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エトセトラボックス  作者: 鈴木真心
本当はヒナコさんが主役のシリーズ
4/25

ピリカニズム―単位は"柱"です―

「今日もいい天気だ。」



煎れたての緑茶片手に、うーんと伸びをして、澄んだ青空に目を細めた。

うんうん、とても清々しく素敵な朝だと思う。

大満足。

ちーちゃん(彼女)は今頃、ラクダに跨がって悠々と出勤中なんだろうなあとか、これまた清々しく、頬を緩めて考えてたりした。


僕はピリカ・ココ・町村。

オレンジの髪にグレーの瞳をしていて、自分でも正直、何人なのかは既にわからない。

町外れのこの村で、占い師をやっていたりする。

最近の僕の興味は、お隣に住んでる眼鏡少年と、斜め向かいのニコチン中毒な彼女と、そのお隣の少しMっ気があると思われる美形な彼だ。



「ヒナコさーん。」



朝っぱらから堂々とニコチン中毒な彼女、渡辺ヒナコさん宅に了承なく乗り込んでいくMな彼、車谷ルビーくんの姿が見えた。

ああ、毎度のこととは言え、僕はわくわく…いや、はらはらしてしまう。



「ルビーてめ!あたしはまだ寝てたんだよ!」

「イタッ!…酷いよ、ヒナコさん…。」



外にまで響き渡るガシャーンっという音と、打たれ強いのかあんまりこたえてなさそうなルビーくんのちょっと気の抜けた声。



「今日も平和だなあ。」



呟いて緑茶を見れば、茶柱が立っていた。



「柱って、神様を数える単位だよね。」



てことは、僕の緑茶に一柱。

神様が降りたってことで。



「いいことあるかなあ、ちーちゃん。」

「え、僕は田中ウサギですけど。」



ちょうど前を通り掛かったお隣さんに、怪訝な顔でそう言われてしまった。


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