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大切な人たちとの日々  作者: MIK
(本編にほとんど出番の無かった)リュイとベルデの為の番外編
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番外編 ベルデとリュイの長い一日 第二話

今日の残りの時間もベルデが好きなように過ごすのを邪魔しないためにリュイが外出用の服に着替えていると、買い物から返って来たベルデの楽しそうな声が聞こえて来た

「荷物を持ってくれてありがとう」

「思っていたよりかさばってしまって困っていたの」

「偶然って凄いわよね」

程なくして、ベルデが寝室のドアを開けた

「ただいま、リュイ!」

嬉しそうなベルデに穏やかに微笑んだリュイが答えた

「おかえり、ベルデ、買い物は上手くいった?」

リュイの服装を見たベルデの顔が曇り、続けて何かを言おうと開いた口を閉じた

「ベルデ、どうしたの?」

「リュイ、出掛けるの?お仕事?」

悲しそうなベルデにじっと見つめられたリュイが、言葉に詰まっていると慌てたベルデが早口でまくしたてた

「あ、えっと、いってらっしゃい、お仕事頑張って来てね」

ぎこちなく微笑むベルデに、リュイが伸ばしかけていた手を止めた

「ああ、いってくる、ベルデは俺の分までゆっくりしていて」

「私は十分ゆっくりしているから、リュイの分はちゃんと取って置くわ」

「じゃあ」

そのまま部屋から出て行くリュイの後ろ姿をベルデが悲しそうに見つめていた

門を出たリュイが裏口の扉を叩くとすぐに扉が開いた

裏口から戻ったリュイが扉を開いた男に目を向けて短く問いかけた

「報告を」

「何も問題ありませんでした、今日は早めに帰られることをお勧めします」

男の言葉に不機嫌そうな顔をしたリュイが答えた

「ベルデも買ってきた物に割く時間がいるだろう?」

「どうか、今日は早めに」

「・・・わかった」

リュイの前を歩いていた男がたどり着いた部屋のドアを開けた

「部屋は整えておきました、資料もいくつかお持ちしてあります」

部屋に入って机の上を見たリュイが軽くうなずいた

「ああ、助かる」

「御用がありましたら、ベルを鳴らして下さいませ」

「ああ」

一礼して男が部屋を出て行くと、真剣な顔をしたリュイが資料に目を通し始めた


ノックの音に返事を返すと男がワゴンを押しながら部屋に入って来た

男が壁のスイッチを押すと部屋の中が明るくなった

「ああ、助かる」

リュイが声だけで答えると、男は小さくため息をついた

「リュイ様、お茶をお持ちしました」

「ああ」

「僭越ながら、これを飲んだらお帰りになられるのが宜しいかと」

「どこへ?」

そこでやっと男を見たリュイが不思議そうに聞き返した

「裏口から出て正面玄関にです」

「今日はもう少しいいだろう」

無言でお茶を淹れたカップをドアの近くに置かれているローテーブルに置いた男に、リュイがムッとしながらも椅子から立ち上がりローテーブルと対に置かれているソファーに座ってカップに口を付けた

リュイがカップをテーブルに置くと同時に男がリュイを脇に抱え上げた

「失礼いたしました」

部屋を出るとすぐにリュイをおろし、服装を軽く整えるとさっと距離をとって一礼した

「くっ、ついお茶につられてしまった・・・常々思うが、お前に美味しいお茶を淹れる特技があるのは何かの間違いだ!」

「間違いでも、特技のお蔭でこうしてお仕え出来て光栄です」

「それだけではないさ、・・・すまない」

小さく呟いたリュイが歩き始めると、僅かに口元を緩めた男が静かに口を開いた

「裏口からお帰りになられるのでしたら」

慌ててこちらへ戻って来たリュイが男をキッと睨んでから顔を逸らした

「どうぞ」

男から渡された資料を手に持ったリュイが裏口から出ると、外は日が傾き始めていた

リュイが玄関の扉を開けると、笑顔のベルデが駆け寄って来た

「お帰りなさい、リュイ」

「ただいま、ベルデ」

ベルデに挨拶を返したリュイは、先ほど男から渡された資料を男に渡した

「これを書斎に持って行っておいてくれ」

「かしこまりました」

「リュイ」

何か言いたそうに自分を見上げるベルデにリュイが笑いかけた

「すまない、先に着替えてくる」


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