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41.何者?

お越しくださりありがとうございます。

 改めてお肉は焼いてもらい、それにプラスしてホットケーキを用意してもらいました。

「ネコにホットケーキを食べさせて大丈夫なのでございますか?」

 心配されましたが、ネコであってネコでなし。


 まあ、大丈夫でしょう。


 まだシロの正体が不明ですし。

 そんな事を言って、サラ=アンを心配させるわけにも参りませんわね。

「訳はまだ言えないのだけど、この子は大丈夫よ」

「お嬢がおっしゃるなら……」

 納得していないながらも了承してくれました。


 その後、お腹が満たされたシロは、サラ=アンとメイド達にきれいに洗ってもらいました。

「まあ、ニャンニャンって気持ちいいのかしら。可愛い〜」

 なんて皆さんはしゃいでらっしゃいますが、

「よきにはからえぇ。苦しゅうないぃ」

 この子、偉そうですわよ。 

 しかもちょっとオヤジくさいですわよ。

 

 皆には休むからと、シロと2人きりにしてもらいました。

 シロはきれいになり、お腹も満たされて、満足そうに仰向けで前足を枕に、後ろ足を起用に交差させて寝ています。

 ネコの骨格であんな寝相できるのね。器用ですわ~。

「それで、」

「なあにぃ?」

 私は改めて姿勢を正し、シロの正面に据えました。

 可愛いネコチャーンな姿に騙されてはいけませんわ。

 この子はレンの一番大事なものと引き換えに命を助けてくれたのだから。


 代償が伴う契約をする者……。

 例えば悪魔……とか……。


 私は恐る恐る尋ねました。

「あなたは……何者ですの」

「シロだよ。自分でつけたんじゃん。あ、後で素敵な名前つけてくれるって言ってたよねぇ! 早くつけてよぉ」

 私の決死の覚悟が吹き飛ぶほど軽いですわ。

「お名前ではなく、例えば私は人間です。そんな風に、精霊ですとか、悪魔ですとか、妖精ですとか、ネコですとか」

「ん~? それって大切ぅ? 僕の名前の方が重要じゃないぃ?」

「とても! 大切ですわ」

「えぇ~」

 私の気迫が凄かったのか、渋りながらもシロは話してくれました

「たしかぁ、この間は悪魔って言われていたと思うよぉ」

 や、やっぱり!

「またその前は精霊様って言われたかなぁ。前の前は神獣って言われた気がするぅ」

「……で、どれですの?」

「ん~どれでもいいよぉ」

 どれでもって……。

「なぜ悪魔と言われたのですか?」

「分かんないようぅ。お願いごと聞いてって言うからぁ、じゃあ君の一番大切な物頂戴って言ったら、それがその人のお金でさぁ。願い事叶えてあげたのに「この悪魔め」って言われちゃったぁ。酷くないぃ?」

「では、精霊様はどんな時に言われたのですか?」

「まだ聞くのぉ? そろそろ名前つけてよ~」

「では、この質問に答えてくださいましたら、もう質問は終わりにしますから」

「絶対だよぉ。美味しそうな魔力を持ってたからぁ、契約してその代わりに助けてあげたらぁ、精霊様って言われたよぉ」

「代償は取らなかったんですの?」

「最後の質問って言ったのにぃ。本当にこれで最後だよぉ。魔力の相性が良かったらぁ。契約すればぁ、僕もお腹いっぱいになるしぃ。代償が無くても魔法は使えるでしょぉ。ねえ、もういい? 恰好いい名前つけてよぉ!」

 何となく見えてきました。

 要は、恩恵の受け方によって呼び名が代わるという事ですわね。

 魔力の相性が悪いものは契約ができず、その代わりに代償を払って恩恵を受け、

 相性の良い者は、契約の元、代償無しで恩恵を受けられる。


 受け方によって呼び名が変わる、人知を超越した存在、という事かしら。


 では神獣はどうして。

 なんて聞いたら、「最後って言ってからが長いぃ」と文句言いつつ教えてくれます。

 案外いい子ね。

「ん~。教会に人がたくさん集まっていたから行ってみたらぁ、いきなり「神子の使いだ~」って神獣にされたよぉ。って、もうぅ~。また質問するぅ」

 ぷりぷり怒りながらお口チャックのポーズをします。

 本当、骨格どうなってるのかしら。まあ可愛いからいいですけど。


 つまり、私からすると精霊で、レンからすると悪魔という事になるのですね。


 レン……。


 まだ目覚めていないので、レンの支払った代償が何か分かりません。

「シロ、あなたが助けてくれた……」

「名前付けてくれるまでゼーッタイ何にも答えないんだからねぇ!」

 ずっと待たせてしまいましたものね。

 シロが「ぷんすこ」と聞こえてきそうな表情をしています。

 ネコって、頬を膨らませられるのですね。


 仕方がありません。シロと名付けた時はあまりにも時間がありませんでした。今度こそしっかり考えてあげましょう

 確かフランス語で「白」は「ブラン」だったかしら。

 でも意味は同じね……。外来語にしたら何となく格好いいというのは、シロをだましている気分になるから止めておこう。

 改めてシロを見ます。短毛の白い子猫の格好をしています。目はキラキラ輝く金色でした。

 日の光を浴びた雪のようにキラキラ光っているわね。

 雪か。いいかもしれない。

「シロ、リッカはどう?」

「響きは良いかなぁ。どういう意味ぃ?」

「遠い国の言葉でね。雪の結晶の事を言うのよ。雪ってよく見ると6角形で6枚の花びらがあるように見えるから、六花。シロは雪のように白くてきれいでフワフワだから。どう?」

 私の言葉にまんざらでもないようです。

「ふふん。いいんじゃなーいぃ?」

「ではシロ改めリッカ、よろしくね」

「あ、真名はシロのままだよぉ。悔しいけどさぁ。変えられないんだぁ」

「そうなんですね。ではリッカは仮の名という事でしょうか?」

「そうなるねぇ。悔しいけどさぁ」

 2回言いました。いい名前ではありませんか、シロ。

「まあ真名は他の人の前で言わない方がいいしねぇ。仮の名前付けとくのは普通だよぉ。乗っ取られちゃうしぃ」


 この方ったら、突然物騒なことをぶっ込んで来ましたわ。

お読みくださりありがとうございます。


本物のネコに砂糖の入った食べ物はダメです~

虫歯、気を付けてあげましょう。

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