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031、いきなりの関西旅行



 その日、俺たちは関西のとある駅で降りた。



「西へ旅行しましょう」


 という、いきなりのライカの提案。



 それが何故かKに案内をさせて……となった。



 Kが実家に帰るのに、同行しての関西旅行。


 ライカは新幹線でゆったりとしていたが、俺はKの心情を慮り――



(何だかなあ……)


 で、であった。



 何故ライカは旅行したいなどと言い出したものか。


 よくわからんが、何か意図があるような感じなので。



(まあ、いいか……)


 と、俺は流されるように了承してしまったのである。



 慣れない駅を降りた後、バスに乗りかえながらKの実家へ。


 もちろん、泊まるつもりはなく別にホテルを予約している。


 その手続きもライカが全部やっていた。




「ここです」


 と、Kに案内された家は、まあよくある普通の家だった。



「いつもKくんにはお世話になってまして――」


 平日だが、家にはKの両親がそろっていた。



 俺の渡す土産を受け取る父親の顔には、濃い疲労が見える。


 そして、母親は不思議そうな顔でライカを見ていた。



「もしかしてダンジョン関係のかたですか?」


 こちらでもダンジョンは発生し、冒険者は増えているようだ。



 だが、そんな世事はこの家では後回しらしい。


 仕方のないことなのだろう。



 ライカはK両親の質問を適当に流していた。


 K両親のほうは、土産のせいではなかろうが無難な対応。


 というか、あんまり余裕がないと思われる。



 そのうちに、



「失礼。少しご不浄をお借りします」


 ライカは席を立った。



 すぐに戻ってきたが、やがてK家は大きな騒ぎとなってしまう。 



 その理由は――



「あれ? Kちゃん、帰ってきたン?」


 ひょっこりと客間に顔を見せたおばあちゃんのせいであった。



「あれまあ、外人さんがおるやん」


 と、ライカに珍しそうな顔のおばあちゃん。



 だが、Kも両親も唖然とした顔でおばあちゃんを凝視する。


「おかん……!」


「お、おばあちゃん、うちらがわかるン!?」


 K両親はあわてふためいて、おばあちゃんに話しかけていく。



「いや、そらわかるよ。あんたらどしたン? アホみたいな顔してるで?」


 おばあちゃんは狐につままれたような顔で、あたふたしている。



 その後、K両親はタクシーを呼んでおばあちゃんを病院へ連れていった。



「あんたは留守番しとき!」


 と、置いて行かれたKはただボーっとするばかり。



「では、わたしたちはお暇しましょうか」


 ライカは一人訳知り顔で微笑むと、俺の腕を取った。



 そして、俺たちはK家を後にしたわけだが。


「なあ、ひょっとして君が何かした?」



「さあ、どうでしょうね? ただ、認知症とやらにも回復魔法は効くようですね」








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