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いきなりお姫様!~VRMMOの世界で一人だけ悪役令嬢NPCに擬態して政略ゲーに勤しむことになりました!~  作者: 杞憂
強くてニューゲーム編

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48話 いきなり分析!

 「【カノン】、このアイテムを見てどう思うかしら?

 ワタクシはあまりこういうものに詳しくないので忌憚なく教えてくださいまし?」

 「私でお答え出来ることなら良かったのですが……

 【スライムの黄金核】……見たことがないアイテムですね。

 姫様はこちらをどのようにして手に入れられたのですか?」



 【ドロップ】はプレイヤーキルによって手に入れたアイテムをメイドの【カノン】に見せてどのようなものか確認してもらっていた。

 当然、【魔法使い】のアバターから【お姫様】のアバターにアイテムを移し終えた後である。

 【カノン】は【お姫様】である【ドロップ】に対しては好意を示しているが、その一方で傭兵のような扱いである【魔法使い】の【アイ】に関しては距離を置いているからである。

 これは単に【カノン】が【アイ】を警戒しているだけなのだが、その状態でアイテムのことを聞きに行くのは不自然ということで回りくどい方法で聞いているのだ。


 【ドロップ】にしては、きちんと頭を回して事前準備をしていたと評価できる方法である。



 「こちらの品は異郷の冒険者から献上されたものですわ!

 ですが、ワタクシがこれまで見たことがあるものならともかく、見たことがないものの評価は出来ず困っておりましてよ!」

 「……確かに、幾度の戦場を渡り歩いた私ですら見たことがないとなれば特殊なものであることは間違いないでしょう。

 それに私の鍛え上げた【鑑定】スキルでも名前しか確認できないとなれば、相当な力量がないと扱えないアイテムであるのだと思われます」



 (そういえば【カノン】って見た目はリアルの私より少し上くらいの年齢っぽいけど、そんなに戦場に出たりしてたの!?

 前に魔物が攻めてきた時にも私の護衛としてついてきてくれてたし、妙に落ち着いてたから逆に納得しちゃうんだけど……)



 【カノン】が何気なく漏らした言葉に【ドロップ】は内心とても驚いており、目の前に立つメイドに対して若干の畏怖を感じつつもそれをお得意のポーカーフェイスで表情に一切出さずそのまま応対していた。

 当然ながらそれに気づけない【カノン】はそのまま話を進めていく。



 「もしや、異郷の冒険者たちが影響しているかもしれませんね。

 異郷の冒険者たちの存在は、元々この地で生を営んできた私たちにとって例外的存在のようなものです。

 その介入があれば生態系や物事の在り方というのも変化していくのが自然の摂理ですから」

 「……それは遠回しにワタクシの出したクエストが原因だと断言しているのでして?」

 「……私の口からは何とも」



 (【カノン】は直接言わなかったけど、異郷の冒険者……つまり私たちプレイヤーがスライムの生態系を崩したのって私がスキル【プリンセスドミネイト】で出した公式イベントの【わがまま姫様のスライム収穫祭】が原因ってことだよね!?

 たしか、前のイベントのランキングがあったはず……)





 【【わがまま姫様のスライム収穫祭】ランキング照会】


 【一位 ペンネドラゴ 討伐数1523匹】


 【二位 ∽漆黒堕天使∽ 討伐数1425匹】


 【三位 アイリス 討伐数1320匹】


 【四位 武器子@配信者 討伐数750匹】


 【五位 マエストローグ 討伐数749匹】





 (うーん、言われてみるとこれだけ短期間にスライムばっかり倒してたら生態系に影響が出たっていうのも否定できないよ~!?)



 ランキング上だけでも合計5767体のスライムを倒しているということになる。

 そのことに気がついた【ドロップ】は事の重大性にハッとしていた。

 


 (ファートス王国の近くにいたスライムが一時的にほとんどいなくなったってことだもんね!?)



 「スライムの増殖力は総数が少なくなるとそれに比例して上がっていくと魔物図鑑にはよく記されています。

 数が減らされている間にもそれを補おうとして増殖していくのでしょうが、その増殖力の高まりの中で何かしらの変化があってもおかしくないでしょう。

 特にあそこまでのスライム討伐数を記録したのは過去には一度もありませんでしたから。

 何せ、スライムは人類の脅威にもなりにくく他の魔物から得られる素材や経験値と比較してもいわゆる()()()()狩り対象にはなりませんので。

 ですが、この地に来たばかりの異郷の冒険者たちにとってはちょうどいい相手だったということもあって、ここまで大規模な狩りになってしまったのでしょう。

 【スライムの黄金核】……これがファートス王国の未来に役立つものであれば歓迎すべきことなのですが、私にも【鑑定】出来ないのでこの場ではどう考えても判断出来ない代物です。

 ……ここはどうでしょう?

 その時の一番の功労者に聞いてみるのはいかがでしょうか?

 異様とも思える数のスライムを狩っていた騎士が姫様の配下にいるのでは?」



 (あっ、【ペンネドラゴ】さんだね!

 確かに1500体以上も倒してたら何かこれについても知ってるかも!

 よーし、さっそく呼んで聞いてみようかな!

 格好よくキメて正体を突き詰めちゃうよ!)

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