001、褐色エルフがやってきた!
やりたかったことをとりあえずしてみました。
ふと、振り向くと――
俺の後ろに褐色の女の子が立っていた。
「え?」
幻覚か? 最初はそう思ったのだが、違うようだ。
褐色のきれいな肌に、うっすらピンクの銀髪。すらりとしたナイスバディ。
さらに、彼女の耳は横長の、いわゆるところのエルフ耳で。
「我が主よ。今よりあなたに跪き、仕えよう」
褐色エルフは赤い瞳で、まっすぐに俺を見てそう言った。
よく見るまでもなく、とんでもない美形。
「え? いやいやいや」
幻覚? 夢? 妄想? 思わず頬をつねる。痛い。
「あんた、誰?」
「わたしは、スメール山はエルフヘイムの女王、ラドニの娘」
「はあ」
「王位継承の資格を得る修業のため、はるばる世界を越してまかり越した次第」
「はあ」
俺は、とにかく『はあ』としか言えなかった。情けない。
「とにかく、あんたはエルフなわけね?」
「ああ、見ての通り。我が主よ」
言って、褐色エルフは膝をついて頭を垂れた。
「あの、何で?」
「何で、とは?」
「いや、その、俺、あんたのこと知らないんだけど」
「わたしも知らない。というか、初対面だな」
「いやいや、でも、主とかどうかと」
「うむ。いかにも。あなたは我が主だ」
「そんなことされる、覚えがないんだけど……?」
「エルフの占術にて、決まったことゆえ一口には言えない。だが、そうだな……。縁があったと思ってくれれば良い」
「縁って……。俺、ただの人間で勇者でも何でもないんだけど?」
「そんなことは関係ない。縁を結んだ主に仕える。つまり、あなたに」
「いや、俺給料払えないっすけど?」
「給金? 我が身がいわば奴隷の身。そのようなもの、求めるはずもなし」
褐色エルフはそう言って、おかしそうに笑った。
もう2、3度頬をつねるが、やはり痛い。
夢ではない。とすれば、たちの悪いビックリだろうか?
だとすれば、よくできたメイクだ。
こんな美女の外人が、よく引き受けたな。
「て、いうか。何で奴隷なの?」
「王位を継ぐ者は、一度全てのものを捨てて奴隷の身とならねばならない」
「つまり、その、試練?」
「そのように受け取ってもかまわない」
「ふーん」
俺はちょっと面白くなり、もう一度褐色エルフを見直した。
そういえば、ナイスバディながら着ているものは粗末なもの。
確かに奴隷っぽい服ではあるけど。
「じゃ、あんたは俺の奴隷なわけね?」
「うむ」
「じゃ、セックスしたいから脱いでよ」
俺はちょっと意地悪したくなり、そんな無理を言った。
そろそろ撮影スタッフが出てくるかな?




