱いのでな。小物をたぶらかして、

 強いリソースの持ち主を召喚させたのよ。

 思いの他、良い獲物が召喚されて、我としては、望外の喜び。

 さぁ。食われろ。」


「そう。ありがとう。でも、あなた一人では役不足ね。」


そういって、紅葉は眼前に迫った、火蜥蜴の口から、尻尾までを

大きな土壁で囲み。そして、密閉をした。

そして、徐々に空中へと浮かべ、大きさを小さくしていく。

小石ほどの大きさになったそれがーコロンーと音を立てる。


「火の属性だけで、私に勝てるわけないでしょ。

 といっても、この程度では、死なないよね。

 少しはリソースが回収できたかな。」


そんな独り言に答えるように、

遥か彼方の火山の中から、先ほどの火蜥蜴がマグマの中から苦悶の顔を浮かべていた。


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