魔女っ娘栞ちゃん
2024年01月17日 (水) 08:37に掲載した「イラスト&レビューをいただきました 企画に参加しました」の割烹で投稿したストーリーを少し改稿し、掲載したものになります。
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本好きの妖精香那は、今日は散歩しようと外に出てぶらぶらとしておりました。
すると、顔面から思いっきり誰かがぶつかってきて、2人共に倒れてしまいました。
香那は顔を上げると、そこには黒い服と大きな黒い帽子を被った女の子がおりました。
「ごめんなさい。怪我はしてませんか?」
「こちらこそごめんなさい。私は大丈夫です。貴女は?」
「勿論大丈夫よ。つかぬことを聞きますが、もしかして魔女さん?」
「えっと……多分そうみたいです」
香那は、魔女香月様に同様の衣装と変わった杖を持っているので魔女だと思いましたが、見事に当たっていて嬉しくなりました。
「私は香那。よろしくね」
「私は栞と言います。よろしくお願いします」
2人はお互いに自己紹介をし、握手をしました。
「ねぇ、魔女なの?と言う質問に多分と答えていたけど、どうして多分なの?」
「それはですね……」
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本好きの小学生の栞ちゃんは、友達の明里ちゃんと一緒に、友達である陽菜ちゃんの家にお邪魔して、遊んでおりました。
「2人とも久しぶりに私の家来たし、折角だから再び仮装しない?」
「え、良いの? 嬉しいな」
「良いね。私も乗った!」
栞ちゃんは猫耳の魔女、陽菜ちゃんはアリス、明里ちゃんはデビルと仮装します。
3人が仲良くなった時の記憶が鮮明に蘇りました。
栞ちゃんは、鏡に写っている仮想した自分を見て、やっぱりこの衣装可愛いと見つめていると、急に鏡がピカッと光り、その後体が浮いて、吸い込まれたのです。
そして、気づいたら先程仮装していた服とは異なり、見たこともない黒い服に黒い帽子を被っておりました。
栞ちゃんは、何が起こったのか理解が出来ないままボーとしていると、突如箒が出てきて、栞ちゃんを乗せて何故か飛び始めたのです。
最初は箒から手を離しそうになりましたが、何とかバランスを取って箒に乗ることが出来たのでした。
しかし、箒は止まることなく、進み続けます。
どうやって止めたら良いのか分からずに、困っていたところにぶつかったのが香那。
こうしてようやく箒を止めることが出来たのでした。
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「じゃあ何で魔女になったのかも分からないし、どうやって帰るのかも分からないのね」
「そうなんです。本当に魔女になった理由がよく分からないのです。もし帰れなかったらどうしましょう。陽菜ちゃんや明里ちゃんを心配させてしまいます」
「私も帰り方はよく分からないの。ごめんね。でも、他の魔女さんは知っているから取り敢えず連絡取ってみるね」
香那は、魔法の手紙を使って香月様に連絡をすぐ送り、栞ちゃんのことを伝えました。
すると、返事はすぐに返ってきて、送られた機械の指示に従って栞ちゃんの箒でこっちに来てと書かれてありました。
香那と栞ちゃんは、すぐに箒に乗って、その機械についていきます。
暫くすると、香月様の家に到着し、箒も無事に止まったのでした。
2人の到着に気づいた香月様は、すぐに家に入れて部屋へと案内をしました。
「お久しぶり香那ちゃん。そして、初めまして栞ちゃん。私は魔女の香月よ」
「お久しぶりです」
「初めまして魔女様。私は栞と言います」
3人はここでまず軽く挨拶を済ませます。
「栞ちゃん、貴女からは月の魔力を感じるわ。きっと今日は満月だから、その不思議な力がたまたま栞ちゃんに作用してここに来て魔力を持っただけよ。すぐに帰れるわ」
「何が何だかよく分かりませんが、取り敢えず帰れるようでよかったです。どうやって帰えれば良いのでしょう?」
「月が沈めば嫌でも帰れるわよ」
「じゃあすぐには帰れないと言うことですか? すぐに帰らないと友達も家族も心配しちゃいます」
「大丈夫よ。帰る時は、来た時と同じ時間に戻れるから問題はないわ」
「それなら安心ですね」
栞ちゃんは、周りに心配をかけるはないと分かり、安心しました。
「栞ちゃん、折角だから魔法を自分で使ってみない? 楽しいわよ。例えばこんな感じで。ビビデバビデブー!」
香月様は呪文を唱えると、香那はピンクのドレスを着た、キツネに変身しておりました。
「香那ちゃん、キツネどう? オオカミとどっちが好き?」
「どっちも最高です! キツネの尻尾も良いですね」
香那は嬉しくてクルクルと回って喜びました。
「ほら栞ちゃんもやって見ましょう! どの杖が良い? 好きなの選んでね」
香月様が見せてきたのは、何十本もある杖。
それぞれ形が違いがありながらも、どれも可愛いので、悩んでしまいます。
「この2つ可愛い! でも、少し持ちにくいかも」
「これは持ちやすいけど、少し重いかな」
「これは持ちやすくて、重さも丁度良いけど、先が尖っていて誰かに当たったら怖いな」
「これなら持ちやすい・軽い・先が丸いの三拍子が揃っていて良いわね」
栞ちゃんは、悩んだ末に扱う杖を決めました。
