番外編 リュイとベルデの馴れ初め的な話 第五話
校長室を出てリュイの父親と別れてから、3人はクラスに荷物を取りに戻った
学校の門でベルデを見送ったリュイが、隣を歩いているアズールに話しかけた
「アズールは何であんなにベルデと仲が良いんだ、教室でも話しているところをみたことが無いのに」
リュイの責めるような声にアズールが口元を緩めた
「何で無いと言い切れるんだ?」
アズールの余裕のある笑みに焦ったリュイが叫んだ
「な!何時だ!」
リュイの必至そうな顔を見たアズールが、からかうのを止めて真面目な顔で答えた
「資料室で良く会う、家の蔵書で事足りてしまうのはリュイの家くらいだ」
しばらく、考え込んでいたリュイが呟いた
「・・・なるほど、蔵書を見るのに家に誘えるかな」
「まあ、誘えるかもしれないが結局家が反対方向だし資料室の方が使いやすいだろうな」
「う・・・」
アズールの冷静な指摘にリュイが項垂れたが、パッと顔を上げるとアズールに詰め寄った
「それにしても!資料室で会うくらいであんなに仲良くならないだろう!」
「同じ資料を探したときに討論になって、その時に友達になった」
アズールの言葉にリュイがあ然とした
「珍しい・・・」
「俺が一番驚いた」
「そうか・・・」
未だに納得しきれていないようにアズールが顔をしかめると、我に返ったリュイが呟いた
「安心しろ、一応言っておくが互いに恋愛感情は一切無い」
「そうか(アズールは無いのかもしれないけど)・・・」
「ああ(ベルデが好きなのはお前だ)」
はっきり言い切ったアズールに対してリュイの返事は歯切れが悪かったが、友達から友達への恋愛相談を一方的に聞かされたことを思いかえして苦々しい表情を浮かべていたアズールは気付かなかった
「今日お前たち仲良かっただろう?」
続けて今日を振り返っていたアズールがリュイに問いかけると、不思議そうな顔をしたリュイが段々と青褪めていった
「どうしよう、ベルデ一杯抱き締めちゃったよ、俺嫌われてないかな?大丈夫かな?」
頭を抱えたリュイがアズールを縋るような目で見た
「今更そこなのか・・・と言うかリュイ」
苦笑したアズールが、不意に真剣な表情をしてリュイを呼んだ
「何、アズール、どうかした?」
アズールを見て少し落ち着きを取り戻したリュイがアズールに答えた
「いつもの冷静なリュイはどこへ行った」
「え、いつもの俺ってどんなだった?」
リュイが不思議そうに首を傾げてアズールを見た
「俺に聞くな!」
これにはアズールも、流石に声を荒げた
「ああ、どうしよう・・・」
また頭を抱えだしたリュイに、アズールがため息をついた
「落ち着け、ベルデが嫌いな奴に大人しく抱き締められているわけないだろう?」
「本当?(ベルデのこと良く分かって・・・)」
「ああ(他の子だったら、いつも余裕で対応しているだろう?)」
アズールはリュイの上着の裾を指差した
「ほら、見てみろ」
「ん?あれおかしいな、皺になってる」
「お前に抱き締められている間ベルデがしっかり握りしめてたからな」
不思議そうに見ていたリュイがアズールの言葉を聞いて薄っすら頬を染めたのを見て、アズールが思わず身を引いた
「え、どうしよう、これ保存しておかなきゃ」
「リュイ・・・」
上着を大事そうに抱えてウットリしているリュイを、アズールが残念そうに見た
最後まで読んで下さってありがとうございます
(●´ω`●) ウレシイ デス!
このお話は勿論第一話の前の話になります
第二話から出て来る女性は、本編の第二十八話から三十話に出て来る「寮のお姉さん」です
余談ですが、番外編では20代後半、本編では40代前半になります(何かがネッ)
そして、ニヤニヤしている校長とは番外編の時に結婚9年目くらいです
ちなみにアズール・ベルデ・リュイたちは、本編の第二十六話から三十話辺りに出て来る医務室の先生と同学年になります
(;^ω^) 本当に余談になってしまいました・・・orz




