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魔王召喚 キングスライム

 夜の高速道路を数十のバイクが音を立てて爆走する。改造に改造を重ねた色とりどりのメタルカラーなバイクたちがハイライトの光を眩く反射する。

 ほんの少し東の空が明るくなって来たかなというときこの暴走族のボスである桐人(きりと)に声がかかる。


「桐人さん、そろそろ朝の五時です!」

「よしてめぇら、そろそろ解散するぞ!」

「「「「「うっす!!!!!」」」」」


 帰り道、家までバイクを飛ばしてた桐人の前に幼子が飛び出して来た。慌ててハンドルを切ったがそのまま電柱に激突して意識を失った。




◆◆◆◆◆




 夢から目を覚ました……筈だった桐人(きりと)は疑問に思う。何故なら彼の視界に映るものは黒一色、周囲は完全な無だったからだ。

 だが不思議なことに、光すら感じられないのに自分の体は見ることができる。足元にも感覚は無いところからどうやら真っ黒い空間に漂っているらしいと理解する。


「さて、そろそろいいかな?」


 何も無かった空間で、突然背後から声をかけられる。桐人が裏拳をかまして振り返ったところで何が居たのかを確認してみると、少し離れた所でゴロゴロ転がりながら顔を手で抑えている黒ずくめの青年がいた。


「誰だお前、いったい何が起きたんだ?」

「痛たたたた。普通いきなり殴りかかるか?全く最近のガキは・・・・・・ーーーーーようこそ神の間へ、俺は黒神。ついでにお前は死にました」

「そうか……俺は死んだんだな。じゃあ……ここはどこなんだ?」

「死んだ生物全てが行く輪廻の環っていうのがあるんだけど、その環を円の外周としたときの、円の中心だよ。」


 意味が分からず首を傾げた桐人に、形式を全部すっ飛ばして分かりやすく結果だけ言う。


「分かりやすく結果だけまとめると、異世界転生イベントだ」

「なんか、適当だな」

「適当で良いんだよ。やることは俺の暇つぶしなんだから」


 正直に何でもペラペラ話して、威厳も何もあったもんじゃない黒神をジト目で見つめる桐人。


「えっと、お前には今まで生きて居た世界とは別の、魔法とかがある異世界に転生してもらおうと思ってね。勿論ある程度チート能力を備えての転生だ。前世の記憶も残した状態にしてやる」

「良いのか?ていうか異世界転生なんて本当に在ったんだな」

「あぁ、暇つぶしの為に用意した、神様がそれぞれ自分の陣営を競わせるゲーム用の世界だ。裏切り意外は何やってもいいぞ」


 どうせ死んでるんだし、何しても良いんだったら楽しめる来世のほうが良いよな。と、桐人は男なら誰でも一度は憧れる能力をお願いする。


「テンプレktkr~!じゃあ冒険者になって奴隷ハーレムでも作るわ」

「あ、それ無理。俺の転生は魔王サイドだし、お前はスライム族に転生させる予定だもん」

「しょぼ!最弱じゃん!」

「はぁ?てめースライム嘗めんなよ?」


スライム族

 最も一般的な魔物。

 様々な種類がいるが基本的には最弱ランク。

 強い分類になるほど個体数が少ない為、世間的には雑魚扱いをされている。

 しかし、プラチナスライムぐらいまで強くなると、下位のドラゴンと同等の力をもつ。

 不老な為、高位のスライムは知識も豊富との噂も…。


 ステータスを見せてどや顔を浮かべる黒神。


「もし、俺が転生を断ったら?」

「お前を環に返して、また適当な人を喚ぶだけだ。やる気の無い奴にポイント使ったあげく、裏切られたりあっさり死なれたら嫌だもん」


 肩をすくめながら返答してくる黒神。パラメータ画面を表示して桐人に見せもう一度聞いてくる。


「で?どうするの?擬人化出来るぐらいまで進化すればハーレムも作れるかもよ」

「やる。やってやるよ!」

「じゃあパラメータを好きにいじっていいよ。決定押したら直ぐにスタートになるからね~」


 そう言うと黒神はあっさり消えてしまった。

 仕方がないので言われた通りパラメータを弄る事にした。




――――――


名前:キリト

種族:キングスライム

職業:魔王

Lv:1 EXP:0/100000000000000

ポイント:0


<ステータス>

筋力 (STR)=5

防御力(DEF)=7

体力 (VIT)=12

敏捷力(AGI)=12

知力 (INT)=15

精神力(MND)=9

魅力 (CHA)=3

生命力(HP)=46

魔力 (MP)=38

機敏(DEX)=5

幸運(LUK)=25


<スキル>

――スライムを統べるもの――

 全てのスライムが言うことを聞く。

 命令を受けたスライムのステータスが1%上昇する。

 近くにいるスライムのステータスが10%上昇する。

――捕食――

 捕食したもののステータスを僅かに自分のステータスに反映させる。

 捕食したもののスキルを極稀に手に入れる。


――――――




(いじって良いとか言ってた癖にポイントが0何だがどうしろと?)

<<回答。この場所限定でステータスを増やしたり減らしたりできます。ステータスは思考制御とタッチパネル方式で変更できるので、好きなように調整してください。尚、ステータスはあくまで転生初期の目安です。転生後にステータスの確認や変更は出来ないです。>>


(思考制御ができるのか、VRMMOとかがあったならこんな感じだったんだろうな~。取りあえず異世界の平均的な強さやパラメータの基準を知る必要があるか。)

<<回答。スライムの初期パラメータは1。キングスライムのステータス平均は60。一般的な人間のステータス平均値は10。ドラゴンやヴァンパイアなど個体差の激しい生き物もいるので、全種族の平均は測定不能。最低でも10000は超えるかと思われる。>>


 桐人の考えた事に答えが返ってきた。が、返ってきた答えに桐人は焦る。


「平均どころか1つも60にいってないんだけど!?」


 取りあえずパラメータの色々なところを触って試してみる。


(どうにかしないとヤバいぞこれ、直ぐに死んじまう。ってキングスライム外れたし!)


 職業の魔王は外せなかったが、キングスライムを外してスライムに変えたら9985ポイント増えた。




――――――


名前:キリト

種族:スライム

職業:魔王

Lv:1 EXP:0/100

ポイント:9985


<ステータス>

筋力 (STR)=5

体力 (VIT)=12

敏捷力(AGI)=12

知力 (INT)=15

精神力(MND)=9

魅力 (CHA)=3

生命力(HP)=46

魔力 (MP)=38

機敏(DEX)=5

幸運(LUK)=25


<スキル>

――捕食――

 捕食したもののステータスを僅かに自分のステータスに反映させる。

 捕食したもののスキルを極稀に手に入れる。


――――――




(必要経験値まで下がっているし!?)


 どのステータスをどれくらい上げるかだけでも考える事の多くて手間のかかる作業だが、更にスキルもポイントで1万個以上の中から選ばないといけない。

 決定を押さない限り何時までも考えていられるので、長時間かけて慎重に決めることにした。



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