杖が可愛くて見惚れてしまいます。
「変身したい時は、変身したい姿を思い浮かべながらビビデバビデブーと呪文を唱えるの。そしたら変身出来るのよ。頑張ってやってみて」
「栞ちゃん、頑張って!!」
栞ちゃんは、2人の応援を受けて、杖をしっかりと握り、まずは変身したいものをしっかりとイメージをします。
そして、呼吸を整えて、腕を上げ、ビビデバビデブーと呪文を唱えながら思いっきり杖を振りました。
しかし、杖を自分に向ける前に呪文を唱えてしまったため、その光は香那の方に向かってしまい、香那はあっと言う間に変身してしまいました。
ストレートロングの金髪で、右目が緑と左目が水色のオッドアイ、右目にモノクル、真っ白な肌に、大きな薔薇の刺繍が入った鮮やかな肩出しの赤いドレス、とても細くて高いハイヒールとミステリアスな美女になっていたのです。
「栞ちゃん、これは一体何を想像したの?」
「それは、昨日読んだ『カナリア・バーモントの華麗なる事件簿』のカナリア・バーモントです」
「それって面白いの?」
「普通ですね。設定も表上は人気ミステリアス女優ですが、裏は名探偵と言う、けっこうありきたりな設定ですし、トリックもけっこうありきたりですから」
「じゃあ何で彼女なの?」
「ただ大人の美女に変身してみたい、それだけです」
「なるほどね」
栞ちゃんは、自分が憧れの姿になることができなくても、香那がその姿になり、自分が魔法を使うことが出来たのだと実感し、嬉しくなりました。
「杖を使えば魔女になれるなら私も自分で変身させたい!」
香那は栞ちゃんの杖を貸してと手を伸ばし、呪文を唱えました。
しかし、栞ちゃんはその時まで手を離しておらず、杖が自分に向かっていたため、今度は栞ちゃんが変身をしてしまいます。
それは、5歳ぐらいの女の子で、緑色の袴と頭の上に綺麗な花飾りを付けておりました。
「栞ちゃんがハナちゃんに変身した!」
「ハナちゃんって誰ですか?」
「私が最近書いた作品で、「初夢が見たい」という物語の主人公がハナちゃん。ハナちゃんは5歳ぐらいの設定で、これは冒頭に書いている友人のアイちゃんと会った時の衣装がこのイメージってわけ!」
「なるほど。可愛い女の子ですね」
「でしょ。可愛いでしょ。この作品はレビューも貰ったし、お気に入りなんだ」
「素敵ですね。羨ましいです」
「そうでしょう。自慢して正解だったわ」
「他にどんな作品を書いているのですか?」
「そうね……私は基本書きたいと思ったものを書いているから、特に決まりはないわ。ジャンルは多様かな」
「自分の書きたい作品をありのままに書くことが出来るのは大変楽しそうですね」
「執筆は楽しいよ。栞ちゃんは何しているの?」
「私は本を読んだり、友達と遊んだりします」
「素敵ね。本当に楽しそうだわ」
こうやって2人は、それぞれがお互いに変身したかった姿を見ながら、お互いにそれぞれのことを話し合い、楽しい時間を過ごしたのでした。
月が沈み日が出てくると、栞ちゃんの体は急に浮遊して、ピカッと光ってあっと言う間に消えてしまいました。
香那は一瞬の出来事に少し呆然としてしまいました。
「お別れ……言いたかったな」
「別に言わなくても良かったんじゃない」
香那は最後にきちんと挨拶をしてからお別れの言葉を言いたかったと残念に思い、それと同時に悲しくなりましたが、香月様は香那の言葉を優しく否定しました。
香那は何でと不思議に思い、こう垂れていた頭を上げ、香月様の方へと顔を向けます。
「別れの言葉が無かったのはまた会えるかもと言うことかもよ。そうポジションに捉えなさい」
「そうですね。きっとまた会えますね」
栞ちゃんと一緒に過ごしたのは、たった一晩と言う大変短い時間。
それでも、とても濃厚な時間を過ごした大切な時間です。
再び会えると信じて、また今度会う時は友人達にも紹介出来ると信じて、香那は笑顔で家に戻ったのでした。
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「「栞ちゃん、早く遊ぼ!!」」
栞ちゃんは、目を開けると、いつものように陽菜ちゃんと明里ちゃんに声をかけられておりました。
服も元々来ていたら仮装の服です。
そのため、あれは夢でも見ていたのと不思議に思ったものの、今は気にしないで、2人と遊ぶことにしました。
「「バイバイ!!」」
2人と楽しく遊んだ栞ちゃんは、自分も手を降って「バイバイ」と返して、そのまま真っすぐ家に帰りました。
そして、家に着くと、「ただいま」とお母さんに声をかけてから、すぐに自分の部屋に入りました。
部屋の中を見渡すと、机の上に何かが置いてあるのに気づきました。
机の上は出かける前に綺麗に整理したのに、何で物があるのだろうと不思議に思って近づくと、そこにはある髪飾りがありました。
それは栞ちゃんがハナちゃんに変身した時の髪飾り。
そう、香那や香月様と会ったのは夢ではなく、本当だったと言うことを示していたのです。
栞ちゃんはそっと髪飾りを手にとって、そっと髪に挿し、優しく髪飾りを撫でました。
「本当に楽しかったな。また2人に会えると良いな」
妖精香那:ひだまりのねこ様
仮装した栞ちゃん:腹田 貝様
魔女っ子栞ちゃん、オオカミ香那:四月咲 香月様
カナリア・バーモント:風音紫杏様
ハナちゃん:みこと様
を使用させていただきました。