それから
碧はどうなったのだろうか?大丈夫だろうか?と言うよりも自分はどこにいるのだろうか?
気になって目を開く。
そこには見知らぬ真っ白な天井が広がっていた。
だが、知らないとはいえなんとなく想像はつく。学校の保健室。もしくは病院だろう。
まあ、結構な重傷だったので病院の可能性の方が高いが。
不意に声がした。
「おや?起きたのかい?」
この声は・・・・
「小川先生?」
「・・・・・君、自分の名前は憶えているかい?」
小川先生がおかしなことを言い出す。
水雪・・・・祐理だよな?
「水雪・・・・・水雪 祐理です。」
「憶えているようだな・・・・君は・・・・いや、今は混乱させるだけかもしれないな。」
先生が悲しそうな顔をして話す。
「先生、教えてください。ここはどこですか?」
先生は一体何を話しているのだろうか?
「x-1コロニー。中央病院だ。どうだ?何か思い出したか?」
頭の中が真っ白になった。一体、どういうことだろうか?
思い出したか?もしかして、俺は記憶を失うような何かがあったのだろうか?
それを考えただけで、俺を喪失感が襲った。
コロニー?その名前には聞き覚えがある。あの宇宙とかに浮かぶ大きな人工物で、人が住む為の場所だったはずだ。まあ、アニメの中でしか聞いたことはないが。
俺は、水雪祐理。妹がいて、東京魔法兵士養成学校の訓練中に碧が暴走して・・・・
強烈な不安感が俺を襲う。
そうだ・・・・香菜。香菜は・・・・無事なのだろうか?・・・・
あの後碧の暴走は止まったのだろうか?
「香菜・・・・・香菜は?・・・・」
途端に先生が口をつぐんだ。先生が視線を逸らす。
「すまない・・・・・」
え?・・・・・無事・・・なんですよね?
俺の知らない間になにがあった?・・・・
不意に先生が涙をこぼした。
「助け・・・・られなかった・・・・・すまない・・・・」
時が止まったような気がした。
自分のいる場所がどこなのか分からない。あの時からどれくらい経ったのかわからない。
そして―――――香菜が・・・・いない。
逆に・・・おかしくなった。
「・・・・・ハハハ・・・・ハハハハハハハハハッ!」
もう、どうにでもなってしまえ。
知らない世界?
知ったことか。香菜がいない世界に意味なんてあるものか。
こんな世界なんて・・・・消えてしまえ。
「祐理君?・・・・」
先生が悲しそうな顔をしたまま俺を見る。
そうだ。コロニーだと言うのなら周りに宇宙が広がっているのではないだろうか?
どこまでも広い宇宙を見て自分のちっぽけさを確かめにでも行こう。
「祐理君!」
先生が怒るような顔で俺を呼ぶ。先生がゆっくりと手を上げる。
その手にはある物が握られていて、そこには文字が書いてあった。
『ドッキリ大成功!!』
「ふざけんなああああああああああああああああああああああ!!!」
騙されたあああああああああああああああああ!!
x1コロニーとかどこだよ!
思いっきり信じきってしまった。思いっきり騙された。
香菜を失ったかもしれないと言う悲しさで号泣してしまいそうだった。
小川先生にせめてもの意趣返しとばかりに抱きつく。
「きゃっ・・・・・・何を抱きついているんだ?」
以外にも可愛らしい悲鳴を出しながら小川先生が不思議そうにしている。
言えない。号泣してるのを隠す為だとか言えない。
「心なしか何だか生温かいような・・・・・分かったぞ。君、泣いているな?」
顔を上げる。
涙が止まらない。
「やっていい冗談とやっちゃいけない冗談がありますよねっ!」
「悪かった!悪かったから泣くのをやめろ!何だかこっちまで悲しくなってくる。」
スーパー号泣。涙止まらない。
大体こんなことをする小川先生が悪いんだ!
「いやそんな責めるような目で見られてもな・・・・・私もそこらへんは弁えているつもりだからな、頼まれなければやらんよ。」
ん?・・・なんか今聞き捨てならない言葉が・・・・
「頼まれた?・・・」
誰がこんな真似を?俺の精神を揺さぶるのに一番的確なところを突いてくる奴?
