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ハートマーク

 ある水曜日の夜十時過ぎ。カウンターには三人の男女が。


 三十代半ばと思われるその男女は、チーズをツマミに、この店一押しのスペインのラマンチャの赤ワインでグラスを傾けていた。


 まん中に座る男性が、唐突に両脇の女性二人に意見を求めた。


「LINEとかで、ハートマーク送るのどう思う?」


 右隣の切れ長の目が印象的な女性が答えた。


「え、挨拶代わりに良く送るよ」


 続くように左隣のショートカットの理知的な印象の女性も答える。


「勘違いされそうだから、好きな人にしか送らないかな」


 それを聞いて男性は戸惑いながら語り始めた。


「俺もさ、自分が気にならない女からだったら何とも思わないけど、いいなって思ってる女からだと勘違いしちゃうんだよね。結局さ、いい歳になっても男は舞い上がんだよね」


 男性は話しながら、さりげなく右隣の女性を見ていたことに佐藤は気がついた。


「そういうことね」


 漏れることのない呟きが、佐藤の胸に浮かんで消えていった。

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