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大切な人たちとの日々  作者: MIK
猫らしくない猫を飼い、子守をする
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第九話 アズールとノラ(元野良猫)

家に帰って早速ノラを呼ぶと、ニャと返事をした後近寄って来た

ノラはアズールの近くまで来ると足元に座ってこちらを見上げた

アズールがソファーに座って自分の膝を軽く叩くとそれを見たノラが膝に飛び乗った

アズールに耳の後ろを撫でられ、膝の上に座りながらゆっくり大きく尻尾を動かしていたノラが鼻をひくつかせるとアズールの匂いを嗅ぎまわり始めた

「ノラ?」

アズールが呼びかけても答えること無く熱心に匂いを嗅いでいたノラがアズールのポケットに顔を近付けるとンニャと短く鳴いた

「あ、忘れてた」

アズールはランから返って来たハンカチをポケットから出した

ノラがしきりにハンカチの匂いを嗅いでいたが、アズールの膝から降りると机に飛び乗った

「ノラ、どうした?」

ノラがウニャァーンと鳴いて、箱の上に手を乗せた

「このハンカチを首輪が入っていた箱に入れて欲しいのか?」

アズールの言葉にノラがンニャと鳴いた

アズールがハンカチを箱に入るようにたたんで入れ終わると、ノラが箱に頭をこすりつけた

それを見たアズールがあきれた声を出した

「お前本当に猫らしくないな」

箱を前に嬉しそうに尻尾をぴんと立てているノラをアズールが笑うと、ノラがグゥウと唸り声を上げた

それでも構わずに笑っていたアズールにノラが牙を剥いてシャーと威嚇した

「ごめん、笑いすぎた」

流石に笑うのを止めたアズールがノラの頭を撫でたが、ノラはぷいっとそっぽを向いてしまった

「ノラ?ノーラ?ごめん、許してくれないかな?」

ノラの背中を撫ぜながらアズールが声をかけるとノラはそっぽを向いたまま尻尾だけアズールの腕に巻き付けた

「ありがとう、本当にごめんね」

アズールの言葉にノラがンニャと鳴いた

「そろそろご飯を取って来るね」

ノラが顔をアズールに向けてウニャァーンと鳴いた

ご飯を持って部屋に戻るとノラが机の上に乗ったまま箱の上に頭を乗せ両前足で包み込むようにして、ごろごろ喉を鳴らしていた

「ノラ、嬉しそうだな」

アズールが声をかけると、机から降りたノラが歩いて来てアズールの足に頭をこすりつけた

ご飯を食べ始めたノラを見ながら、アズールが呟いた

「ノラは可愛いな」


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