06 佐渡 著「dust snow」
主人公:6番目のゲストは佐渡著「dust snow」より崩だ。
………男率、高すぎだろ。この会話劇。事前情報だと相当な妹萌えだとかなんとか。羨ましいとしか言えんな。
崩:はぁいはいどうも、お邪魔するよー………うわ、見たこともない機械がこんなに……本の中にでも入った気分だぜ……(きょろきょろ)
主:あー。まぁ、見慣れないよなぁ。
本……こっちじゃ骨董品だぞ。全部データ化してるし。あんた、図書館?とかに勤めてるんだっけ?
崩:ん?本の管理は仕事の1つだけどメインじゃーないかな?
いやあ、こっちでも本は稀少なんだね、ちょっと親近感が沸いてきたよ………っと、そういえばコンロみたいなやつない?
主:そうだな。本なんて先輩みたいな骨董趣味か歴史研究してる奴じゃないと読まねぇよ。……コンロ?
俺の研究室出て、廊下の突き当りの共有スペースにあるぞ。殆ど使う奴いねぇけど。
崩:じゃあ、その先輩さんを連れて今度は僕のとこに遊びにおいでよ!きっと楽しいはずさ!
おっけ、じゃあちょっと行ってくるね!(鍋と乳白色の液体が入った瓶を片手に走っていく)
主:じゃぁ、今度行くよ。俺達がどっか行くのって今までやったことねぇし。
……鍋?何してくるんだろう。あいつ。
~十数分後~
崩:お待たせ!(湯気たつマグカップを手に再登場)
こいつを飲みながら「きょうだい」について語り合おうじゃないか!(キラキラ百点満点スマイル)
主:あ……ありがとう。(なぜか ホットミルク好きなので好感度上がる)
「きょうだい」?あんたの場合、妹のことか?
崩:うん、そうだね。
ま、僕の妹については後々じっくり語るとして………君はお姉さんがいるんだろう?
お姉さんってのはどういう感じなんだい?
主:恐怖政治のドS暴君。
崩:……マジで?
主:うん。
崩:いや、もっと、こう、包容力あって優しいもんだとばかり………。
主:一緒に住んでた頃は毎日こき使ってくるし……いや、今も会う度に命令するのは当たり前だな。
あの睨みが半端じゃなく怖ぇし……昔、力技で喧嘩しようとしたけど、勝てなかった。
崩:確かに君の話だけ聞いてると、情け容赦ない人にも見えるけど………歳上の思いやりとかって、伝わらないものだからなあ………(マグカップを揺らしつつ)
主:姉貴に思いやり……?まぁ、人として悪い奴ではないと思うが……俺への扱いは酷いとは思うぞ。
(しかし、ホットミルクはしっかり飲む)
崩:大丈夫?ちょいと甘めに作ってあるんだ。(砂糖を少し多めにいれたホットミルク)
んー、僕ばっかり質問してるのも悪いし、何か聞きたいこととかあるかい?
主:……このホットミルク、どんくらい砂糖入れてんの?すげぇ美味い。(どこかで飲んだホットミルクと同じ味)
崩:ふふ、黄金比率さ。といっても……お兄さんも教えてもらったものだけどね。(どこか懐かしげに、哀しげに赤い瞳が覗く)
主:?あんたもこれ、誰かに飲ませて貰ったんだ。………どこだったかなぁ。
崩:………このホットミルクの作り方は企業秘密だけど、何か聞きたいこととかあるかい?
僕ばっかり質問しちゃってるみたいだからさ!(強引に話題を変える)
主:あぁ、悪い悪い。んで、あんたの妹は可愛いの?美少女?
崩:ん?やだなあ、そんな有り体な括りで僕の妹が例えられる訳がないだろう?
僕の妹は完璧さ……ああ、本人がいないのが悔やまれるよ……似顔絵があればよかったのにぁ。
もしくは「シャシン」があったら………。
主:……(シスコン……)そんなに凄いなら、今日連れて来れば良かったのに。
あと、仕事とか何してんの?
崩:彼女は気紛れでね……いつ現れるかはわからないんだよ。困ったもんだ。
仕事かい?……まあ、神様に比べたら大分楽チンな仕事だと思うぜ?
主:ふーん……(自慢して会わせてくれねぇのか)
こっちの仕事は遊び放題だから、内容的にはあんまり苦じゃねぇんだけどな。
崩:会いたいのかい?
いいなあ……そんな仕事やってみたいぜ。こほん、いいかい?
