表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラストワールド  作者: 落葉颯花
終末の序曲~始まってしまった『終わり』
2/20

終末の序曲~2

俺たちが今日から入学する「東京魔法兵士養成高校」は、今年から中高一貫制度を導入、晴れて兄妹そろって同じ学校に入学と言うわけだ。妹は元の学校のままでもいいと思ったのだが、妹は「兄と同じ学校のほうが便利だし私も魔法を学びたい」と言って義父母の反対を押し切った。我が妹ながらすごいものだ。まあ、妹は魔法の扱いが上手いし才能が他の人に比べれば圧倒的なほどなので、この学校に入学したのは正解だったとは思うが。と、考えているうちに着いたようだ。


「兄さんここだよね・・・」


妹が驚くのも分かる。中高一貫制度導入で増設とは聞いていたが前来たときの倍の大きさになっているのではないだろうか・・・せいぜい中等部用の建物を作る程度だと思っていたのが甘かった。まさか本校舎を改造して一回りも二回りも大きくしてしまうとは・・・。侮りがたし、2080年代の日本の建築技術。本校舎を大きくしようとすれば凄まじく手間がかかるだろうに・・・


「凄いのか無駄が多いのか・・・それとも何か理由があるのか?まあ、そろそろ入学式だし遅れたら不味いから、急ごう。」


もう入学式の時間が迫っている。さっさと講堂に入らないと先生にどやされてしまう。


「そうですね、兄さん。」


追記だが、香菜は家の外では俺のことを兄さんと呼ぶ、何故かと聞いたら恥ずかしいからと怒られた。



******



現在世界中で使用されている魔法は、わずか30年前に発表されたばかりの技術だ。第二次人魔戦争時、人類の科学力に耐性をもった魔物に人類は滅ぼされかけた。銃は効かず爆弾も効かない、人類の主要都市も魔物に侵略され始めた頃、イギリスである技術が発表された。それが魔法だ。イギリスで魔法が発表されると、まるで競うかのように各国が独占しようとしていた技術を発表した。ある国は念動力だ、またある国は呪術だと言って、である。大昔からあらゆる人間が研究し、追い求めたその力は、存在していた。さらに、一部の人間はその力を使いこなしてすらいたのだ。そうしていくうちにあらゆることが発表された。魔法は誰もが使えること、使いすぎると体内の魔力が枯渇して死ぬ危険性があること、魔力は人の生命力と同調しており、体調が悪い時には魔法が上手く使えないこと、魔量、魔質には個人差があること、などである。{魔量は魔力の量で、魔質と言うのは魔力の質で、魔法を使用したときに同じ魔法でも魔質が低いものだと弱い魔法にしかならないが、高い者だと、強力な魔法になりうる。}こうして世界中で魔法は使用され始めた。


********




入学式も終わり、クラス発表も終わった。自分は三組だそうだ。今日はあと学校案内だけだ、前よりも大きくなったので迷ってしまう人も多そうだ。いまは皆案内の先生であり今年の担任の先生を待っているところである。ぼーっと待っていると後ろからとんとんと肩をたたかれた。振り返ると知らない男子生徒に話しかけられた。まあ、今日が初日なので知らないのは当然だが。


「なあ、俺は立石徹って言うんだ。よろしくな。」

「ああ、水雪祐理だ、よろしく。」


わざわざ自分から名のってくるとは律儀なやつである。それも愛想のないおれみたいなやつにだ。


「この学校に入学してクラスが決まったのはいいんだけどさ、知り合いがいなくてさ、話し相手になってくれないか?」


言っていること以外にも話してきた理由がありそうだ。


「武術、やってるんだろ。」


唇の端を吊り上げながら話しかけてくる。やっぱりか・・・どうやら立ち振る舞いで俺が剣術を修めていることに気付かれたらしい。今度からは立ち振る舞いにも気を付けたほうがいいかもしれない。


