013、ダークエルフの動画配信
「ダークエルフって……」
いわゆるファンタジーの定番的には、ライカこそダークエルフ的見た目なのだが。
「わたしエルフヘイムのあるスメール山の上空にある天界に住む種族です。一説には闇の魔王なる者に仕えるとされていますが、虚実はわかりませんね」
「交流とかはないの」
「ええ。いくらか個人的なものはあるでしょうが、エルフよりもむしろ他種族、主に人間との関係が深いとも聞いています」
「うーむ……しかし、ダークで天界に住むのか……」
「こちらでは闇は単に邪悪なものとされる傾向が強いようですね。わたしにとって闇は全ての根源的な力の母であるとしています。光も闇から生まれたものだと」
「哲学的……」
「ただまあ、全体的にダークエルフはイタズラを好む性格が多く、人間たちにも邪悪な種族、悪魔とか魔族とか呼ばれて恐れられていることもあると」
「まさか、人間を食べたりはしないよな」
「食人ですか? それはないでしょうが」
俺はまたうなって、動画を見る。
エレクトなるダークエルフの少女は、ダンジョンを歩きながら、
「ふぁいやーぼーる!」
と、手から火の玉を放ってスライムを吹っ飛ばしていた。
<見ての通り、ダンジョンにはたくさんのモンスターがいます。スライムは雑魚だから、素人さんにもおすすめだよ! 他にも~~>
エレクトは宝箱の部屋に入り、
<はーい。ここではヒールポーション発見~。体力を小回復するアイテムでーす>
と、しばらく穏当? な、ダンジョン紹介をしていたのだが――
<ここで皆さんにお知らせ! ダンジョンってよりグレードの高いアイテムを出すにはレベルアップさせないといけないんだけどー……>
どこから半透明のゴミ袋を取り出してきた。
<ダンジョンにはいわゆる『ごはん』をあげないといけないんだよねー。それは、これ!>
と、ゴミ袋を放るエレクト。
ゴミは粒子状になってダンジョンに吸収されていく。
<はーい、ごらんの通りでーす。お金も時間もかからないし、エコ! いいですねー。みんなダンジョンを見つけたらどんどんゴミを捨ててあげよーねー?>
エレクトは花のような笑顔で手を振り、
<もしもダンジョンが近くにない。あるいは見つからないって人がいたら、こちらにメールをちょうだいねー。情報を送るよー!>




