表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いきなりお姫様!~VRMMOの世界で一人だけ悪役令嬢NPCに擬態して政略ゲーに勤しむことになりました!~  作者: 杞憂
アバター奪還編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/48

34話 いきなり決着!

 「くっ、このままでは【ドロップ】姫様が……っ!?」


 【ペンネドラゴ】は【アイ】と攻撃を結び合っているが、レベルによる地力の差によってジワリジワリと追い詰められていっている。


 

 「そろそろ決着だな!

 中々楽しませてもらったが、完全に芽吹く前の蕾を相手にしている感じだったしもっと成長してから戦いたかったぞ。

 この必殺技でトドメをさしてやる!

 スキル発動!【アイシクルサイクロンーLV34】っ!」


 【アイ】はトドメと言わんばかりに杖から冷気を纏った竜巻を生み出し二人に向かって放ってきた。

 その竜巻が通り抜けた後には凍結した草木の姿があり、直撃してしまえば【ドロップ】も【ペンネドラゴ】も同じように凍り漬けにされてしまうのは想像に容易い。



 「うおおおおお!!

 聖鞘ファートスっ、俺に守るための力をっ!!!」


 迎撃が困難だと判断した【ペンネドラゴ】は国宝である鞘を盾代わりにして防御に専念しているが、突破されるのは時間の問題だろう。


 (あわわわわ!?

 どうしようどうしよう!

 このままだと負けて私がゲームを引退しないといけなくなっちゃうよ……

 何か対抗策は……あっ、そういえばあのスキルがあったね!)



 「ワタクシの騎士よ、よくぞ耐えましたわね!

 ここからはワタクシもこの氷の竜巻に立ち向かわせていただきましてよ!

 【機装展開ーLV1】っ!」


 【ドロップ】がこの土壇場で繰り出したのは他の王国の【お姫様】からもらったスキルである。

 宝玉から展開されていく装備が【ドロップ】の華奢な身体に密着されていきその変形を終えると、そこには桃色のウサギを模した機械を着けた【ドロップ】の姿があった。


 (わー、ウサギだ!

 バニーガールとかじゃなくてしっかり装備が全身にあるから恥ずかしくないのが嬉しいね!)


 「ほーん?

 このゲームにそんなスキルがあったのか。

 かなり珍しいスキルみたいだが、そのスキルレベルで俺のアイシクルサイクロンを止められるのか?」

 

 「止められるか……ではありませんわ!

 必ず止めますわよ!

 ワタクシの騎士、【ペンネドラゴ】もついてきなさい!」


 「御意!」


 【ドロップ】はその身に纏った装甲で氷の竜巻に殴りかかっていった。

 その後ろに続くようにして【ペンネドラゴ】も鞘と剣を構えてついていっている。

 


 「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁ!!!!!」」


 そして激突する2陣営、氷を砕きながら前進を止めない姫と騎士による猛攻はそのまま続いていき……



















 「いや~、まさか取り返したアバターでログインしたら他のプレイヤーたちにつけ回されるなんて思わなかったよ……」


 【アイ】との激戦を制した【ドロップ】は自ら作成したアバターを取り戻したのだが、ログインして早々に他のプレイヤーにキルされてしまい教会へと送還されるという事態となっていた。

 

 

 「あの人、相当他のプレイヤーから恨みを買ってたんだね……

 ……ってちょっと待って!?

 ずっとこのままってことはまともにプレイなんて出来ないじゃん!

 あの人が上げていたレベルはそのままだったから強いデータなのはわかるけどさぁ」


 口を尖らせながらそんな愚痴を呟く【ドロップ】は手元の画面を操作し今操作しているアバターのステータスを確認していく。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



キャラクター名:ドロップ


●性別:女性

●種族:ヒューマン

●ジョブ:魔術師

●レベル:39

●ステータス(残りステータスポイント:0)

筋力:39

防御:28

知力:74

精神:47

敏捷:32

器用:49


●スキル

【アイスプリズンーLV30】

【ライトプリズンーLV30】

【アイスフレアーLV28】

【ライトフレアーLV28】

【ブリザードランスーLV23】

【ホーリーランスーLV23】

【アイスボールーLV30】

【ライトボールーLV30】

【アイシクルサイクロンーLV34】



●ジョブスキル

【魔法道具作成】

【魔法操作】


●エクストラスキル

【アバター同時操作】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これだけ育て上げられたアバターなのにも関わらず【ドロップ】がプレイヤーキルを受けて死に戻ってしまったのは魔法を使うということになれていないのと、突然敵意を向けられるのに対応できなかったことに原因がある。

 こればっかりは【ドロップ】のせいではなく、このアバターを乗っ取っていた【アイ】に原因があるので仕方ないともいえるであろう。



 「って、【アバター同時操作】なんてスキルがあるんだ!

 もしかして【お姫様】の身体も同時に動かせたりしちゃうのかな!?」


 そう思ったが吉日。

 【ドロップ】は即座にスキルを発動すると、目の前に【お姫様】の【ドロップ】のアバターが現れたようだ。



 「え~なになに?

 コントローラーでの操作か思念操作で選べるんだね。

 ポチポチポチ……あっ、本当に動いた!」


 【ドロップ】は手元に現れた架空のコントローラーのボタンを押して【お姫様】を動かしていく。

 動きはぎこちないが移動自体は成功しているので今後の上達に期待である。



 「ふふふ、これがあればもっと面白いことが出来そうだね!

 これからは【お姫様】と【魔術師】の二刀流で頑張っちゃうよ!!」


 【ドロップ】は2つの身体を同時に動かし教会から勢いよく飛び出していったのだった!

 さあ、『面白い』冒険をこれからも続けていくのが楽しみだ!






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