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よく見ると、手紙には紙面の端に何か書かれている。
誰かの名前だった。
それもよく知っている名前だ。
文字の端が紙面から飛び出て判読しにくかったが……。
でも、……何故か弘子という名前だと読みとれる。
一郎くんがことのほかはしゃいで書いたのだろう。元気いっぱいに大きなペンで書かれた弘子という名前は他の字よりも数段大きかった。
綺麗な女の人だね。その人もこっちへ来ているんだ。ねえ、遊ぼうよ。きっと絶対楽しいよ。と、書かれていた。
手紙は突然に終わった。
ぼくたちはツギハギだらけだけどね……。