碧?あいつはそんなことやらないしな・・・
立石?俺の性格知ってるけどそんな頭脳戦できなそう。(笑)
白波?絶対やらない・・・と、思う。
香菜?・・・・・・どうだろう?
小川先生の嘘?ありうる。めっちゃありうる。
「いやあ・・・・私からより本人から説明した方が速そうだな・・・・出てきてくれ。」
閉まっていた保健室の扉が開く。学校特有の引き戸の音が響く。
そこには黒髪黒瞳で、目が充血している少女が立っていた。ついさっきまで泣いていたのだろう。慰めるのが大変そうだ。
誰だろう?
俺の妹でした。
「お兄ちゃん!」
香菜は俺の寝ているベッドまで走ってくる。
「心配・・・・・したんだからね・・・・・」
俺の元まで来ると、途端に泣き出してしまった。
「死ぬかと・・・・思ったんだよ?・・・・・」
どうやら俺が死ぬかもしれないと思っていたらしい。
俺は少しでも慰めようと頭を撫でる。
「うっ・・・う・・・・」
その後しばらくその状況は続いた。
―――――三分後
泣き止んだ香菜から事の顛末を聞いた。
話によれば、
「最近兄さんが碧さんのことばかり構っていて私に構ってくれないから。」
だそうです。
香菜が死んだと聞いて俺がどんな反応をするかを見たかったらしい。
予想より俺が動揺して、自殺でもしそうな勢いだったので、予定よりも早くネタばらしをしたらしい。
「はあ・・・・・そんなことしなくても俺は香菜一直線なんだかなあ・・・・」
そんなことを言ったら香菜は顔を真っ赤にしていた。
「嫉妬と言う奴だ。祐理君もなかなか大変だねえ。」
全くだ。碧の暴走を止めた後は妹の機嫌直し。体と精神が保たないね。
「いや~、でも祐理君を騙すのは骨が折れるね。君、嘘を見抜くのが上手いからね。」
「そうですか?俺、結構騙されやすいですよ?」
小川先生が見当違いなことを言っている。俺は人とのコミュニケーションが上手くないのでむしろ見抜けないと思うのだが。
「いや、君の目さ。祐理君は目を合わせただけで心を読むんだろう?碧君。」
ぬるっ
「そうですね。日常でも嘘を付くときは祐理さんと目を合わせては駄目です。確実にバレます。」
「ホワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
なんか出てきた!俺のベッドの下からなんか出てきた!
ぬるって出てきたあああああああああああああああああああ!!
「そ、そんな驚かないでくださいよ!」
いやベッドの下にずっといたと知ったら誰でもビックリするでしょ!
驚きと、碧と戦っていた時の恐怖を思い出し、現実逃避をしたくなった。
「いやあ、なんかカステラ食べたいなあ!」
現実逃避をしよう。
カステラカステラカステラカステラカステラカステラカステラ
やべえ、頭の中まで甘ったるくなってきた。
「プリン・・・」
に変えよう。色合い同じだけどなんとかなるだろう。
プリンプリンプリンプリン・・・・・・・・・
飽・き・た!!
ええい・・・・・誰か助けろ!(他力本願)
「兄さんがおかしくなった・・・・・」
「いつものことだと思うがね、私は。」
そういえば冷蔵庫の中にプリンが二つあったような・・・・帰ったら食べよう。
「いい加減戻ってください。」
メリメリ・・・
「ぴいっ」
アイアンクローとかしないで!こめかみの辺りから変な音がした!
