性癖、ドMにつき!僕を踏んでください!〜 ver. 卒業の春〜
僕の名前は、板井貴望射。
成壁高校に通っている。
クラスは1年1組。
見た目地味のド陰キャ。
気の合う友達はおらず、クラスでは専ら浮いている存在。
「おいぃ板井!パン買ってこいよ!」
「はい!ただいまぁ!」
「…おぃぃ!なんで菓子パンなんだ?普通焼きそばパンだろクソが!」
「すみません、あっん」
「おつかいもできねぇとかザコだろ。この程度で終わると思うなよ。おいお前らもやってやれ」
「あっ、はん、うん、おふぅ、ひん」
「オラオラどうしたどうしたぁ」
「ひゃん、いぃ、ふぎゅう、んんぅ!」
「泣いたって、誰も助けに来ねぇんだよ!」
「そこ!何してるの!やめなさい貴方達!!」
「んだぁ?」
声をかけてきたのは学年一の美女、成素純子。
成壁高校理事長の孫であり、僕が密かに恋心を抱いている女性。
取り巻きを数人連れている。
「くっ、生徒会かよ、行くぞお前ら」
「…どうして」
「貴方、板井くんでしょう?1年1組の」
「なんで…」
「生徒会は全ての生徒を把握しています。君もその1人」
「あぁ…」
「彼らの暴力は目に余ります……ですがイジメの原因は貴方自身にもあるのではなくって?内向的な性格、変えた方がいいと思うわよ」
「あぁ…いい」
鋭い眼、高圧的な態度、なんて素晴らしいんだ。
彼女への想いは増すばかり。
数日後。
「この前はよくも邪魔してくれたなぁ」
「貴方達やめなさい!こんな事、理事長に報告するわよ」
「あー怖い怖い。でも今日は取り巻きいねぇんだよなぁ」
「兄貴この女皆でまわそうぜ」
「そうだな、散々舐めた報いだ。覚悟はできてるよなぁ?」
「ひっ!」
「ってーなおい!誰だ?」
「彼女を離してください」
「板井ぃ!救世主気取りかコラァ!」
「早く!」
「オラオラどうした?さっきの威勢はよぉ!」
「あん!ひん!おふ!うぅん!」
「二度と逆らうなよな!」
「は…ぃん♡」
「板井くん、ありがとう助けてくれて。意外と勇敢なのね、格好良かったわ。それで、その、あの、もし良ければ私の彼氏になってくれない?」
「ちが……」
「え?」
「ちがうぅぅぅぅ!そおじゃないぃぃぃぃ!君はもっとドSでいてくれよぉ!踏んでくださぃよぉ!さっきの不良みたいにぃ!純粋清楚はいらないんだよぉ!!」
こうして、春は終わりを告げだ。
【Fin】