少女との出会い
少女はおもむろに話し出した。
「おはようございます。気分はいかがですか。」
「え、あ、はい、とてもいいです。」
普通ならちゃんと話せるが、今回はとても美しい女性だから思わずキョドッてしまった・・・
歳は僕と一緒くらいかな。身長は僕より少し小さいから、160センチくらいか。しかし、発達はあまり・・・
「あまり変なことは考えないでください。王の考えてることは私にも伝達してくるんですからね。」
思春期の僕にはそれはとてもキツい!・・・って今僕のこと王って呼んだのか?
「そうですが。あなたはこの国の王ですよ?寝すぎでまだ脳が覚醒してませんね。ちょっとビンタでもしておきますか。」
やめてくれーっ・・・え、まじで僕が王なの?
「はい。」
キターーーー ・・・でもちょっと待って
「じゃ、じゃあここは、ゲームの世界なの、か・・・?」
期待を胸に聞いてみた。
「げーむ?なんですかそれは?ここは、第六地方の郊外です。」
「景色が良くて来たのですが、何か今日の王は変なので、早く城に戻りましょう。」
期待とは違った答えが返って来たがまぁいいとしよう。
言われるがままについてゆく。
〜第六地方城下町〜
「ここが城下町か、すごく栄えてるな」
「いつもみているのに、今日は本当にどうしたんですか?」
「あ、いや、気にしないでくれ」
「変な王様ですね」
初めて出会った時とは打って変わって、優しい口調で接してくれる。城下町の人々に見られてるからなのかな。
まぁそれは置いておいて、本当にすごく栄えている。そしてみんなが僕に暖かく接してくれる。僕が王だという立ち位置だからだが、こんな経験は今まで体験してこなかったので、素直に嬉しい。
「あれ、どうして泣いているのですか? 何か悲しいことでも思い出しましたか?」
感傷に浸っていて、自然に涙が流れて来ていたらしい。
「この城下町の人々はすごいな。生き生きと生活している。こんなに笑顔な城下町は見たことが・・・あ、いや、なんでもない」
おっといけない、ここの城下町は僕が作ったという設定になっているんだった。
「今日は本当に変な王様ね」
〜第六地方 城〜
「到着しました!今日は疲れているようなのでゆっくり休んでくださいね」
城に到着した。城下町からも見えてはいたが、真正面に立つとすごい迫力だ。
周りを見渡すと、さっきの少女がいなくなって、執事らしき人が三人立っていた。一人はガタイがいい男で、もう一人は真面目そうな男、最後の一人は影の薄そうな女だった。
『おかえりなさいませ』
執事達が声を揃えていう。
「さっきの少女はどこへ行ったのですか?」
「セレのことですか、彼女なら今日の夕食の買い出しに行きましたよ」
あの少女はセレというのか。