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025、ダンジョンから金髪エルフ

体調が悪化して、書き溜め以外の更新ができませんでしたが少し持ち直したようです。




<おやおやー? ダンジョンから誰か出てくるねー?>


 ダークエルフの『実況中継』の最中さなか、アップになる銀座ダンジョン。



 確かに入り口から、人影がふらりと現れる。



「人型のモンスターか?」


「いえ。これはおそらく……」


 思わずつぶやいた俺に、隣のライカは何かに気づいた様子だった。



 その人物は茶色のローブを着て、フードを目深にかぶり、顔は見えない。


 手には飾り毛のない杖のようなものを持っていた。



 茶ローブはしばし周辺を蠢くショゴスを見ていたようだが、不意に杖を振るう。


 瞬間、何か光を伴った衝撃波のようなものが広がった。



 その直後、一瞬で周辺のショゴスがはじけ飛ぶ。


 残るのは黒い蒸気をあげて、どす黒い水たまりのようなものばかり。



「魔法使いですね」


 映像を見て、即座にライカが言った。



「どっから来たわけ?」


「それはダンジョンでしょう。見たまんまで。ダンジョンには時どき他のダンジョンや世界をつなぐゲートができるのです」



 どうなることか、と映像を見ていると――



 ショゴスを魔法で吹っ飛ばしたフードは、倒れている警官に近づいていった。


 おびえている警官の前で、フードをとる。



「あ」


 俺は思わず声を出す。



 金髪碧眼。それに長い耳をした、絶世の美女。いや、美少女か?



「やはり、同族でしたか」


 納得したような顔のライカ。



<面白くなってきたねー? ダンジョンはエルフ族もわくのかなー?>


 挑発するようなダークエルフの実況と共に、事態は進んでいく。



「少しものを訪ねたいのだが――」


 金髪のエルフはきれいな日本語で警官に話しかける。



「え!? あ、う、おおお……」


 警官は自体が良くわかっていないのか、意味不明なことを口走るばかり。



 だが、次第に立ち直る警官も出てきて、金髪エルフに対応し始めた。


 とはいえ、警察官のどうこうできる状況でもない。



 対応はお粗末の一言。


 何をとち狂ったのか、エルフに手錠をはめようとさえした。



「無礼者!」


 が、それはエルフの一喝で打ち砕かれ、たちまち腰砕けに。



 ネットで配信されているものだから、えらい勢いで炎上してしまう。



 気の毒と言えば、気の毒だ。



 すったもんだのうちに、エルフは最寄りの警察署に案内される。


 一応お客として扱われる間、政府関係の人間がやってきたようだ。



 その様子も逐一流されている。


 人目があると知っているのか、関係者はやりにくそうだった。



「ないとしたら、かえってあのエルフを怒らせたかもしれませんねえ」


 ライカはのんびりと言う。


「残念というべきか、言わぬべきか。この世界の人間にエルフの魔法に対抗する術はない」


 ということだそうだ。



「あなたは、どなたですか?」


「わたくしはセキハク。旅のエルフ族だ」


 金髪のエルフはそう名乗り、かくして会談? は始まる。




 ネットでは日本はもちろん、他の国でも注目しているようだった。







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