痛みのあまり変な悲鳴を上げてしまった。なんか今のヒヨコみたいだったな。
「な、何だ・・・碧か・・・・・。あ、そうだ。碧、怪我は大丈夫か?」
碧が珍しく怒ったような顔をしている。
「多少は自分の怪我を心配したらどうなんですか。香菜さんはもとより怪我させた僕も罪悪感はあるんですから。」
「あ・・・・・・ご、ごめんなさい?」
碧に気圧されてつい謝ってしまった。碧は余計に不機嫌になってしまった。
「はあ・・・・・そこは謝るところじゃないですよ。むしろこちらが謝るべきなのに謝る気が失せちゃったじゃないですか。」
「いや、最初から謝らなくていいって。別に気にしてないから。」
こうして碧も戻ったし。痛みとか関係ないね。
「・・・・・・いいんですか?僕は・・・・・・貴方を殺そうとしたんですよ。」
俯きながら碧は拳を握り締めている。自分の事が許せないのかもしれない。
「気にしなくていい。俺は死んでないし、怪我もほとんど治ってる。碧が気にすることなんて何も無い。それでもと言うなら―――――」
俺は碧の額に弱く、出来るだけ弱く―――――
「これでチャラな?」
デコピンをした。
それに対して碧はまだ何か不満があるような顔をしていたが、納得してくれたようだ。
「全然納得出来ませんけど・・・・・祐理さんがいいって言うなら今回は納得してあげます。」
碧はいつもの微笑では無い、嬉しそうな笑顔を浮かべた。
俺もそれに対し、笑顔を浮かべた。
「そりゃ良かった。」
そのまま二人で見つめ合っていると、不意に小川先生が話しだした。
「君達、BLかい?」
「先生、違います。先生にはいない親友って奴です。あ、先生には友達もいませんでしたね。」
嫌味を言われたので嫌味で返す。
え?器が小さい?
「チッ・・・・やっぱりコイツが気を失っている間に生きたまま解剖してやればよかった・・・」
俺は知らぬ内に殺される所だったのか!?
「まあ、それは冗談として。祐理君、一つ気になる事があるんだが。」
小川先生が話を急に変える。
冗談で良かった・・・・
「何ですか?」
「目を見ただけで読める、と碧が言っていたが・・・・どうやって読んでるんだ?武人とかが相手の動きを読むと言うことをするのは知っているが、碧君曰く君のは異質だそうじゃないか。」
碧が俺の秘密をバラしたらしい。秘密と言うよりも俺についての感想だと思うが。
「う~ん・・・・・普通の武人がどうやって読むのか知ってます?」
小川先生が当然とばかりに頷く。
「ああ、相手が目を細めたり、見開いたりした時。後、相手の視線、だろう?」
「はい、大体合ってます。俺のもそんなもんですよ?碧は俺を過大評価してるんですよ。」
そこで不意に碧が口を挟んだ。
「いや、それはおかしいですよ。祐理さんの読みはその目だけでは読めないところまで読んでます。武人の読みを極限まで極めても祐理さんの読みには届かないと思います。」
極限とまで来たか。
「それこそ過大評価だろう。俺もそこそこ武術に関して、それも読みに関しては特に鍛えてきたつもりだが、まだまだ極限にまで至った、しかもその上にたどり着いた、と言ったレベルには到達していないと思うぞ。」
「じゃあ聞きますけど。随分前に僕と祐理さんで本気でやりあった時。何で僕が使う魔法の属性が分かったんですか?」
随分前、と言うのはおそらく碧の狂人化と俺が一対一でやった時の話だろう。
「そんなこと、あったか?」
そのような嫌なことは全て忘れました。嫌なことは忘れる性質なんです。
俺忘れろ忘れろ忘れろ忘れ・・・・無理だね。
「とぼけないでください。あの時は本気で驚いたんです。僕が次の次に使おうとしていた魔法を目を合わせただけで読まれたのは。」
・・・・・・今思い出したわー。(棒読み)碧が水の魔法を飛ばして来た時に、ふと目が合ったんだ。その時―――――
「もう一度水魔法を使ってからいきなり火魔法を使おうとしてたんだ。それで、斬撃を飛ばした。だっけ?」
「やっぱり。完全に読んでたんだ。本当にあれ、どうやって読んだんですか。次の次だから属性は絶対に読めないはずです。」
いや・・・・・言ってもいいけど・・・・・
「あのな、そんな過大評価しないでくれ。俺の読みは何となく、なんだよ。勘みたいなもんだ。」
俺の言葉に碧が驚く。
「いや、それこそとんでもないんですけど。僕も読んでいる時にここだ!って分かる時はありますけど・・・・・・もしかして水無月ってそこから生まれた、とか?」
「ん?よく分かったな。その通りだよ。」
そこで少し間が空いた。
「プッ・・・・・アハハハハハハハハハハ!!君はどこの○ュータイプだい。これから相手の行動を読んだ時はしっかり効果音をつけた方がいいかもしれないぞ。」
小川先生のやや甲高い笑い声が響く。
見えるぞ、私にも敵が見える。みたいな?
