表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/38

4話・風紀委員会の風祭朱音


 誠高校での二学期が始まった――。


 夏休みの終わりに、中学生時代の彼女であった西村唯と出会ってしまった。しかも、唯は俺が通う誠高校に二学期から転校してくる予定だ。高校に入ってから中学時代の連中とは関わり合いが無かったが、とうとう俺の過去を知る人間が……しかも、元カノが現れてしまった。


 そんな出来事もあり、同じグレイ仲間の勇にも話すと、過去が未来に牙を剥きに来たと言われた。それをされても嫌だから、今日は早めに登校している。すると、誠高校の入口ではえらく気合の入った白い鉢巻をした集団がいた。


(出た! 風紀委員会……。噂に聞く二学期初日の名物か。夏休み明けのデスモーニングとも呼ばれたっけ?)


 夏休み明けは、髪を染めたりピアスをしたり何かしら派手になってる人間が多い。だから、風紀にウルサイ誠高校は二学期初日だけでなく、時折校門に風紀委員会がいる。

 全員が鉢巻をしていて、一年のショートカットの女は竹刀まで持っている。


(風祭の奴……相変わらずの気合いだな。つか、風紀で竹刀とか昔のマンガかよ)


 風祭朱音(かざまつりあかね)は風紀委員会の一年だ。髪型は黒のショートカットで、スレンダー体型。空手をやってるらしくて、かなりの強さらしい。いわゆる昔のスポ根女だ。

 これだけならいいが、運悪く風祭は同じマンションに住んでいて、学校外でも気合いを入れろ! と絡んで来るのが面倒だ。帽子を買って外ではバレないように行動したら、すぐにバレたのは苦い思い出だ。


 そうして、校門でその風祭朱音と出会う。


「おはよう風祭。俺は問題無いだろ? じゃあな」


「おはよう赤井。そして、待て赤井。チェックは私だけでなく、風紀委員会全てでする。同じマンションに住んでいるからと言って、甘くは出来ないぞ。気合を入れろ」


(身だしなみチェックでどう気合いを入れろっつーんだよ!)


 風祭は一年のくせに風紀委員会で、上級生も平然と取り締まる女だ。この学校の風紀委員会は、上級生であろうと関係無く指導するから面倒だ。

 俺は髪とか染めて無いし、ロン毛でも無いので問題無いから早く校舎に入りたいと思っていると、何故か明るい顔になる風祭は言う。


「おい、夏休みはどうだったんだ赤井?」


「どうもこうも無い。風祭も俺のバイトしてるマコトプールに短期で監視員のバイトしに来てただろ? 基本的にバイト生活だよ。こいつは俺のストーカーか? とも思ったぞ。冗談だけどな」


「ストーカー!? ……確かにそうだったな。お前とは色々話していたが、それから連絡してなかったからな。赤井は気合いがもっとあるはずなんだからシャキッとしろよ」


「俺の気合いは通常営業。これ以上は無い」


 昔の俺なら喧嘩してたから気合いがあったが、今のグレイを演じている俺は気合いは出さない。この高校生活は問題を起こさず過ごすつもりだからな。


 何か知らないが、風祭は風紀委員会の仕事の延長なのか夏休みプールの短期監視員のバイトをしていた。同じ学校で、しかも風紀委員会の女というのがハッキリ言って嫌だった。

 水着が嫌いなのか、常にスクール水着の上にウインドブレーカーを着ていたな。この誠高校はプールが無いから風祭の水着姿は俺の中ではウインドブレーカーだ。


 根は悪くは無いが、すぐに気合いを入れろとウルサイから面倒なんだ。お前は一人で風紀のオリンピックでも目指してろ! とイラついた記憶もある。

 気合いが空回りしてる所もあるが、一応悪い女ではない。他の生徒達も多く登校し出していて、他の風紀委員会はそっちを優先した。

 風祭はようやく俺を解放してくれるようだ。


「……まぁ、いい。人との繋がりは大事だ。赤井はそこを改善した方がいいぞ」


「夏休みに見たと思うけど、マコトプールで人と繋がってるから。風祭も同じマンションだからって、わざわざ気にかけなくていいぞ」


 すると、やけに女の顔で風祭は俺を見つめていた。まさか、風祭に女を感じるとは思わなかったから少し驚いた。しかし、持っていた竹刀を地面に叩きつけて話し出す。


「……夏休み明けの赤井は少し元気が無いのが心配だっただけだ。ちゃんと食べてるのか?」


「食べてますよ。私をね」


『!?』


 とうとう、学校で西村唯と出会ってしまった。二学期の初日はわざわざ早めに登校したのに、タイミングが悪かったのか唯と遭遇した。派手な化粧に金髪に大きなイヤリング。どう考えても、風紀委員会から逃れられる術は無い。


『……』


 唯は明らかに風祭を挑発していた。

 水と油の両者は睨み合う。

 二学期の初日から、最悪な出来事に巻き込まれていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