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大切な人たちとの日々  作者: MIK
溢れる思い
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第七十五話 ローザとニヴィとクラース

ローザは、自室で母の手製菓子とお茶をニヴィと楽しんだ後テーブルの上を片づけ、クラースから預かっていた渡せなかった贈り物を置いた

突然、目の前に並べられた大小様々な箱とその上に置かれた封筒を前にしてニヴィが首を傾げた

封筒の表に書いてある自分の名前を見たニヴィが頬を染める

「これもしかして・・・」

ローザが無言で封筒を裏返した

封筒にクラースの名前がかかれているのを見たニヴィが赤くなった

「誕生日会で渡すつもりだった贈り物、右から順番に並べたわ」

「何故5個もあるの?」

「兄さんは重いのよ・・・」

小さく呟いたローザがニヴィの手に右端の封筒を乗せる

ニヴィは戸惑いながらも封筒を開き、中に入っていた手紙を読み始めた

ニヴィは手紙を読み終わると、箱の包装を丁寧に外し中身を取り出して見つめた

全ての手紙と箱の中身を見終わったニヴィがローザを見た

「今日、クラース部屋にいる?」

「ええ」

ローザが答えると、ニヴィは立ち上がって部屋を出て行った

「兄さん、頑張ってね」

ニヴィを見送ったローザがドアを閉じながら呟いた


クラースが本を読んでいると、ノックの音とともにドアが開いた

「どうした、ローザ?」

本を閉じて振り返ると、空中をふわりと舞った銀色の髪が目に入った

軽い衝撃と共にニヴィが椅子に座っているクラースに抱き付いた

涙で潤んだ目をしたニヴィがクラースを見下ろしている

「ど、どうしたんだ、ニヴィ!?」

驚いたクラースが名前を呼ぶとニヴィがしがみついてきた

ニヴィの目から涙が零れ落ちると、クラースが伸ばした手で拭った

そのまま泣き出してしまったニヴィをクラースが優しく抱き締めた

しばらくして落ち着いてきたニヴィが涙を拭こうとクラースの首から手を離した瞬間、クラースがニヴィを横抱きにして椅子から立ち上がるとソファーに移動した

クラースはニヴィを抱いたままソファーに座ると、ニヴィの顔を心配そうにのぞき込んだ

「大丈夫?」

ニヴィはクラースを見て微笑む

「大丈夫よ」

「驚かせてごめんね」

「本当に?」

まだ心配そうな顔をするクラースを見たニヴィがくすくすと笑った

「ニヴィ・・・」

訳が分からなくて困っているクラースにニヴィが笑いかける

「とても嬉しいことがあったの」

「そう・・・良かったね」

素っ気なく顔をそらしたクラースの頬にニヴィが手を添える

驚いたクラースがニヴィを見つめる

「誕生日の贈り物、ありがとう、クラース」

「!?」

「ローザが渡してくれたわ」

「そうか、気に入ってくれただろうか」

「ええ、とても」

嬉しそうに微笑んだニヴィを見たクラースが、頬に添えられたニヴィの手を取って軽く握った

「私が恥ずかしがらずにちゃんと答えていたら・・・ごめんなさいね」

「手紙もちゃんと読んだわ、ありがとう」

「私も大好きよ、クラース」

ニヴィの言葉にクラースが涙を零した

クラースの涙をニヴィが拭う

ニヴィを見下ろしたクラースがハッとした後、ニヴィをソファーにおろした

ソファーから立ち上がったクラースは、机から小さな箱と細長い箱を取り出して戻って来た

テーブルに2つとも箱を置くと、自分を見て首を傾けているニヴィをもう一度膝の上に座らせてから小さな箱を取って差し出した

「え?」

「一番始めに用意した贈り物だ」

ニヴィが丁寧に包装を外して箱を開けると、メッセージカードと共に小さな指輪が入っていた

カードには“ニヴィ、大好き!!”と大きく書かれ、隅の方にクラースの名前が書いてあった

「もう指にはつけられないな・・・渡すのが遅くなってしまってすまない」

「ううん、ありがとう」

「それと、これもなんだが」

中身を確認したニヴィが嬉しそうにネックレスに指輪を通したのを見たクラースはローザが言っていた良い事とはこう言うことかと、にやにやしていたセールと顔を輝かせていたシンザの顔を思い出しながら込み上げて来た嬉しさに口元を緩めた

クラースはニヴィの手からネックレスを受け取ってニヴィの首にかけると、ニヴィの胸元で輝いている指輪を満足そうに見つめた


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