「入学式って不吉な日だったっけ・・・」

「いや、むしろ晴れ日だと思うけど・・・?」


俺も立石の歩き方を見てこいつ武術修めてるなあーぐらいの気持ちで見ていたのだが相手は結構血気盛んならしい。戦技{魔物との戦闘技術を学ぶ科目だ。毎日ある。}で一緒にやろうぜとか言われそうだ。まあ、知らないやつとやるよりはいいかもしれない。なんて考えているとガラガラっと教室の扉が開いた。


「えー、今年の君達の担任兼数学担当の小林武です。よろしく。」


話しかたや動きを見て戦技の先生かと思ったが違かったようだ。この先生の動きを見て隠してはいるようだが武術を極めているようだ。修めて、ではなく極めて、だ。このレベルの人で戦技の先生に選ばれないとなると戦技の先生のレベルはかなり高いのかもしれない。ただ、もしかしたらこの先生は自分が戦えることを隠してるかもしれない。


「えーこれから学校案内を行います。かなり広いからしっかり覚えるんだぞ。」


その後、学校案内はつつがなく学校案内は終わった。途中で武先生が小ネタを挟んでくれたおかげで楽しく終わった。この先生とはうまくやっていけるかもしれない。


********


入学式から3日たった。クラスの雰囲気にも少し慣れてきた。このクラスは全体的に体育会系の人が多いようだ。ただ、一つ気がかりなことがある。


「おーい、何考えこんでるんだ。」


俺は人とはなすのが苦手だ。


「おーい、無視すんなよ。」


それにいつも無愛想なせいかいままであまり友達ができなかった。中学時代、ひとり親友と呼べる程の友人がいただけで、ほかにはあまりいなかった。


「ねえ、ほんとちょっとさあ、ねえ・・・無視、しないでよ・・・」


そろそろやばそうなのでさすがにかまってあげることにする。


「は~~~・・・・何だよ、俺はなぜ友達ができないか真剣に悩んでるところなんだぞ。」

「ガーン、俺ってばそんなことで無視されてたの?」

「そんなもんだろ」

「そうかそうかそんなものかー、っておい!なにげに酷くないか?」


まあな・・・


「でもお前が友達できない理由なんて明白じゃんか、無愛想で無口でいつも睨んでるような顔してるからだろ。」

「なんとなくわかってはいたけどやっぱりそうか。」


やはりそうらしい、今度からいつも作り笑いしてようかな・・・できれば、のはなしだが・・・

徹と話していると知らない少女が近寄ってきた。真っ白で雲のような白い髪の毛の先の方を結い、それにとても均整のとれた美しい顔、言葉にすれば可憐という言葉があいそうで、とてもおとなしい印象を受ける。すると、少し白い美しい唇が言葉を紡いだ。