用務員は………(ここで語られる警備員と用務員と司書と教師が全て混ざったような業務)
主:いや……いいかな。(なんか、妹よりシスコン兄貴が……)
何だか、めちゃくちゃ幅広い仕事だな……。何でも屋みたいだ。
崩:そういえば、ここは雪が降ってないんだね………晴れてる空なんて初めて見たよ。目が痛いねぇ。
主:今は初夏だしな。冬は雪も降るぞ。
あんたの所って、いつも曇り空や雪景色なの?不思議な天候だな。
崩:僕にしてみりゃあ雪が降ってない方が不自然に感じるわけだけど………そんなに不思議なもんかな?
主:まぁ、寒い地域なら分かるが。見たこと無いほどってのは凄いな。
あんたの国だけじゃなくて、他の地域も雪ばっかなのか?
崩:僕の世界じゃ雪以外の天候なんてないんだよね。「氷河期」、とはまた違うみたいだし……言われてみると、原因ってなんなんだろうね。(しきりに首を傾げる)
主:雪以外の天候が無くて、氷河期でもない??
寒くても、一年の中で比較的暖かい季節とか凄く寒い季節とかはあるよな?
崩:そもそも……なんだっけ、コヨミ?ってやつもないからね。気温はいっつも一定でいっつも寒い。
主:暦がない?
え。太陽の傾きとか、昇る時間とか、変化ねぇの??
崩:普通の人は、朝、昼、晩ってくらいしか時間の経過を気にしないしね。
働いてたら1週間さえわかればそれでいいし。
日の長さは……変わってるっちゃあ変わってるようだけど、日常生活では特に気にされてないねぇ。
主:へー。なんかのんびりしてそうな所だな。
そういや、そんな天候で作物とか育つの?
崩:生産区、っていう食物を生産する職につく人や職場が密集した区画があって、そこで大規模な温室栽培が行われてるから、作物は育ってるよ?
………このミルクも、毛牛っていう毛がもっしゃもしゃの牛さんから取れたミルクさ。(マグカップゆらゆら)
主:科学技術は結構発達した世界なんだな。あんた達の世界ならでは。なものって他にあるのか?
崩:ううん、僕の世界ならでは………か……。
他の世界と比べたりするなんてしたことないし、ぱっと思い付くのは雪くらいだし………(額に手を当て考え込む)
主:あ。そういや、異世界なんて早々見たり行かねぇもんな。
崩:んー……あ、そういやあなんだっけ、天地創造?
僕の時代について知りたいんだったら、あれで再現してみりゃあいいんじゃないかな?
過去の本漁っても、全然わからないしちょっと興味あるんだよね。
主:じゃぁ、地形とか気候とか聞いてくから、ちょっとやってみるか……(作業開始)
そういや、さっき言ってた毛牛ってどんな生き物なんだ?
崩:うーんと……確か……「乳牛と食肉、衣服の素材として品種改良された家畜」……かな。
長い毛が特徴だね。基本的には茶色の毛をしてるかな。体は大きいけど角はない。
温厚で、人懐っこくて、毛の奥の目はくりくりで可愛いんだよ!
主:おぉ。それいいな!じゃぁ、見た目は……こんな感じか?(ビジュアルを創ってみせる)
性格は温厚そうだけど、どんな生態とかしてるか分かるか?
崩:うんうん!そうそう!(ビジュアルを指差して)
……確か繁殖能力と、寒冷地における生存能力が高いって聞いたな。
乳は脂肪分が多くて栄養も多い!
主:うんうん……じゃぁ、こうで……こうで……あと、こうか!
どうだ、これで再現出来たか!?(完成を見せる)
崩:そーそー、まさにこんな感じ!
んで後は人間を配置していくのかい?
主:そうだな。人間はどんな感じなんだ?人間の他に種族とか他にいるのか?
獣人とか、エルフとか、小人、妖精……。
崩:いや、そういうのはないかな………肌の色にも差異がないくらいだし。
………いや、でも過去には黒い肌の人間や、白い肌の人間がいたって読んだような………そこはまあ、適当でいいんじゃないかな?
主:じゃ、これで決まりだな!!(Enter!!)
時間の速度を早めてっと。なぁ、もう一杯くれよ。飲み終わる頃には出来てるからさ。
崩:あいよー!………ん、なんか早速戦争起きてない?
………まいっか、じゃあ行ってくるよ、と言いたいけどどうせだし作ってるとこ見るかい?
