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宝桜心理

私は世界を知らない、だから、自分がどんなに小さいのか分からなかった。


幼い頃、私はとくべつな施設にいた、私が"せんき"だから、お国を救う為の特訓をするんだって。


私はその事がとても誇らしかった、周囲の目線がとても輝いて、皆私に期待するから。


その日、せんきの「武装」適正があった。


イロハニホヘトチと、イが最低でチが最高、私は小さいながら、ヘ級の武装が合っているとの事だ。


それを聞かせれば、またみんなの目線が変わってくる、齢七歳で、へ級の適正があったのは私だけだからだ。


だから私は無敵だと思った、大人の皆が凄い目でみてくるから、私は強いと勘違いをしてしまう。



そう、勘違い、私が握島に来て、調子に乗って火兵武装のホーミング式アサルトライフルを連発しまくって、玉切れになった際に、私はホ級の戦姫に囲まれた。


私はへ級だ、ホ級なんて少しだけの力の差だけど、勝てない相手ではなかった、けれど、敵国のホ級は三体で、全員近距離型の『白兵型』。


捨て身の特攻で来たホ級は、自動式武装破壊銃に餌食になったけど、一人の敵兵を逃して、私の自動式武装破壊銃を一つ破壊した。


敵兵の第二撃が、私の首元を狙った時、あの子が身代わりになって、それで、それで。


違う。


あれは私のせいじゃない。


私は、ただ褒められたかっただけ、ただ、人並みに好かれたかっただけ。


だから頑張って。




頑張って頑張って頑張って。




頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って。




それで、気づいたの。


周囲の目線は、尊敬でも敬愛でもない。


ただの、道具としての期待。


ただの、道具としての利用価値。


嫌だ、違う。


私は凄いの、強くて、最強で。


違う。


愛されようと頑張って。


違う、違う。


だけど私は。


違う、違う、違う違う――――。


ただの。


違う違う違う違う。


道具だから。




違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う































そう、違う。


あの子が死んだのは前の司令官のせい。


私じゃない。


私が愛されなかったのは、私が戦姫だから。


私が悪いんじゃない。


私が、


私が。














『ふざけているのはお前だ』





――――――――だれ?


なんでそんな事をいうの?


私が何をしたの?


私は、ただ、認められたかっただけなのに。


――――あぁ。


結局のところ、私は必要にされなかった。


ただし死ぬのを待つ道具、使われない玩具の様に、ただ廃棄を待つだけ。


もう何も思わない、いらない心は捨てていくわ。


もう、必要とされていない私は、錆びて朽ちるのを待つだけだもの。


一つだけ、聞かせて、私は何の為に生まれたの?




『貴様は、駒だ』




『だが、捨て駒ではない』



――――何、それ。


何で、あなたがそれを言うの?





「ねえ、私は、必要とされているの?」



泣きじゃくる私の言葉は、案外チャチなモノで、伝わりにくかった。


けれど、彼は、答えてくれた。



「無論、当たり前の事を言うな、貴様は私達と共に戦って貰うぞ、戦争に勝つまでずっとな」




自然と流れる涙は、とても熱くて、とても痛い。


だから拭いたけどそこからまた涙が溢れる。


拭いても拭いても流れる涙。


とても痛いのに何故か心が潤ってくる。


支離滅裂なこの気持ちに、少しだけひびが入って、それでまたなおる。


そのひびをなおす人は、まるでこの司令官に似ていた。






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