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042、魔力と脂肪




 それから。



 炭川はダンジョンで初期魔法を撃ちまくっていた。


 魔法のエネルギーを固めて発射する魔法。



 マジック・ボールというらしいが……。


 それは一撃ではスライムを倒せずに、何発も連射してようやく撃破できる。



 場合によっては10発以上かかった。


 こんなもの使えるんかいな、と俺は思ったが、




「そもそも、鎮圧とか牽制に使うものですねえ」


 と、ライカは語る。



 もっとレベルが上がればより強力になるようだが、今のところは、



「メイスで殴ったほうが早いなあ」


 と、俺は言ってしまう。



「でも、距離は重要ですぞ? うまくすれば熊も追い払えます」


 ライカはそう言って、利点を色々語ってくれた。



「なるほど。俺も使いたいもんだなあ」


 と思ったが、現状の俺では、



「基礎的な魔力が足りていませんねえ」


 まあ、そういうことらしい。



 で。魔法を使いまくった炭川はやがてグロッキーになるが……。



「……おい、大丈夫か!?」


 俺が思わず叫ぶほど、彼女はやつれて見えた。



 頬がこけ、明らかに体重が減っている感じ。


 これは、やばいのでは…………?



「ああ、これは……。人間が初期になりやすいものですね。確かに……」


 ライカは何かを思い出すようにうなずき、ダンジョンを出ていく。



 それから、ラムネ菓子とスポーツドリンクを持って帰ってきた。



「飲んで、食べろ」


 ライカに促され、炭川はラムネをかじりながら、スポーツドリンクを飲む。



 そこへ、ライカは魔法をかけてやるのだった。



「これ、魔力の使いすぎ?」


「簡単に言えば」


 と、ライカはうなずいた。



「種族差や個体差はありますが。人間の場合、魔力は体内の脂肪分を燃焼して発生するとか。なまじ他の燃焼と性質が違うために、許容量を超えてガリガリ減るのです」


 それだけなら、言いことのようにも思えるが……。



「燃焼が速いということはそれだけ練度が低いということ。なので初心者は、あっという間にガリガリにやせ衰える危険性があります」


「うーむ!」


「まあ、この国の場合はそのほうが良さそうな感じもしますが」


「確かにメタボとか色々言われる世の中だがなあ」


 痩せるのは大変だが、太るのは楽であっという間である。



 そもそも、炭川は普段から節制してるのか、割と痩せてるほうだったのだ。



「こいつの場合脂肪分がどんどん減るのはまずいか」


「作った魔力を貯めておく力も弱いですしねえ」


「以後気をつけて、注意しますです……」


 ラムネをかじりつつ、炭川はこけた頬でうなずくのだった。



 そんなこんなで。結局炭川は自宅までは運ぶこととなる。



 だが、それからしばらくして――



 ネットで『魔法ダイエット』なる言葉が流行するようになった。


 どうやら魔力と脂肪に関する情報があちこちに流れているようである。



 体重を気にする女性たちが、冒険者を志すようになってしまったようだ……。







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