表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/49

018、リッチは魔結晶を欲しがる




「金貨!? いや、まさか……」


 俺は叫ぶが、すぐに思い直す。


 いくら何でも本物じゃないだろう。さもなくば、違う金属かもしれない。


「そう、純度は高い……」


 しかしストロアは言って、手の平の金貨を突き出してくる。


「ふむ……」


 ライカは慎重な仕草で金貨を一枚とり、ジッと見つめ、


「本物のようですね。価値はかなりものかと」


 と、断言してくれた。



「ええ……。それって、良いのかな……」


「どうかな……? 譲ってくれると嬉しい……」


 僕を見ながら、ストロアは微かなうなずくように言った。


「うーーん……。しかし、ダンジョンって今あちこちにあるのよな?」


「その通り」


 肯定するストロア。


「じゃあ、自分でモンスター倒して結晶取ればいいのでは……?」


「ボクは人間じゃないし、召喚されたことないので、冒険者になれない……」


「……そうなの?」


「ええ、いかにも」


 俺が尋ねると、ライカは肯定した。


「じゃあ、まあ売ってあげてもよい、かなあ。ちょっと頼むわ」


「わかりました。タケオさんがそう言うのなら――」


 ライカはうなずくと、ダンジョンのドアを出現させ、中に手を突っ込んだ。


 少ししてから、革袋を取り出してきてストロアに示す。


「これでいかがか?」


「……うん」


 ストロアはそれを受け取り、じっくりと中身を確認して満足そうにうなずく。


「けっこうです。ありがとう……」


「参考までに聞くけど、その結晶って何に使うの?」


「魔法の触媒とか、マジックアイテムの製造に欠かせない……」


「ふーん。しかし、こっちというか日本というか、地球というか。とにかくこの世界じゃ手に入りにくいんでは?」


「元の世界では、競争が激しくなって……。こっちのほうがまだ入手しやすい」


 とのことだった。


「そういうもんなのか」


「良かったら、今後ともによろしく……」


「こちらでもチラホラと冒険者はいる。そっちを当たってみてはどうか?」


 そういうのはライカだった。


「それも悪くないかな……。でも、できるだけ早く欲しかったので――」


「これも参考までに聞くけど、どんなアイテムを作ったりしてるの?」


「そうだね……。こんなのとか」


 と、ストロアが出してきたのは、先端に赤い球体の付いた杖だった。


「初心者用の杖。一応火炎魔法の補助がついてる」


「ほー……。じゃ、武器とか防具とも作れたり?」


 俺はちょっと自分の装備を変えたかったりしてので、聞いてみる。


「それはちょっと。専門外。ドワーフの工匠に聞いた方が良い」


「あ、そういうもんなんだ。しかし、ドワーフねえ」


 今エルフが一緒に住んでいるけど、そんなもんがそう簡単に……。


 出てくるかもしれない、な。この状況だと。


「それでは、ありがとう。じゃあ、また今度。その杖は見本だからあげる……」


 そう言って、リッチの少女は去っていった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