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047、ある種族のぼやき――その2


 こっちの世界は面白いな、と思った。


 人間から搾って喰うと金をくれる。



「すごく気持ちよかったよ。おじさん大満足……」


 と、実に情けない顔で渡してくるのばっかりだ。



 かなり無茶して搾る場合も多いから、ちょっと寿命も減ってるのに。


 自分がひどい目にあって、食い物にされて喜ぶとは――



 これがいわゆる、マゾとか言うやつかな。



 何て思ってると、『けーさつ』という役人に捕まってしまう。


 まあ、わざと捕まったのだが。



 魔法を使えんし、ひ弱な人間の役人だからいつでも逃げられる。


 警官の女は、売春がどうとか、条例がどうとかゴチャゴチャ言っていた。



「そもそも、あなた未成年じゃないの!?」


 よくわからんことをうるさく吠える。



「未成年?」


「あなたもしかして、外国人? 二十歳以下のこと!」


 こっちでも、1年は365日。



「じゃあ、問題ないだろ。あたしは150年生きてるし」


「……ふざけてんの? あんたどう見ても、いいとこハタチそこそこじゃない」


「あー、人間はすぐシワクチャになるんだっけな」


「……」


 やがて、警官はあたしを気味悪そうに見た。



「薬でもやってるの? 腕みせて。……きれいもんね」


「っていうか、その法律って人間に当てはまるんだろ」


「当たり前じゃない……」


「なら、関係ないな。あたしは人間じゃない」


 メンドクサクなったので、あたしは本性を見せてやった。



 角と尻尾と翼。



「え、幻覚……? いえ。これって」


「気安くさわんなよ」


 変な手つきであたしの翼を触る警官にむかついた。


「まさか、噂になってるエルフ?」


「違う。あたしはサキュバスだ」


「え?」


「人間の精気を吸う魔物だよ。あ、女は吸わんから心配いらん」


 そしたら、今度は上役らしい連中が入れ代わり立ち代わり。



 いいかげん、うざったい。



 だから、あたしはさっさとオサラバすることにした。


 霊体になって壁を抜け、空を飛んで逃げる。



 ま、戦ってもただの人間なんぞに負けないが……。


 しかし、金取ると役人が騒ぐのか。



 まあ、別にあっても使わないし、今後は取らないことにするかな。


 ちょっともったいない気もするが。



 それから。あたしは適当な店……コンビニに入った。


 周辺に同族が妙にたくさんいたのだ。



 みんな、湯気の立つ黒や茶色の飲み物を飲んでいる。


 やたらに良い臭いだ。



 男の汗や精並に本能にビンビンきまくる……。



「それ、何飲んでんだ?」


「あんた、知らないの? コーヒーだよ、コーヒー。こっちに来たらコレ飲まなきゃ」


 と、偉そうにほざくので、あたしも買ってみる。



 一口飲んで……世界が変わった。何だ、これ、美味過ぎだろ……!!!







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