第2話 一日目
そんなこんなで塾に着いてみると結構人がいるんだよね。
もう無いに等しい下駄箱の隙間に靴を詰め込み取りあえず塾長にあいさつしに行った。
「あのー今日からお世話になります日下部ですがー、、、。」
だっれも職員室みたいな部屋にいねーし。いっかぁ。
二階の中央で夏期講習は開催されているらしく教室内はがやがやとしていた。
えっと初めは数学だっけね。
見回すとちらちらこちらをうかがう目線が幾つか、、。だぁーいじょうぶだって!あたしあんたらのライバルに成る程の存在じゃないから!なんて思ってると先生?らしきTシャツに短パンの23くらいの男の人が入ってきた。
教室は一気に静まり返った。
「えー俺が数学担当の笹本。よろしく!さっそくだけど今から配るプリントやってみて。」
、、、若い、大学生か?大丈夫か?
、、、っーか全くわからん!!
「わかんない?」
その笹本は一番後ろに腰掛けたあたしの隣でさっそく教えはじめた。
「次の問題も同じ要領でやってみ?解けるよ。」
そういってペンの止まっているような人の所へ行った。
ふぅーん、、。やるじゃん若者。なんか楽しくなりそーっ。
一日勉強するともう思考能力ゼロ!くたんくたんだよ。でもあたし今からバイトなんですよ。授業終わるとさっさと教室を後にした。
「えーっと日下部だっけ?」
階段を降りきった所で確か笹本登場。
「はい。」
「帰るの?今からみんな補習時間だよ?」
「あたし補習しなくてもいいよ。それにバイトあるし。それって任意でしょ?」
そういうと笹本の返事も聞かずあたしは去った。
「、、、たぶんおまえが一番必要だよ補習、、。」
っていう返事も聞かず。