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エトセトラボックス  作者: 鈴木真心
リアルビューティー
8/25

御免なんです。

青い海、白い雲、眩しい太陽に…



「……はあ。」



溜め息混じりなあたし。


そう、来てしまいました。

むかつくほどの美人率いる『恐怖の夏合宿』に!


ああ、日差しに倒れてしまいたい。

そして救急車で運ばれて、熱中症だからすぐ帰宅しなさいとかドクターストップ掛かって、わだかまりもないままに『それじゃあ仕方ないよね』的な空気で意気揚々とこの場を去れるのに!



「まだそんなこと言ってるの、あかりさん。」



出た。



「言ってませんが。」


「モノローグで。」



だから、お前はエスパーか。



「毎回読まないでよ、プライバシー侵害しまくりだよそれ。」


「だだ漏れなんだもん。」



にっこにっこと相変わらずなエフェクトを飛ばすは、事の元凶、久留米航太。


あたしは極力関わりたくないから自力で行くと言ったのに、無理矢理サークルメンバーの車に押し込まれた挙げ句、ちゃっかり隣に座りやがって、根掘り葉堀り根掘り葉堀り…



「お前は何なんだ!」


「まあまあ。」



何がまあまあなのか!

何が!!!!!

いっそのこと、こいつのエフェクトで倒れたらいいのに、あたし。



「……はあ。」


「溜め息吐くとしあわせ逃げるよ。」


「…もう逃げてる。」



あんたの所為で。


見上げた空はやっぱり青く、少しだけ、これからに涙した。




「何あいつ。」


「航太にべたべたしちゃって。」



冷たい視線と大いなる誤解には、まだ、気付くことなく。


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