第3話 年上
「まだとけてねぇの?もうみんな先の先行ってるぜ?取りあえずなんか書いてみろよ、したら教える。」
二日目。
笹本はなぜかあたしをターゲットにしている。
そうだろうなぁ。だってみんな頭よさげな奴しかいねーもん。まず身なりからしてあたし馬鹿っぽいし。
「はいはい。」
「教室一回りする間になにかしら書いておく事!」
「はいはい。」
笹本がため息をついたのが見えた。
えーっとY=2Xだからえーっとこれに当てはめて、うーんと、。よし出来た。ふふーん、笹本め、おまえが教えるトコはねぇ!!やれば出来るんだねあたし。
「ちょっとそこの日下部?解けたんなら次の問題やっとく!」
ばればれだしあたしの経過。はいよやりますよ、全部やっとけばいいんでしょ!
「出来てるじゃん。えらいえらい。どれ、、」
教室一周した笹本はあたしの隣で採点中。
笹本って目細いなぁ、、。指きれいだなぁ、、。
あれっ?あたし今何考えてた?あれっ?
「これだけ間違ってる。どこから間違ったかわかる?」
「、、、さぁ?」
やばっ、考えすぎて返事冷たいよあたし。
「さぁってよく見てみろよ!考えてんの!?」
わー怒ってるよ。
「おまえ、顔赤くねぇ?熱あんじゃねぇか?」
「ねーよ。考えとくからあつちよんでっぞ。」
恋かなぁ。一目惚れかなぁ?タイプなんだよねなにげに。ただ年上に恋したことがないからなぁ。
「今日も補習出ないの?」
やはり階段を降り終わった所に笹本がいた。
「出ないよ。」
「いつ出るの?」
「あたしバイトなくても出ないよ。」
「なんで?」
「時間の無駄だから。」
そしてまた笹本の返事を聞かず去った。
「俺、おまえが一番心配だよ。」
夏期講習も中盤にさしかかりクラスの男・女どもはなんか仲良くなりわいわい休み時間もやっている。くだらねぇー
あたしは教室を出た。
ちょうど他のクラスで教え終わった笹本と出くわした。
「おっす!おつかれ!」
あれからやはり年上への恋はないだろうと冷静に考えこいつの事は先生なんだと思っている。
「やけに明るいね。なんか。」
ちょっと戸惑いぎみに笹本は言う。
「いつも暗いみたいに言うな。」
「ははっ。ねぇジュースでものまねぇ?俺カラカラでさ。おごるよ。」
「まじ?うれしい。」
にっこり笑う笹本の顔今でも忘れられない。
「俺コレ(教科書)置いてくるから下駄箱で待ってて。」
うなずくとあたしは下駄箱に向かった。




