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第十三科学系戦術師団  作者: みずはら
[第3章]はじまり
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(4)-2


 拓磨が格闘している本は、エリスの国の科学系戦術で使用されている物である。

 太古の昔『魔法』と言う物があった時代には、呪文を唱えるだけで、いろいろな超常現象が起こった、と本には書いてある。

 当然、この時代にそんな物は存在しない。今時、小学生でも分かる。

 しかし、エリスの国では『空間波動制御』の研究が非常に盛んで、ある時、空間からのエネルギー取り出しに成功した。

 この国で、ピラミッドパワーとか言われているものの強化版だろう、ぐらいに拓磨は理解している。

 つまり、ある規則性を持った形状を空間と接触させ、空間を希望の『波動』で満たす。 あとは、触媒となるもの――固有振動を持った『石』――を与え、最後に人間が本来持つ『気』を入れることで、空間のエネルギーが思い通りの『実体』となるという仕組みだ。

 恐らく、最後の『気』とやらは、それを実行する人の意志として、定義されているに過ぎず、前者2つの要素だけで、空間エネルギーは取り出せるのだろう。

 もしかしたら、発動時に、名称を読み上げる声が空間を振動させ、トリガーとなるのかもしれない。

 ミソとなるのが、ハンドブックにある、空間と順応しやすい特殊インクで描かれた、幾何学模様の図形で、この国でも、特殊な形状が空間に与える波動については、どこかで研究されているような、いないようなことを、拓磨も聞いたことがある。

 ただ、戦術用途ではなく、日常生活で、例えば、『水を美味しくする模様』であったりだった気がするが……。

 エリス達の国で研究された様々な模様に、用途別に意味を記載した物を、通称『ハンドブック』と呼んでおり、科学系戦術として用いられる。

 初めての時に、カイが本を開いてタケトを水浸しにしたのは、他ならぬ、このハンドブックと、腕輪として身につけていた『石』のなせる技だったのである。


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