「俺にもあの能力欲しいですよ。敵の敵意を読んだりとか、遠くの敵を感じ取ったりだとか。いや、考えるだけでもどれだけ便利か想像出来る。」
「いいだろう、してやる。ただし・・・・」
「もう想像ついたからいいです。どうせ解剖させろとか言うんでしょ?」
「今すぐ頭の中見せろやあああああああああああああ!!」
なんだこの人!段々危ない人になってるな!
「たぁっぷり可愛いがってやるからよお・・・・」
手をワキワキさせながらゆっくりと小川先生が近寄って来る。
たまにこの人のノリについていけないんだよな。
「・・・・・・・・・」
俺の選択肢は一つ。
安定のスルー、だ。
これ、使えるよね。一瞬白けるけど。
・・・・・・・・・・
一気に周囲が静かになり、先生を皆が見つめる。当の小川先生はそのままの体勢でピッタリと硬直している。
やがて小川先生が場の空気に耐えられなくなったのかいつもの表情に戻った。
「えー・・・・コホン。話を戻そうか。」
どうやら俺の話に戻す気らしい。まあ、そんなことはさせないが。と言うより気になっていることを聞いてみることにした。
「先生、ずっと気になっていたんですが。なんで学校の保健室にいるんですか。先生、ここの先生じゃないですよね。」
小川先生は学校の先生などでは決してない。元々は日光中央病院の医者だったのだが、日光が滅び、俺達同様に東京に来た後は東京医療大学付属病院の医者のはずだ。
その先生が何故ここにいるのか。
俺の質問に小川先生が答えようとしたところを香菜が遮った。
「私が呼んだんだよ。学校の先生には兄さん程の重傷を負っていても治せる先生を知っているって言ったらOKだったよ。」
「医師免許を見せたらあっさり通してくれたぞ。この学校のセキュリティはちょろいな。」
魔法兵士の卵。元魔法兵士や現役から一時的に身を退いているだけの先生達。これだけ強い連中が揃っているところに喧嘩を売るような奴等はまずいないだろうからな。
禁忌級の魔法兵士となると違うのだろうが、そもそもの話、そのレベルの奴等に標的にされた時点で一巻の終わりだと思う。
「先生が俺の治療をしたんですか・・・・」
「何だ、不満か?」
「いえ、だから俺の体は完全に治ってるんですね。」
小川先生は他人に強化魔法をかける希少な魔法が使える人だ。主に付与魔法と呼ばれる魔法がここに該当する。
基本的に自分にしか強化魔法は使用できないが、希に他人にも強化魔法を使用出来る人がいる。このタイプの魔法が使用出来る人は非常に重宝され、篭城戦の際などは最優先で配給が配られる。
付与魔法を使える人の中でも小川先生は有名人だ。本来、付与魔法は、自分を強化する時よりも弱くなってしまうので治せても軽傷ぐらい、と言うのが常識である。よっぽど優秀な付与魔法使いでも一日二日かけて骨のヒビを治せる程度だ。(あくまで治せるのはヒビ。骨折は治す前に大体魔力が切れる。)
その常識を覆したのが、今、俺達の前にいる小川先生だ。
例え腹に大穴を開けていても僅か一時間程度で治し、骨折だろうと粉砕骨折であろうと二時間でも1日とかけずに治す。それが小川先生だ。
今の付与魔法のありかたに憤慨し、より早く、より確実に強化魔法を他人に付与する魔法を研究して、現代の付与魔法のありかたを大きく変えた人物である。
付与魔法を研究している人達の中ではかなりの有名人らしい。
その小川先生に治療してもらったおかげか、変な方向に折り曲がっていた腕とかも治っている。
「香菜が呼んだ先生が小川先生だと知ったら学校側も断れないでしょう。」
この学校にも付与魔法を研究している(していた)先生もいたはずだ。小川先生なんか呼ばれたら断るどころか歓迎するはずだ。日光にいた時なんかは先生の勤めている病院に小川先生貸して!と言う連絡が毎日のように来ていたらしい。
「ああ・・・・・この学校内を歩いていたら物凄かったぞ。小川様、とか言ってくる奴までいたな。中々に良い気分だったぞ。」
「楽しそうですね・・・・」
色々な意味で。
「そうだ、祐理君を治している途中でこの学校の先生が妙なことを言っていたぞ。」
「妙?」
「ああ、『水雪君に小川先生の加護あれ』とか言っていたな。」
いつの間に小川先生は神格化したんだ?
