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007、モンスター退治は定期的に小まめにやりましょう




「タケオさん!」



 ライカが叫ぶと同時に、半透明の壁みたいなものが目の前に。


 壁は俺をスライムを間をへだて、うっすら光る。



「うむ。大丈夫なようですな」



 ライカは俺に肩を貸しつつ、安堵の声を出した。



「ゲロ吐きそう……」



 俺がつぶやいている間、壁の向こうではスライムが攻撃を繰り返していた。


 あっさりやられたことが、俺は無性に恥ずかしく感じる。



 いかに村人Aみたいなものとはいえ、スライムに一方的にやられるとは。


 俺は奇妙な闘争心を感じて、落ちた金属バットを拾い上げる。



 なめられてたまるか。



 何故かそんなことを考えながら、まだ痛む腹を押さえてバットを握り直した。



「おっ。再戦ですな。では、障壁を解除しますか」



 ライカが嬉しそうに言うと、透明の壁が消え始める。



 俺は今度は油断なく構え、スライムの隙をうかがった。



 スライムはなおも攻撃してくるが、そう敏捷ではないし、動きも単調。


 十分注意して警戒すれば、回避できる攻撃だった。



 スライムを避けた後、俺は渾身の力でバットの一撃を加える。



 だが、油断はなし。


 2度3度と、バットの打撃をスライムに叩きこんでやった。



 4度目を振り下ろそうとする時、スライムの動きは完全に停止する。


 と、もはやグシャグシャの粘液の中から、うっすら光るものが。



 浮き上がってきたそれは、紫色の水晶みたいなものだった。


 拾ってみると、金色の筋みたいなものが走っている。



「……何だ、これ?」



「それは魔結晶ですな。簡単に言うと魔力の結晶化したものです」



 ライカは説明しながら、俺の顔についた粘液をタオルで拭いてくれた。



「貴重なものなので、取っておくことをお勧めしますぞ?」



「そう? 何か入れ物とか……」



「これにどうぞ」



 ポケットにでもしまおうかなと思っていた俺に、ライカは小さな箱を出してきた。



 これもRPGに出てきそうな、いわゆる宝箱みたいなもの。



「初のモンスター討伐。おめでとうございます」



 ライカは、満面の笑みで祝福してくれた。


 これは、一応喜ぶべきことなのか?



「ああ、どうも……」



 言ってから、俺は改めて疑問に感じた。



「こんなことして、何か意味あるの?」



「ええ、ダンジョンにモンスターは自然にわくもの。しかし、わきっぱなしではいけない」



「いけないって……」



「人間でいえば、歯磨きや風呂に入るようなものです。モンスターが増えすぎるとダンジョン全体が衰退してしまうものです。それに……」



「それに?」



「ほっておくと、モンスターが外にあふれ出しますので」



「おいおいおいおい! それ、大問題だぞ?」




 あっさりととんでもないことを言うライカに、俺はあわてた。



「このダンジョンは初期レベルで成長も微々たるもの。なので、モンスターも弱く、少ない。なのでそうお手間をかけることもないですよ」



「そもそも、何で自分でやらんの?」



「ダンジョンマスターが自分で討伐しても、した分だけすぐにわき出してしまうのです。このために、他者の力を借りる必要があるわけですな」







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