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大切な人たちとの日々  作者: MIK
(本編にほとんど出番の無かった)リュイとベルデの為の番外編
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番外編 ベルデとリュイの長い一日 第三話

着替えを済ませたリュイはリビングのある階下へは向かわずに書斎に向っていた

「リュイ様、リビングはそちらでは」

背後からかかった声に、リュイが渋々振り返ると珍しく焦ったような顔をした男が立っていた

「少し気になるところがあってな」

「あの案件は急ぎではないので、後日再度ご覧になってはいかがでしょうか?」

「いや、家のことはおろそかに出来ないだろう?」

男は視線をさまよわせた後、恐る恐る口を開いた

「今日のために色々頑張っておられるベルデ様のためにもどうか、リビングへ」

「何を言っているんだ?」

男の言葉の意味がわからないと首を傾けたリュイが、胸を張った

それを見た男が顔を引き攣らせた

「今日は、ベルデの記念日では無いぞ」

「はい、ですが」

「ベルデのことなら何でも知っているぞ、俺に出会う前のこともお義父(おとう)さんに細かく確認してあるから漏れは無い!」

「リュイ様」

「何だ、お前が聞きたいなら特別に俺のベルデがいかに可愛いか聞かせてやらなくもないぞ?」

「リュイ様、それはまた今度お願いしてもよろしいでしょうか?」

「ああ、ベルデのことならいつでも話してやろう」

「ありがとうございます、ところで、リュイ様」

「なんだ?」

危険を感じたリュイがとっさに脇腹をかばうと、直後にパシッと乾いた音がなった

「ん、あれ、ベルデの手だ?・・・どうした、ベルデ!?」

受け止めた手を不思議そうに見下ろしたリュイが手を辿って視線を上げると、真っ赤になって涙目でぷるぷる震えているベルデに気付いておろおろし始めた

ベルデはキッとリュイを睨み付けると、手を振り払って走り去った

「リュイの馬鹿ーーー!!」

「なっ!?ちょっと待て、ベルデ!!」

すぐにベルデを追いかけて行ったリュイの後ろ姿を見ながら、男が深いため息をついた

「また、俺が2人を呼びに行くのか・・・」


ベルデが逃げ込んだ先は寝室だった

リュイがそっと中に入ると、ベッドに頭を乗せて悶えているベルデを見つけた

「うー、恥ずかしいー」

リュイが入って来たのに気付いていないベルデの呟きにリュイがニヤリと笑った

「今日はベルデが可愛すぎる記念日に追加だな」

「そんな記念日いらない!」

パッと顔を上げて振り返ったベルデをリュイがギュッと抱き締めた

いつものようにベルデの頭を撫でようと手を乗せると、いつもと違う感触に驚いたリュイがベルデの頭に視線を向けた

丁寧に結ってある髪を見たリュイが、抱き締めていたベルデの肩を掴んで立ち上がると、少し引き離すようにして全身をくまなく見つめた

「ベルデ、今日は何の記念日?」

リュイのお気に入りで全身をコーディネートしているベルデは神々しく輝いている

問いかけに驚いて呆然としているベルデを見たリュイが、自分は余程重要なことを忘れているのかもしれないと焦り出した

ぶつぶつとベルデの記念日を唱え始めたリュイに、ベルデがくすくす笑い出した

「駄目だ、どれも違う」

青褪めた顔をしてベルデを見たリュイにベルデが笑いかけた

「ねえ、リュイ」

リュイが縋るようにベルデを見つめた

「私の誕生日はリュイにとって大事な日?」

「ああ、何よりも大事な日だ、産まれてきてくれてありがとう、ベルデ」

「ありがとう、リュイ」

目元を赤く染めたベルデがジッとリュイを見つめて口を開いた

「あのね、私もリュイの誕生日は大事な日なの」

「ありがとう、ベルデ」

「産まれてきてくれてありがとう、リュイ」

微笑んだベルデにリュイが満面の笑みを浮かべた

「で、その日が今日なの」

「え、どの日?」

「もう!!」

何故か怒り出してしまったベルデがリュイの手を引いてリビングへ向かった


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