37.選択
お越しくださりありがとうございます。
今回はきりが良い所までで切ったため、若干短めです。
「1つぅ、お兄さんを助ける方法がぁ、あるようなぁ、無いようなぁ~」
「あるの?!」
私はシロに詰め寄り、シロを両手でつかみました。
「ぐへぇ。いたいよぉ。でも、おすすめはしないよぉ」
「レンの命より大切な物なんてない。私の命だってあげる」
「お姉さん命捧げるの好きだねぇ。そんなのいらないってばぁ」
シロはレンの上にちょこんと乗りました。
「まだぁ、お兄さん魔力ぅ残ってるねぇ。お兄さんの魔力をぉボクに取り込んで使えばぁ、さっきみたいなことできるかもぉ?」
「そんなことができるの? シロ、素晴らしいわ!」
シロは褒められてまんざらではない顔をしています。
レンが助かる希望がある!
「でも、ねぇ、お兄さんの魔力とボク、すごぉく相性悪いんだぁ。お兄さんの魔力を使うのにぃ、お兄さんのぉ一番大切な物を一緒にもらわなくっちゃなのぉ」
「レンの一番大事な物? 私の物ではだめなの?」
「うん。本人の物でなくちゃ糧にならないよぉ」
一番大事なものと引き換えって……。
可愛い見た目に騙されたけれど、もしかしてシロは悪魔?
何かほかに方法は無いの……。
その時、視界の隅に、レンの抱えている少年が見えました。
この子とシロの相性が合うってことは無いかしら。
「シロ、この男の子との相性も悪いの?」
「ん~? あれぇ、この子魔力使い切っちゃってるよぉ」
他に、レンの一番大切なものを失わず、助ける方法は無いの?
そういえば、あと少しで騎士団の人たちが来るはず。その中に相性の……
「あ、お兄さんと命を繋ぐ糸が切れちゃうぅ」
ダメだ! 間に合わない!!
シロが悪魔でもいい。レンの命を助ける方法がこれしかないのなら。
レン、ごめん。
もし手足が無くなっても、目が無くなっても、一生私がそばで支えるから。
もしシロが悪魔なら、私が盾となって守るから!
だから、
だから生きて!
「シロお願い。レンを助けて!」
「りょおかぁ~いぃ♪」
シロはレンの上で背中を丸めると、一気に弓なりになりました。それを合図に、レンから水色の光がシロに流れ込んで行きます。
「うぅぅぅ~えぇ~。やっぱりお兄さんの魔力まずいぃ~」
「お願い。シロ頑張って」
「うえぇ~、吐きそうぅぅぅ」
私はシロの背中に両手を乗せ、思いっきり魔力を注入しました。
「口直しが来たぁ」
私の魔力を混ぜることで、何とか踏みとどまれました。
でも私は、魔力切れ寸前で意識が朦朧としてきています。
「よぉし。じゃあ行っくよぉ~」
シロが放出した虹色の光がレンを取り囲みます。
私はもう目を開けているのもやっとです。
手探りで、震えながらレンの手を強く握りました。
ぴくっ。
今動いた?
ぴくぴく。
「レンの手が動いたわ!」
レンの手、温かい……。
そのまま私は意識を手放しました。
お読みくださり誠にありがとうございました。




