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046、ある種族のぼやき――その1



 見ると聞くとじゃ大違い――それが日本って国の感想だった。


 喰いやすい餌がたくさんいるって聞いてたのに……。



 いざ来てみると、ぜんぜん食いつきが悪いんでやんの。


 若い男は女に飢えててちょろい。



 そういう情報だったのに、手近なヤツに声をかけてもみんな逃げちまう。


 言葉は完璧だし、服装もおかしくないはずだ。



 最初に来た場所は田舎だった。


 だからヨソモンを警戒するのかと、次は都会に行った。



 ところが、都会でもみんな逃げる。


 ひょっとして外見が悪いのか?



 でも、あたしの姿はそこらの人間の女よりいいはずだ。


 いかにも女に縁のなさそうなやつを誘って、変な顔して逃げちまう。



 どうなってんだ。



「兄ちゃん、あたしとやらないか?」


 男は許可をもらえれば食いついてくるんじゃなかったのか?



 まったく引っかからないので、しまいには空腹で腹が立ってきた。


 だから、適当な男をどっかに連れ込もうとしたら……。



 必死になって、大あわてで逃げる。


 まさか、この世界じゃ女より男のほうが消極的なのいか?



 いや、街中に売っているDVDとか本。


 エロ本とかはみんな誘いをかけるような女の姿ばかり。



 つまり、男のほうが飢えてるはずなのだ。


 ひょっとしてアプローチの仕方がまずかったのか?



 人間の男なんてこっちに来るまで見たこともなかったからな。


 どうしたもんかと思ってると、



「さっきから馬鹿じゃないの?」


 むかつく声で言われた。



 人間風にしていたが、匂いですぐ同族だとわかった。



「男を誘うには色々テクがいるのよ。ただ、やろうと言ったって警戒されるだけ」


「何でだよ、人間の男はいつもやりたい思ってるんだろ?」


「それとこれとはまた別なのよ。人間のアレコレってのはクソ面倒臭いものが色々とくっつくから。だから、この国の男は色々警戒することが多いの」


「じゃ、どうすればいいんだよ?」


「それは自分で勉強すれば、わざわざライバル増やす気ないしー」


 さんざん言いたいこと言って、同族は逃げていきやがった。



 死ぬほどムカつく。



 けど、ウロウロしてても餌にはありつけそうもない。


 あたしは気合を入れて人間を観察した。



 やがて夜になって、ようやくあたしは餌にありつく。


 丸々と太って搾りがいがありそうなヤツだ。



 そいつは最初、


「いくら?」


 と、聞いてきた。回数のことだろうか?



 腹も減っていたし、3回は絞りたかったので、指を三つたてる。


 で、近くのラブホテルとかいう場所にいった。



 なかなか面白い場所だ。


 見立てどおりはそいつは食いでがあった。



 少々がっつきすぎたので、念のために回復魔法をかけておく。


 死なれたら面倒臭そうだしな



 そしたら、そいつは紙でできた人間の金を渡してきた。


 何か知らんがくれるのなら、もらっておこう。






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