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33/62

33.レンはどこ

お越しくださりありがとうございます。

おかげさまで10000PV達成しました。

他の作家さん達に比べると微々たるものですが、

正直誰も見てくれないかもと思いながら始めたので、感無量です。


今後ともよろしくお願いします。

 会議室はそれほど広くなく、部屋の大部分を長テーブルが占めていました。

 すでに20脚ほどある椅子は全て端に寄せられ、テーブルの中央にはドグラダ大陸らしき地図、ブレジール王国らしき地図、そしてマクライン領らしき地図が広げられています。

「セリーヌ、タレンツィオ君から最後にメッセージが来たのは何時くらいだい?」

「確かお母様と刺繍をしていた頃なので、大体10時ころです」

「失礼いたします。10時30分ののお茶の用意をするため部屋を出ようとした際に、セリーヌ様の「またメッセージ来たわ」と言うセリスが聞こえてきましたので、正確には9時55分です」

 サラ=アンが補足してくれました。

 あのメッセージが最後だと知っていれば、「また来た」なんて言わなかったのに。

 最後だなんて! 私ったら縁起が悪いわ。

 きっとまたメッセージは来る。きっと……。 

 トントン

「マクライン騎士団団長ガイナス=ダランコス参りました」

「入れ」

 入ってきたのは30代半ばと思われる、がっちりとした体形の男性でした。

「タレンツィオ=ラジヴィオラ公爵子息が1時間7分前から消息を断っている」

 お父様は時計を見て、瞬時に細かい時間を伝えました。


「1時間と7分前ですか……はあ……」

 ガイナス騎士団長は微妙な顔をしています。

「今朝旅立たれたのですから、普通だと思われますが……」

 この世界では電話もメールも無いのですから、この反応は当然でした。

「緊急時の為説明は省くが、娘とタレンツィオ君は、瞬時に連絡を取る手段を用している。情報は確実だ」

「承知しました」

 ガイナス騎士団長はそれ以上の説明は求めず、改めて顔を引き締めました。

 お父様が黒と言えば白も黒となる、そういう教育を受けているのでしょう。

「セリーヌ、タレンツィオ君からの最後の連絡では何と言ってきた?」

「「川を渡った」です」

「川か……、ガイナス」

「はっ」

 ガイナスはテーブルに広げているマクライン領の地図を指し示しました。

「タレンツィオ様がマクライン家を出られたのが朝の9時。こちらはタレンツィオ様の馬を用意した者から報告が上がっております」

 話しながらガイナス騎士団長は地図に指を這わせていきます。

「マクライン領から王都へ向かうルートの内、川を渡る橋があるのはこの3つになります。ここをお発ちになってから、最後に連絡を取られた時間を計算しても、この3ルートのどれかを渡ってすぐ連絡されたと見て間違いないでしょう」

「ガイナス、どの道を通った可能性が高いと思う?」

 私は地図を凝視しましたが、地図だけだと距離的には大体同じように見えました。

「そうですね……。まず、この道は無いでしょう」

 ガイナスは右側の道を差しました。

「こちらは、王都とマクライン領との間に切り立った山があり、崖も多い道です。わざわざ王都へ行くためにこのルートを通ることはありません」

 指が真ん中へ移動します。

「こちらの道ですが、若干距離は長いですが、畑が多く、平坦な道が続くので移動しやすい道となります」

 次は一番左の道を差しました。

「こちらの道は一番距離的には短いですが、川を渡ってすぐの所に森があります。森の道は舗装されておらず魔物も出ます。また近年クレイド国から流れてきた野盗が住み着いているとの噂もあります。ですのでこちらの道の可能性が高いでしょう」

 ガイナスは長く平坦な真ん中の道を差しました。

「よし、すぐに隊を編成し、こちらへ向かわせろ」

 お父様は平坦な道を指しました。

「はっ」

 ガイナス騎士団長は大股で出口に向かいます。


 あれ、私、なにか大切なことを忘れているような気が……。

 本当に? 本当にレンは長く平坦な道を行ったの?

 

 ガイナス騎士団長が出ていくのと同時に、お母様とロバートが部屋に入ってきました

「お話はセバスチャンから聞いたわ。セリーヌ、大変だったわね」

「お母様」

 私はお母様にぎゅっと抱きしめられました。

「タレンツィオ君は強い子だから、きっと大丈夫よ」

「お姉さま、何か召し上がってください」

「ありがとう。でも今は食欲がないの」

「ではせめてジュースだけでも。お姉さまの好きなオレンジジュースですよ」

 ロバートがオレンジジュースを渡してくれました。

「ありがとう」

 ジュースは冷えていて、ほっと落ち着きます。

「ありがとうロバート。美味しいわ」

 そういえば、レンと初めて会った時もオレンジの話をしていたわね。

 レンの柑橘の香りを思い出し、思わずグラスをギュッと握りしめました。


「アシタトオルモリ」

「セリーヌスキナミアル」

 これは、昨晩やり取りしたメッセージ。

 受信用魔法石を見ます。当然記録には残っていませんでした。

 ああ、確証が無いわ。

 でも……。


 トントン

「ガイナス入ります。準備が整いました。これよりタレンツィオ=ラジヴィオラ公爵子息捜索に向かいます」

 ガイナス騎士団長が報告だけして出ていこうとします。


「待って!」

 私はガイナス騎士団長を追いかけました。


「レンは森にいるわ!」

お読みくださりありがとうございます。

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