016、モンスター色々
スライムを倒して35匹目。
これは記録をとっておいたからわかるのだが――
スライムから例の魔結晶が出てきたと同時に、俺は何か体が軋むような……。
いや、うねるような、とにかく変わっていく感触を覚えた。
具体的には言えないのだが、少しやせて引き締まった感がある。
確かにスライムとの戦いはそれなりに重労働だ。
しかし、そういうのとはまた違う感触である。
「おそらくはレベルが上がったでしょう」
と、ライカがゲームみたいなことを言った。
「わたしも詳しくは知りません。しかし……」
と、少し懐かし気な顔をしたライカ。
「聞いた話では人間の冒険者と言われる人種はモンスターを戦い、倒すと同時にモンスターの死体から発するある種の力を摂取するのだとか。それは仮に経験値と呼ばれていますが……。それを一定量摂取すると身体や魔力が以前よりも強化・向上されるそうです」
「ホントにゲームみたいやね……」
「はい。わたしもこちらでRPGゲームとかいう遊びを知った時は驚きましたよ」
と、ライカはうなずく。
「ただこの冒険者というは、誰でもなれるわけではないそうです」
「何か条件があるの? 神殿で転職するとか?」
「わかりませんが、元々世界……つまりわたしがいた世界ですが、そこにいた者は慣れない。他の世界から召喚された者が冒険者となれるそうです。一般的には」
「ほえー……。ん、じゃあ一般以外の方法も?」
「ええ、それはダンジョンマスターと契約することです」
「それって」
「今現在、わたしとタケオ殿がかわしていますね。それゆえ、タケオ殿は本来強靭な生命力を持つモンスターを倒すことが可能なのです。そう、冒険者になれるのですね」
「マジかいな……」
言われて俺は自分の手を見つめた。
「契約で得た力は他のダンジョン、及びそこで発生したモンスターにも有効です」
「ふーむ。するってえと、今流行りの動画でやっている連中は……」
「おそらくどこかのマスターと、多分あのダークエルフと契約したのでしょうね」
「しかし、そんなにポンポンしてよいものなのかな?」
「ま、契約自体はそう大したことではないですが……。普通は自分の見込んだ人材を育てたり援助するために契約することが多いんですよ」
「育成ねえ……。援助ねえ……」
どうも、あのダークエルフからはそういう感じを受けなかった。
「多分面白がって、遊びでやっているんでしょう。スライム程度ならいいですが、より貴重で価値のあるアイテムを得るにはより深部へと進んで、より強いモンスターと戦わなければ」
「まあ、そうだよな。しかし……」
俺はそこであることを気になってきた。
「スライムよりも上のモンスターってどんなのが出るわけ?」
「そうですね。色々いますが……。より眼鏡で攻撃的なレッドスライムとか。ファットバットとかゴーストなどです」
「それ、やばいの?」
「レッドスライムは攻撃力自体はブルーと変わりませんが、何もせずとも攻撃してきますね。ファットバットは、ま、大きなコウモリですが肥満気味の体系でそんなにすばやくないです。で、一番厄介なのはゴーストで……これには基本物理攻撃が利きません」
「え。じゃあ、どうやって倒せば……」
「弱点は炎や強い光。一番手っ取り早いのは光系の魔法です。使えない場合は、がむしゃらに反撃して相手の戦意を削ぐことですね」
と、ここまでライカが説明した時、表のチャイムが鳴った。




