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36:暖かくて気持ちいいよ! 私も触りたい!

(らに)よぉ~ 邪魔しらいれくれらいかしら」


(まっら)くら。(わらし)(らち)は気持ちよく飲んれるんらからぁ」


 なんということだ。

 ローニとカーラの言っていることがほとんどわからん。


「何ということだ……まさか、ローニさんがカーラと同じ酒乱魔だったとわ」


 同じことを考えていたのか、その2人をレットが苦々しそうに見ている。

 ローニさんのファンか何かだったようだ。かわいそうに。

 関係ないが、カーラはコップ一杯でこうなってしまったので、2人は別の存在だと思うぞ。


「悪かったでございます。ただ、サンが食事作ってくれてますから、その間にやるべきことやっちゃいましょ」


 俺は、適当に頭を下げてから、全員に視線を送った。


「それでマキトさん、話しって……」


 2人分の水を持ってきたユキネは、酔っ払いズに渡すと俺の横に座る。


「とりあえず、2人が何しに来たかったことかな」


「あんた達、特に妹君(ユキネ)の警護だ」


「それだけじゃないだろ。あのローランドがそれだけのために人を動かすとは思えない。それに、そうだとしたらあんた達は強力すぎる」


「ほぉ、俺達を買ってくれてるんだな」


「見る目あるじゃらい。ねぇ、ローニ」


「あぁ、村長マキろは見る目あるぞ! うへへへへ」


 なんで、到着して1時間も経たないウチに出来上がってるんだよ。

 俺の視線の意味に気が付いたのか、レットは咳払いを一つした。


「ガザンの旦那からは、言っても言わなくてもいいって言われてる。だからって別にあんたにいちいち言うつもりはなかったんだが、気が付かれてるようなら説明しよう。はっきり言えば、あんたの見張りだ」


「ななな、なんでマキトさんが見張られなきゃいけないんですか!」


「ドラゴン殺しをやってのけたんだから仕方ないだろ。それだけ、危険人物なんだよ。商国にとっても、世界にとっても」


 ぬぅ、なにやらめんどくさいことになってるようだな。


「ま、この話は公にはされないだろうけどな。知ってるのは、商国と帝国の上層部の一部くらいなもんさ」


「れも、しょせん人間なんれ、すぐに噂になるわよ」


 そういって、カーラはキャハハハと腹を抱えて笑っている。


「何が面白いんだ……こっちは笑えないっての」


「安心しろ。そうはならないようにするのが俺達の仕事だ」


「どう安心しろってんだよ……」


 俺は頭を抱えた。

 しかし、どうしようもないことだ。


「それに、他にもやれることはあるぞ。俺は建築関係の技術がある。そっちのカーラは魔術師だが、農業関係に明るいし、薬学の知識もある。利はあると思う」


 確かに、どちらも必要な知識だから助かる。

 考えても仕方ないことは、後回しにするか。


「わかった。とりあえず、あんたらを迎え入れるよ。場所がばれただけなら大損だからな。働いてもらうぞ」


◆◆◆


「というわけで、これからここに住むことになったカーラさんとレットさんです」

「わーはじめましてー」

「よろしくね~」


 ……小学校かな?


 夕食前の時間を使って2人を紹介すると、子供たちは思いの外、好印象だった。

 サンの手料理の腕前が上がり、見た目やにおいだけでも非常にうまそうだということとは無関係であってほしいと強く願う。


「俺がレットだ。主に建築関係を請け負うことになる。もし困ったことがあったら何でも言ってくれ」


「ぐふふふぅ、レットが!! レットが子供相手に真面目に話してるわ!! 子供はあんたに興味ないかしら!!」


 テンションの高いカーラは腹を抱えながら立ち上がった。


「私はカーラよ。大魔術師カーラ!! 見てなさい!!」


 カーラはそういうと杖先で地面を叩いた。


「祈りの炎は雪となる。歌い、舞い、集え」


 叩いた部分にぼおっと火が灯った。


「触ってみなさい! 熱くないわ!」


 カーラに指名されたエルフの子供が一人恐る恐るそれを触った。


「熱くない! それなのにちょっとだけ温かくて気持ちいいよ!!」

「え~私も触りたい!!」


 子供たちが、一瞬で炎の周りに集まった。


「その前に、やることがあるのかしら!!」


 カーラの一言に子供たちが首をかしげる。

 カーラは、杖を持ったまま軽く手のひらを叩き合わせた。

 少し悩んでから子供たちはそれに倣い拍手をする。


「よろしいかしら!!」


 カーラはほ~ほっほっほ~と勝ち誇ったようにレットを見てもう一度今度は勝ち誇ったように笑う。

 俺も気になったので触ってみた。

 どうやら、治癒効果があるらしい。

 と、脳内楽団がいつもの間抜けなファンファーレを鳴らした。


====

【実績が解除されました】 

● 魔力の存在を確認

――彼女を作ることと、旨い酒を飲むこと。天才魔術師と呼ばれた彼が生涯を賭して研究した魔術です。そう、彼は生涯を賭しました。


● 回復の効能

――ばばんばばんばんばん


【実績解除ボーナス】

感知[魔力]:魔力を感じられるようになる

回復:体力の回復速度上昇


【特定スキル取得によるスキル解放】

強化[嗅覚]+感知[魔力]

探知:精神力に対応した距離の生命体を知覚できる

====

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