043、魔法使いについて話した後
炭川の件でわかったことだが――
世間ではボチボチレベル10を超える冒険者が増え始めたようだ。
それはイコール正式ジョブになれるということらしいが。
調べてみると、よくパーティー募集の案件がSNSなどでも多い。
さらに調べてみると、どうも女性の魔法職が人気のようだった。
メイジになったので魔法を使ってみた系の動画も多い。
しかし、それらは全て女性だ。
どうも男性の魔法職というモノがいないようである。
だから、いわゆるオタサーの姫ならぬ、
『冒険者パーティーの姫』
というのものも、ちらほら出てきているようだ。
女性ということでチヤホヤされ、さらに魔法職となれば当然か。
「何で男の魔法職はいないのかね?」
「人間の場合、女にしか初代になれると聞きます」
「どゆこと?」
「基本魔法使いは父母いずれかが魔法使いであれば資質を受け継ぐのですが、資質のない者がゼロから魔法使いとなることは、女にかできないそうです。基本」
「てことは、例外も?」
「ええ、その一つはダークエルフの力を得ること。もう一つは異世界より召喚され、冒険者となることだそうですよ。ただし、ダークエルフの場合、向こうも相応の力を消費するために、あまり協力してくれるケースはないようです」
「……つまり、こっちの場合だと」
「まあ、こちらの冒険者の場合、女しか魔法職になれないようですね」
「なるほど。それでこの現状っつうわけか」
「ただまあ、なってもそう大したことはできないでしょうけど。初代ではね」
「何か初代とか二代目とか関係あるの?」
「魔法使いは、基本世代を重ねるごとに資質は向上します」
「へー」
「それも個体差はありますが。それでも基本そういうものです。もっとも、経験や学習による力の産の歴然とあるそうですがね」
なるほどなあ。
力任せの若者より、経験のあるロートルのほうが勝つってパターンやな。
「でも、魔法なんて大したものが使えるとなれば、はっちゃけるヤツも出そうだな?」
「そうは言っても、初期魔法でできることは、ほとんど科学でできると思いますが」
「でも、マジックボール何て科学力だけで再現できるの?」
「普通にメイスで殴ったほうが早いとおっしゃったじゃないですか」
「ああー……」
まあ、つまりはそういうことらしい。
そんなら、そう俺が心配することもないのかなあ、と思った。
が――
「おいおいおい」
しばらくして、俺はテレビの前でつぶやくこととなったのである。
ある冒険者……メイジの女が殺人未遂で逮捕された。
どうも恋愛のもつれ話か何かであるらしい。
その女は憎い男に、ファイヤーボールを喰らわしたのだ。
威力そのものは、さほどでもなかったようだが、要は火をつけられたのである。
たちまち騒ぎとなり、消防車やらパトカーが駆けつける混乱。
目撃者というか、防犯カメラに犯行が映っていたので、女は逮捕。
これがために、冒険者や魔法使いのことが問題と相成った。
元から、問題そのものはあったのだろう。
警察が取り締まるべきではないか、という意見も飛び交っている……。