「俺には小川先生の加護がついているんですか・・・・」
「私も一緒に言ったよ。」
「僕も一緒に言ってました。なんか途中から皆、変なテンションになってましたよね。」
「ですよねー」
香菜と碧が楽しそうに喋っている。小川先生が頑張っていて、俺が生と死の狭間をさまよっている時、こいつらはふざけ合っていたらしい。
べ、別に心配して欲しかった訳じゃないんだからね!
「祐理君、頼みがある。」
「何ですか、解剖は勘弁です。」
こんなところで殺されてたまるか。
「チッ・・・・・いや、君の能力を試そうと思ってな。じゃんけんをしないか?」
「俺の能力がじゃんけんにまで効果を及ぼすと思ったんですか・・・」
別にそんなことをしなくてもいいような気がする。後舌打ち、舌打ちやめなさい。それだけで身の危険を感じるわ。
碧はその話を聞いて気まずそうな顔をしている。
「別にやらなくても・・・・」
「さいしょはグー!」
「ええい・・・・つくづく人の話を聞かない人だ。さいしょはグー!」
「「じゃんけん―――――」」
小川先生と目が合う。
・・・・・グーじゃね?
「「ぽん!」
俺 パー 小川先生 グー
俺の勝ち。
俺に負けたのがよっぽど悔しいのか、小川先生はプルプルと震えている。
「・・・・・・・三回勝負だ!」
「どこの小学生だ・・・・・」
小学生とか中学生でいるよね。自分が負けたらこんなこと言い出す奴。
「「さいしょはグー!―――――じゃんけん」」
小川先生の目を見る。
チョキじゃね?
「「ポン!」」
俺 グー 小川先生 チョキ
「ま、まだだ!後一回残っている!」
そんなに俺に負けたのが悔しいのだろうか。じゃんけんなんて運だろうに。
「アハハハハハ・・・祐理さん、じゃんけんで負けたことないですよね。」
まあな、朝日に挑まれたことはあるが、負けたことは無いな。
「「さいしょはグー―――――じゃんけん」」
小川先生の目を見る。
あ、後出しするんじゃないかな?この人。
「「ポン」」
俺、パー 小川先生 後出し グー
うわあ、後出しで負けるとか・・・・・これ俺が強いんじゃなくて先生が弱いんじゃね?
「ご、5回勝負だ!」
うわあ、負けたらペナルティとか言ってる奴が負けた時に言う奴だ、それ。
小川先生はやや涙目だった。
「祐理!目をつぶれ!それは反則だ!」
俺の能力の検証じゃなかったか?
小川先生がおそろしい剣幕でまくし立てるので、俺は仕方なく目を瞑った。
「「さいしょはグー―――――じゃんけん・・・・ポン」」
俺 チョキ 小川先生 パー
「嘘だ!」
嘘です。目をつぶる前に先生の目を見て読んでました。
「嘘です。目をつぶる前に先生の目を見て読んでました。」
あ、口に出してしまった。
「祐理、薄情したな・・・・次は負けんぞ。」
どんだけ負けず嫌いなんだよ。
「「さいしょはグー―――――じゃんけん・・・・ポン」」
俺 グー 小川先生 チョキ
「うわあん、もう祐理嫌い!」
遂に小川先生は泣き出してしまった。
この人は・・・・
その後、十数回じゃんけんを繰り返した。
その間、俺は目をつぶっていた。
この実験で分かったことがある。
小川先生はじゃんけんが弱い。以上。
相変わらず鈍亀投稿です。
次も遅くなると思います。