主:これくらい、大丈夫だろ。放置放置。あ。見に行く。
~10分後~
崩:………んで、待ってみたわけだけど、さ。
主:……そうだな……なんだろうな、これ……。
(なぜか人型の「毛牛」達が隠れ里を作り、そして何故か近親相姦で反映していた。人類は絶滅している。)
主:なんで……近親相姦に特化されてるんだ……?この世界……。
崩:………文明の発達……生物実験……寒冷地に適応した人工生命の兵器………科学兵器による気候変動………?(ログを遡りながらあーあー、と頭を抱える)
主:?何を見つけたんだ?
崩:どうやら、歴史がわけわかんない方向に動いちゃってたみたい………人類が同士討ちでくたばって、生物兵器として人間の姿と怪力っていう2つを与えられた毛牛さん達が文明を………。
主:本当だな……のんきにホットミルク作ってた時間帯だな。これ。
崩:………あれ、神託用のマイク入ってない?
………この時って確か僕が妹について熱く語ってた頃じゃ……。
主:え……あ。マジだ……さっき作ったやつ飲みながら、喋ってた頃だな……。
なに?じゃぁ、あんたの妹トークで兄弟姉妹文化が根付いちゃったわけ?(シスコン恐ろしい)
崩:……いや、でもご覧よ。文明の初期なせいか、女性が力を持って男性を率いてるぜ。
僕の妹愛はトリガーだったんだろうけど、最初っからこういうケがあったんじゃない?
主:こういうケ?まぁ、積極的な子はいいよな。
崩:………にしても、もふもふな子達がこうして和気あいあいとしてるっていいね……癒されるよ……。
主:そうだな。繁殖方法がどうあれ、癒されるなぁ〜。適応して障害も出にくいし。
これはこれで有りだな!
崩:ん……待てよ……今飲んでるホットミルクは毛牛さんのもの……今ここで和気あいあいしてる彼女らも毛牛さん……つ、つまり……(ごくり)
主:……こ、これは……あんた、良いところに気が付くな(ニヤニヤ)
崩:これは、またなんか別の意味で新たな世界が開けてきそうな………。
?:随分と楽しげじゃないか。
崩:………げ。
主:?誰だ?知り合いか?
崩:あー、僕の上司?かな?
サラ:貴方が「ソウゾウシン」か。申し訳ない、私の部下がご迷惑をお掛けした。(ぺっこり)
主:あぁ……いや、面白いもん教えて貰えてるぞ。毛牛……とか?
サラ:家畜について……ですか。
申し訳ありません、他世界との交流については今後上層部で然るべき議論と部署の設立を終えた後、改めてお伺いすることとなります。
できれば、今回この男が伝えた情報は不確定なものですので、出来れば忘れていただきたく。
それでは、次の業務がありますので。(一礼)
崩:………あー、そういうことらしいから僕もここで失礼させてもら……痛って、痛ててて耳引っ張んないで引っ張んないで………(引きずられて行く)
主:んん?上層部?おっさん、向こうの許可取ってねぇのか……?
あ、じゃぁなー。
(置きっぱなしのマグカップ)
主:……次来た時は、俺がもてなしてやろうかな。
~廊下にて~
崩:………随分荒っぽい真似をするね。
サラ:お前はどうして余計なことばかりする。勝手にうろついてこんな所へ……
崩:あー、はいはいわかりましたよ私が悪ぅごさいましたー。
………ん?
姉貴:今日のお客さんね。いらっしゃい。
サラ:(一礼して足早に去る)
崩:あーあー、全く……礼儀がなってないのは彼女じゃないのかねえ。どうもー(にっこり)
彼、いい子ですね。本当に。
姉:……………貴方も何か違うカタチがあると良い気がするわ。
崩:これしかない、これしかないんだよ。
姉:そう。貴方が決めることだものね。
〜主人公研究室にて〜
姉:ねぇ愚弟。さっきの方とお話し、楽しかった?
主:なんか、おっさんが正式な依頼してないのか、帰っちまったけどな。
姉:そう……(マグカップと残ったホットミルクを見つける)
主:何笑ってんだよ。
姉:私も飲みたいって思っただけよ。
優しい味のホットミルクと真っ白な雪が降る「dust snow」はこちら↓
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彼岸明
今回は雪の様にしんみり染み渡っていただければ。
97%残念だけど、残り3%くらいは意味が有ったり無かったりな7神です。
佐渡
普段目標とし、またよくお話させて頂く彼岸様との合同企画ということで私有頂天でした。如何でしょうか、お楽しみ頂けましたでしょうか。
因みに私佐渡、獣人好きです。毛牛のエピソードにぐっと来た方は是非お話しましょう。