妖精はパーティーに誘われる
2023年12月15日 (金) 19:08に掲載した「AIイラストいただきました&感想500件突破しました&企画参加の新作を投稿しました」の割烹で投稿したストーリーを少し改稿し、再掲したものになります。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/2545579/blogkey/3235092/
あるところに、本好きの妖精・香那と言う者がおりました。
彼女は少し前に、目的とした温泉に入ることができ、現在も浮かれていたところに、ある一通の手紙が届きました。
「香那ちゃんへ
突然手紙を送ってごめんなさいね。
実はね、オオカミだけが参加できるパーティーが数日後にあるのよ。
だから、オオカミとして、そのパーティーに参加してみない?
貴女宛ての招待状を今私が預かっているの。
行く返事出してくれたら、そちらに付き添いの者を向かわせるわ。
香月より」
なんと、その手紙は、温泉に連れて行ってくれた魔女様からでした。
それにしても、温泉と言い、今回のパーティーと言い、自分をここまで楽しませてくれるなんて、大変優しい方だなと思いつつも、変わった魔女だなとも思ってしまいます。
こんな素敵なチャンスものにしないわけにはいきません。
香那は、すぐに行きますと言う手紙の返事を出したのでした。
今まで以上に浮かれていると、友達達が声をかけてきました。
サッちゃん「とても楽しそう!」
みーちゃん「寒いのに行くにゃんてもの好きだにゃー」
ねこまろ「私も一緒に行きたいにゃー」
くろねこまろ「一緒に行けにゃくて残念にゃー」
みーちゃんは相変わらず寒いのが苦手なため、否定的ですが、サッちゃんやねこまろ、くろねこまろは羨ましがっているようです。
香那はまたお土産話を持って帰るからねと約束をしました。
そして、2週間。
香那がずっとソワソワして楽しみにしていた日がついに来ました。
付き添いの者がこちらに来ると言うことで、今か今かと待っていたところ、トントンと扉を叩く音が聞こえました。
その音を聞いてすぐに香那は急いで扉を開けると、そこにはなんと大きなオオカミがいたのです。
「初めまして。香月様から頼まれて参りました」
「初めまして。私、香那って言います。ワンコちゃん、よろしくね」
「ワンコではなく、オオカミなのですが。香月様と同じことを仰りますね」
「やっぱり可愛いワンコちゃんよね」
「まあ、別に構いませんがね。では香那様、早速参りましょうか」
「はい!」
香那は友達に手を振って、「行ってくるね」と挨拶すると、
全員「「「「香那ちゃん、楽しんできてね」」」」
と大きく手を振って、見送ってくれました。
ワンコに連れられてまず向かった場所は、こじんまりとした少し不気味な小屋でした。
香那は少し怖さを感じながらも、ワンコが先々と進んで行くので、付いていくしかありません。
しかし、とある場所を案内されると、見覚えのある声が聞こえてきて、その不安は一瞬にして、消え去りました。
「香那ちゃん、お久しぶり。元気にしてた?」
「はい。元気です!」
「ふふ、良かったわ。もう少しでこの作業が終わるからちょっとだけ待っててね」
香那は返事をして少し待つことにしました。
それにしても、外からは想像がつかない小屋の中に驚きます。
この小屋の中には、見たことがないものが多くあり、特に人形や衣装、イラストのデザイン画などがメインであり、その凄さに圧倒されておりました。
「お待たせ。では、早速着替えましょうか。ビビデバビデブー!」
すると、香那は青髪のロングストレートのオオカミになり、そして、今回は前回の服とは異なり、ピンク色のフリルが多くついた綺麗なドレスに変わっておりました。
「素敵!」
「今回は対象的なピンクにしてみたわ。気に入ってくれたようで嬉しいわね。では、楽しんでらっしゃい」
香那はワクワクしながら、ワンコに再び連れられて、会場に向かいました。
しばらく移動していると、大きな館がありました。
「ここが会場ですよ」
ワンコが扉を開いて案内すると、そこにはとても広いエントランスが広がっておりました。
「なんて素敵な会場なの。まるでお城のようだわ」
あまりにも嬉しくて、その場で舞い踊ってしまいます。
その足はとても軽いものでした。
まるでお姫様になったような気分。
そのため、腕を組んで少しだけ高圧的な態度をとって、高飛車なお姫様の真似をしてみました。
「あら、多くのオオカミさんがいらっしゃること。でも、私の美しさには誰にも叶いませんわね。私が1番の注目の的ですわ。オーホッホッホッ。そう思うでしょう、ワンコちゃん」
「楽しそうで何よりです」
「そんな冷ややかな目で見ないでよ!」
せっかく気持ち良くやったのに、ワンコ呆れた目で見られて、少しだけ恥ずかしくなってしまい、真似るのをやめました。
そして、少し頬を赤めたまま、真っすぐに会場へと向かいます。
会場に入ると、そこには多くのオオカミがいてすでに楽しそうにお喋りをしておりました。
香那は、元々大変社交的な性格。
そのため、躊躇いもなく1番近くにいたメスのオオカミ達のグループに明るく挨拶をして話に混ぜてもらいました。
「初めまして。私、妖精の香那です。実は香月様とワンコちゃんの手助けのお陰でここまで来ました。よろしくお願いします」
「あらあら。大変可愛らしいオオカミ姿の妖精さんね。こちらこそよろしく」
こうして香那はあっという間に、見知らぬ子と仲良くなることが出来ました。
彼女達と他愛のないお話をしていきます。
何処から来たのとか、好きなことはとか、様々です。
最後には、最近何をしていると言うお話でした。
「私は最近、詩や小説を書き始めて楽しんでいます。そして何よりレビューを書いている時が1番の幸せです」
「執筆よりもレビューなのね。どちらも楽しそうね」
「ええ、本当に。皆様はどんなことを楽しんでおられますか?」
「私は……」
香那達は、そんなありきたりな会話から、大きく話が弾み、すぐにもう前から友達であるかのように打ち解けておりました。
そうして楽しい時間はあっという間にすぎていきます。
「皆様、ようこそいらっしゃいました。今からパーティが始まります。では一斉に踊りましょう!」
アナウンスが入り、みんなはパートナーを作り始めました。
そして、それぞれ踊る準備を始めていきます。
「ワンコちゃん。さあ一緒に踊りましょう」
「私で良いのですか?」
「勿論。よろしくね」
香那は、ワンコにサッと手を差し出して、踊りを誘いました。
ワンコは突然の誘いに驚くものの、嬉しそうに笑みを浮かべて、その手を取ります。
すると、ちょうど音楽が始まり、みんなは音楽に合わせて一斉に踊り始めました。
みんなはこと時を待ちかねていたようで、踊っているみんなの表情はとても楽しそうです。
勿論、香那達も一緒に楽しんでおります。
それはそれは最高な時間でした。
その後は、美味しいものを食べたり、お喋りしたり、また踊ったりして十分に楽しんだのでした。
香那は、これはみんなに良いお土産話が出来そうだと嬉しくなります。
「ワンコちゃん、本当にありがとう。また、香月様にもお礼よろしくね」
「楽しんでいただけたようで何よりです。必ず香月様に伝えておきましょう」
こうして、香那とワンコは微笑みながら帰っていったのでした。
妖精香那:ひだまりのねこ様
サっちゃんとみーちゃん:アホリアSS様
ねこまろとくろねこまろ:歌川 詩季様
オオカミ香那:四月咲 香月様
を使用させていただきました。