表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

シャーペン!

作者: 能美裕哉

初めての試みとかもあるので、とても緊張しています!


「うーん…今日は何をしようか…」

 私はそう言いながらシャーペンをくるくると回した。

今日は休日だし、定期テストは終わったばっかりだし。

こうなることがわかってたら友達と遊ぶ約束するんだった……。

高校入ってから、色々あって忘れてたんだよね。

 ……このシャーペンが擬人化したら、どうなるだろう。

よく読むあのサイトの小説に擬人化の話があったなぁ。

よく部活で擬人化のもの描いたりするけど…

あの小説は、色んなものが可愛い女の子になって主人公ハーレムだったしなぁ。

私は個人的にケータイの擬人化が好きだけど。

妹キャラっぽくて萌えだって。

あとラジコンの擬人化も。

ツンデレ萌えっ!

可愛いよなぁ…

でも私、女だからあんな風にはならないわな…。

あぁ、男に生まれたかった!

 じゃ、ない。

このシャーペンが擬人化かぁ…

私が今持っているこのシャーペンは黒の地に紫と青がかっこよくラインが引かれていて

小学生のときにこのシャーペンに一目惚れして買ったんだよなぁ。

たしか小学5年生ぐらいだったかな。

こんな男趣味なシャーペンを買ったんだよな…

でも本当にこのシャーペンを見たときからずっと頭から離れなくて、結局買ったんだよね。

まぁ、未だに大切に使ってるし、五年ちょいの付き合いか。

受験のときも使って受かったし。

本当に大切なシャーペンだ。

 一目惚れしたから、きっと私のタイプな奴になるんだろうな…

……と、いうか。

私のタイプって何よ?

恋したことなんてないし(まぁ、マンガとか小説の中では好きなキャラいるけど。『俺の嫁っ!』っていうのとか)

考えたことなんてない。

プロフィールとかで書くときはテキトーに書いてたし。

 もしかして、なんか呪文唱えたら出てきたりして?

「ちちんぷいぷい、人間になれ!」

…………。

 反応無し。

 ……虚しさだけしか僕には感じられないぞ?

はい。サーセン。

調子こいてサーセン。

 ……誰かつっこんでほしいなぁ…

友達が恋しい…

 その時。

私のケータイから、着うたが流れた。

お、タイミングいい!!

友達かな!

やっぱり我が親友かなぁ

 そう期待しながらケータイを開いてみると、

『今なら百万円のチャンス!』


……。

宣伝かよっ!

しかもなんだよ百万円って!

どうせ、そう言って逆に金巻き上げようと企んでんだろ!

わかってんの!

そんなことお見通しなの!


「………はぁっ……」

ため息がこぼれ落ちる。

本格的に人が恋しくなってきた。

 親もいないし、兄弟も外出中。

悲しいし、虚しいし。

人の温もりが恋しいぜコノヤロー……

 なんかもう、嫌なことばっかり思い浮かぶ。

学校で白い目で見られたこととか、私の悪口を目の前でコソコソと、でも私にまる聞こえのあのときとか。

学校新しくなったのにもう悪口?

どうしてそんな事しか言わないの?

しかも目の前でコソコソと。

まる聞こえなんですけど。

こっちがどれくらい嫌な思いしているかわかってるのかな?

 友達がいるからまだ耐えられるけど…

イヤだよ。

イヤだよ……っ


イヤなことばっかり思い浮かぶから、人の冷たさばっかりだし。

温かいぬくもりがほしいよ……


 私はまたシャーペンを見た。

もちろんシャーペンは何もしない。

したら、有り得ないね。

それは、もうファンタジーだ。


……ファンタジーでもいいから……

人になってくれないかな…?



 すると

なんと

有り得ないことに

シャーペンから白い光が発せられて

私は思わず目を閉じた。

いやいやいやいやっ

何なんだぁ!?



 しばらくすると眩しくなくなってきて、私は目を恐る恐る開けてみた。


なんと

そこには



 一人のメガネをかけた美少年が立っていた。

「………え?え?……えええぇぇぇぇっ!?」

しかもその美少年の服はなんと私の大切なシャーペンと同じデザインだった。


な…何なんだ……っ!

私はその少年から目が離れなくなってしまった。

 くっきりとして意志の強そうな目と眉毛に長い睫毛。

キュッと細い顎に綺麗な唇。

髪はちょうどよいくらいの位置で切られていて、少しだけ寝癖っぽくなってるのがさらにかっこよくされてて。

少し筋肉質で綺麗な体。

 ………こんなにカッコいい人はこの世界にいるのだろうか。

そんじょそこらのアイドルにだって負けないんじゃないか。

その、なんというか……

動悸が早くなってきた。

「……もしかして、君…」

「多分お前の思っている通りだよ」

耳に通ったその声は本当によく響いて。

とても……その…好みな声で。

「あ、あのシャーペン……」

「そうだよ」

少年はそう答えた。

そして、

「お前が、俺のことを強く呼んだから、俺は、できた。」

そう続けた。

「……マジ、で…」

「ここに俺がいるんだ。ウソなわけない」

そして急に今までの顔が少し緩んで、ふっと笑った。

………っ!!!!

ダメだ。理性が保てるか不安だ。

「お前にずっと使われてて、ずっと合いたいと思ってた。変だよな。いつも使われてんのに」

急に顔が近くなったなぁと思ったらなんか体に温かい感触があって、なんか動けないし、声が近いなぁと思ったら、

その少年にギュッと抱き締められていた。

「……ずっと……こうしてたかった。シャーペンだから出来ないから尚更。」

「………っ!」

耳に息がかかって、恥ずかしい。

ダメだ。私は耳、苦手なんだって。

心臓が破裂しそうなくらい激しく動いている。

気付かれないか不安で…

 これが、私のシャーペンなのか……?







ガバッ!


気づいたら私はベッドの中だった。

………なんだ、夢オチか…

しかもやけにリアルだったし…

ああもう!

何恥ずかしい夢見てんのさ!

………それにしても…

かっこよかったなぁ…


私はまた寝ようと思ってまたベッドに潜ろうと思った。

なんだか、ベッド狭いなぁと思って私は横を見た。




そこには。


クマのぬいぐるみだったっていうオチを最初に思いついた人間がここにいます。でもやめました。初めての擬人化なのですが、楽しんでいただけたでしょうか?楽しみながら書けたので作者としては満足です。ここまで読んで下さってありがとうございました!続きを書いてほしいなどの感想や評価待ってます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 主人公の女の子が、美少年を目にしてふにゃってなる部分がとてもかわいらしかったです。 そんな部分がなかったのなら、それは私の妄想なのであしからず。
[一言] う〜ん♪妄想パワー全開ですね(^O^) 読んでてうっふっふ…♪となりました♪ 意味深なオチがまた、クスリときました♪ 擬人化、面白いです。 シャープペンて発想が好きです♪ 楽しい時間を…
[一言] はじめまして、ぴいすけです。早速お邪魔させて頂きました。 さて感想ですが、主人公の悶々とした心情が丁寧に書かれていてとても読み手としては伝わりやすいなと思いました。というか、主人の気持ちに拳…
2009/05/28 21:37 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