「今日の放課後空いてますか?」


一瞬どっちに聞いているのかととぼけようかと思ったが、相手があからさまにこちらを向いているしあまりに真剣な顔をしていたのでとぼけるのはやめにしておいた。俺が頷くと


「それなら放課後ここに一人で来て・・・」


といいながら紙をわたされた。場所は体育倉庫の裏と書かれていた。この場所には放課後になったらまず誰も来ないだろう。放課後じゃなくても誰もこないが・・・


「ああ、わかった。一人でいくよ。」


と言ったらトトトッと駆けていった。


「おいおい今の誰だよ、」

「さあ?」

「さあってお前なあ、誰かも知らないのに承諾したのか。お前のそのどこか遠くから見ているような対応のしかたも友人ができない理由じゃないか?」


そうかもしれない、ただこればっかりはどうしても直らないのだ。妹にも言われて直そうとはしているのだが・・・。


「妹にも言われてるんだがなあ・・・」

「あれ?お前って妹いたっけ。」

「ああ、いるぞ、中3だ」

「この学校?」

「ああ、そうだ。そういや妹で思い出したんだが明日なんか無かったっけ?」


よりのもよって妹で思い出すとは・・・・・


「ん・・・?そうだ明日は戦技の始まる日じゃないか。ああ、何だか急に明日が楽しみになってきたー!!ヒュー!!ヒューっ!!」


その後テンションが上がったのかいつもにましてしつこい徹をあしらいながら真っ白な彼女のことについてずっと考えていた・・・


*******

その日の放課後、俺は指定された場所に行った。その場所には誰もいなかったので少し待っていると誰かが走ってきた。


「すみません、待ちました?」

「いや?」


と、彼女を待っていた彼氏がいいそうな常套句で返す。しかし、あらためて間近でみるとあることに気付く。


「あれ?君の眼って赤かったっけ?」


相手の名前も聞かず、さらに自分の名前も聞かずに聞くのは失礼だとは思ったのだが失礼だと思う心が好奇心に負けてしまった。


「は、はい・・・」


そう、彼女の瞳は人にはありえない深紅の瞳であった。30年前ぐらい前から起きている事例で、解明した学者いわく、魔法が使えるようになったことが原因らしい。魔法が使えるようになったことで、肉体が体内の魔力に過剰に反応してしまうことで体の色素が変わってしまうらしい。


「もしかして隠しているのか?」

「はい・・・。」


彼女が隠している理由はなんとなく分かる。彼女のように親とは明らかに違う容姿で生まれてきた子供は、親から虐待を受けるケースが多い。そのことがトラウマとなって他人に知られることを嫌うことがあるからだ。まあ、彼女がなぜ隠しているのか細かいことは分からないが、おそらくこの理由だろう。そうすると疑問が残る。なぜ彼女は自分の前で隠していないのだろうか?考えていると彼女が口を開いた。

「あの・・・お呼び出しした要件なんですが・・・」


話が始まったので彼女の深紅の瞳をじっと見る。そうしていると彼女が白い頬を紅潮させながら言った。


「一目惚れでした!」


え?


「弟子にしてくださいっ!!」

「・・・・・・」


相手に対してどのような反応をするべきか呆然としていると相手が先に口を開いた。


「あの・・・駄目ですか・・・」


そんな涙目でみられても・・・


「弟子はとってないんだ・・・そもそも俺みたいな未熟者では・・」



「輝閃なのに?」



「!!」


なぜそれを知っているのかと聞こうと思った時に、あることを思い出す。


「ああ、もしかして魔殺二天流の傍流の?」


コクコク頷いているので間違いないだろう。どこの流派かは知らないがおそらく俺の皆伝の試験の日にたまたま来ていたのかもしれない。なぜかあの日は他流派の人がたくさん来ていたのでその中の一人にいたのだろう。


「なるほど、だから知っていたのか・・・」

「はい」

「なら分かるだろ?俺以外にも強い人はいるし、魔殺二天流の本流を習いたいなら俺の師匠に習えばいい。あれでも話はわかる人だから。」

「あなたがいいんですっ!!」


どうやら見た目に反して頑固らしい。さ~て絶対に師匠にならない方法はどれだ!!


1、最初は友達からっ!!と言う。


2、貴様ごときを弟子にはできん!!と言う。


3、もうありえないぐらいの速さで逃げ出す。


さあどしよう・・・・


1は却下、友達とか言いながら結局師匠になってしまいそうだ。2も却下!!なんか相手に悪いし、なんか上から目線だし・・・

3?・・・三?・・・3しかないな!うん!さあ決めたら実行だ!


「なあ、一つお願いがあるんだが・・・」

「はい!師匠のお願いならなんでも!」

「・・・」


どうやら彼女のなかではもう俺は師匠らしい・・・それになんだかこの子最初とは随分キャラが変わってないか?ストーリー序盤からキャラ崩壊とかどんだけだ・・・


「1秒だけ目をつぶってくれないか?」

「え?」

「目をつぶってくれないか?」

「し、師匠がそう言う関係を望むなら・・・」


あれ?


「わかりました!」

「・・・・」


なんか俺のイメージも崩壊してしまったきもするが・・・・

まあ、放っておこう。


「よし、俺が3,2,1、ってカウントダウンしたら目をつぶれよ~。3,2,1っ!」


彼女が目を瞑った瞬間に


「絶対に師匠ってよぶなよ」


と言いながら全力で逃げ出した。

追記だが逃げている途中で誰かの叫び声が聞こえた。彼女の声に似ていた気がするのは気のせいに違いない・・・

あ、名前聞くの忘れた・・・




全然話が進みません・・・早く投稿できるように頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